私は『日米開戦へのスパイ』でゾルゲの功績であるとされる「“日本はソ連を攻撃しない”というゾルゲ情報でソ連は極東軍を西部戦線に送ることが出来、これでモスクワは救われた」というのは事実に反することを書きました。
確かにゾルゲはソ連のスパイです。しかし、このスパイで日本が被害にあったことはほとんどないのです。でもゾルゲ事件が作られ、ゾルゲは死刑、そして多くの関係者が獄中で死亡しました。その中にヴケリッチがいます。ヴケリッチはクロアチア出身で仏アヴァス通信社(現在のAFPの前身)のジャーナリストとして活動した人物です。彼は山崎俶子氏と結婚し、二人の間に息子洋が生まれます。ヴケリッチの妻山崎俶子氏への最後の手紙は、「坊やにお手紙がどんなに喜ばしたか、よく説明ください。体をお大事にね。此方も精神を一度張ってやるから。では坊や達の パパ ヒロシ ノ オテガミ ドウモ アリガトウ パパモ ヒロシ ガ ダ
孫崎享のつぶやき
ゾルゲ事件関連書籍『日米開戦へのスパイ』の出版とヴケリッチの息子・山崎洋氏との奇跡的出会い
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コメント
コメントを書くヴケリッチさんと奥さん、山崎洋さんと奥さんのお話、実にせつないですね。
もう一つ、私にはせつない話があります。
近衞文麿元首相の長男の近衞文隆氏のことです。彼が関東軍の将校のとき、日本が敗戦し、ソ連に抑留されたのです。抑留されていた兵士たちが終戦後続々釈放されても、彼だけはずっと釈放されることもなく抑留され、最後は獄中で亡くなったのです。彼は亡くなるまで奥さんに多くの手紙を出しました。その手紙の最後に必ず「夢顔さんに宜しく」と書いてあったのです。
その「夢顔」が誰なのか謎だったのですが、ソ連との国交回復時に「夢顔」がリヒアルト・ゾルゲであることが分ったのです。近衛文隆氏は、戦後亡くなるまでゾルゲに頼めば、収容所から出して貰えると思っていたのでしょう。せつない話です。
戦争は絶対にしてはいけません。つくづくそう思います。
> このスパイで日本が被害にあったことはほとんどないのです。でもゾルゲ事件が作られ、ゾルゲは死刑、そして多くの関係者が獄中で死亡しました。
権力がその時の都合で「日本にとって よろしくない」と見做せば、実害を及ぼしたか否かに拘わらず「犯罪者」と決めつけられる。今尚そうだ。小沢一郎然り、カルロス・ゴーン然り。他にもいくらでもいる。
逆に、権力が「日本にとって よろしい」と見做せば、ほぼ真っ黒な犯罪疑惑があってもお咎め無し。アベ、スガ然り。他にも枚挙に暇無し。
「ベオグラードから来られた女性」=山崎佳代子氏という方と推察致しますが、著作の一つに「ベオグラード日誌」があった。権力の都合で「NATOのユーゴ空爆」に晒された彼の地で目の当たりにした理不尽も綴られているに違いない。
戦争時における「反戦思想」が権力者によってどのような経過をたどるかという視点で読みました。
1月22日の習近平の講話が報道されているが、重要なことが述べられている。石平氏が注目しているが、中国では同じようなことが行われようとしているのです。
①経済の腐敗粛正は今まで行われてきたが、今回は政治の腐敗粛正を重視している。端的に言えば、習近平の政治に異論を唱えるものは、粛清排除するということである。共産党と国家の権力を奪おうとする「腐敗利益集団」に対する政治闘争に決着をつけるということでもある。
②台湾との戦争を想定しているのであろうか。人民解放軍将校・兵士の給与を40%増額するということである。大佐クラスであれば月額2万元(約32万円相当)になる。年額2~3万元ぐらいのひとが平均値であり、大変な優遇である。
このような、権力集中は戦時体制に直結する。コロナどころでなく、米中の動向から目が離せなくなっているのではないか。
>>3
中国は米国の侵略性に対するデフェンスの立場で内部を固める挙に出ている訳です。中国の専守防衛政策内部に於けるものと大日本帝国の侵略国家の内部粛清、更には、米帝国主義遂行上行われる平和主義者に対する米国内外で行われる暗殺や弾圧とは本質的に違うと私は思いますよ。CHANGEさんはそのことを敢えて無視して混同していると思いますよ。
>>4
先のことはわからないが現在は、という注釈付きで
まったく同感です。
現在の中国は公平に見ればそれほど批判に当たらないと
わたしも思います。
わたしは中国に対する批判一つに対して同様の米国批判
五つを提示する自信があります。
例えば中国のウィグル政策はジェノサイドだ、に対して
では、米国のハワイはどうか。
ハワイ人のしゃべる言語は何語か、ハワイにハワイ語で教える
学校はあるのか、等。
日本にアイヌ語で終える学校はあるのかでもいいのですが。
中国はそんなに褒められたことをしていませんが、それほど
他国に比べればひどいこともしていないと思います。
現状は。