6月11日日刊ゲンダイ掲載、元福井地裁裁判官樋口英明氏インタビュー
「耐震性に着目すれば日本の全ての原発は止められる(抜粋)
コロナ禍のドサクサ紛れに掟破りだ。福島第1原発事故の惨事を機に定めた「運転は40年まで」の原則が骨抜き。運転開始から40年を超える関西電力の老朽原発が23日にも再稼働する。この暴挙に、かつて原発運転を差し止めた元裁判長が「不都合な真実」を喝破する。「老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない」と――
 ――再稼働する美浜3号機の運転開始は1976年。45年も昔です。
 45年前の家電を今も使いますか? 大量生産の家電は壊れても最新技術の製品に買い替えればいいけど、原発は大量生産できない。技術は旧態依然で、1つの計器が故障しただけで原発の「止める・冷やす・閉じ込める」の安全3原則は綻び、重大事故が起きかねません。
 ――再稼働にあたり国は、1発電