(講演会記録、平成22年8月6日付、抜粋)
(注:武道家、明治神宮武道場至誠館 第3代館長、元陸上自衛官、陸上自衛隊特殊作戦群初代群長)。
最初に結論を言いますと、戦後日本政府は、終戦直後のGHQ占領にあったときと同じ従属的な日米関係を守ってきたということ。なぜ、そのような歪な日米関係を守ってきたかというと、それによって日本の安全保障と経済的発繁栄が担保されるという啓蒙された期待感と政治的圧力が存在したからです。
では自衛隊は何を守ってきたのでしょうか。本来であれば、自衛隊が国防の主体となり、足らざるところを日米同盟で補完するべきところです。しかし、政府自体が主権国家としての自立した意志を持っていないわけですから、実体は、歪な日米同盟を維持するために自衛隊が政治的に利用されてきたわけです。もっとはっきり言えば、戦後政府は自らが国防の責任を果たすという主体的発想は一度も持ってこな