出典:スーザン・B・ハンレー『江戸時代の遺産』(中央公論社、一九九〇年)

ハンレーはワシントン大学教授。『江戸時代の遺産』(中央公論社、一九九〇年)より引用。

ハンレーは徳川幕府の意義を〈成立及び社会的、経済的、人口学的な展開という点で、少なくとも普通の日本人に与えた影響は明治維新と同じように重要であったと思う〉とする。

農業における変化について〈小規模な家族毎の耕地を生み出した。その結果名子等の奉公人が小作人となり、結婚もし、自分の家族を持つようになった。特に温暖な西日本でみられた小規模な家屋の急増だけでなく、おそらくは前代未聞の効率での人口増加〉としている。

都市では〈商業が栄え、都市が建設され、職人や商人階級による文化が、都市に群がる集団としてはかつてなかった程の富をもった新たな大衆の中から育ってきた〉としている。

元禄時代について〈大抵の日本人の生活は戦国時代とは大きく違ったもの。