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RT 18 Jul, 2023
ロシア抜きの穀物取引は「危険」-クレムリン
https://www.rt.com/russia/579899-grain-deal-risky-without-russia/
ドミトリー・ペスコフ大統領は、農産物輸出は戦闘地域周辺で行われると警告している-
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は火曜日、黒海経由の農産物輸出を継続することを決定した国々は、ロシアが穀物取引の一部でなくなった今、ある種の安全保障上のリスクを背負うことになると警告した。その前日、モスクワは国連とトルコが仲介したウクライナとの協定の失効を認め、ロシアの食料と肥料の輸出に障害が残ることを理由にした。
ペスコフ報道官は、キエフがロシアの撤退にも拘わらずアンカラに協定を維持するよう説得しようとしていることについて記者団へのコメントを求められた。クレムリン報道官は記者団にロシア軍に回答を照会するよう促し、協定には戦闘地域に近い地域が含まれていると説明した。
「適切な安全保障がなければ、一定のリスクがある。したがって、もしロシア抜きで幾つかの(協定が)正式に締結されるのであれば、こうしたリスクも考慮されるべきだ」と報道官は述べ、どの国がどの程度までこうしたリスクを負う意思があるかについては、モスクワは話すことができないと付け加えた。
ペスコフ報道官は更に、ウクライナは何度も穀物回廊を軍事目的に利用してきたと述べた。「これは忘れてはならない非常に重要な側面だ」と付け加えた。
月曜日、ウラジーミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とアントニオ・グテーレス国連事務総長の双方に、穀物取引の延長を求める書簡を送ったと発表した。
これは、モスクワが月曜日に、世界的な食糧危機を緩和するために2022年7月に調印されたこの画期的な協定の終了を発表した後のことである。ペスコフ大統領は、この協定を「一方的なゲーム」と評し、ロシアの長年の要求は何一つ満たされていないと指摘した。
モスクワは数ヶ月前から、自国の農産物輸出に対する障害に不満を抱いている。この問題を改善するため、ロシアの農業銀行ロセルホズバンクをSWIFT決済システムに戻すことを要求している。クレムリンはまた、農業機械の輸出と保険サービスの提供に対する制裁を緩和し、ロシアの資産を凍結解除することも求めている。
ロシア外務省によれば、この協定の終了は「海上航行安全保障の撤回」と「黒海北西部における『一時的危険海域』体制の復活」を意味する。
> プーチン大統領はまた、穀物協定は意図したアフリカや中東の貧しい発展途上国ではなく、主に裕福な欧州諸国に利益をもたらしていると証拠もなしに繰り返し主張してきた。(WP)
> この穀物協定は...「グローバル・サウス」諸国を助けるものと思われていたが...「穀物協定」の枠組みにおけるウクライナ農産物の主な受領者は欧州連合諸国であった。(ロシア・プラウダ紙)
ウソをついてるのはWPの方だろう。
> プーチン大統領は最近、一部のアフリカ指導者がウクライナ戦争を止める方法として提案した和平案を一蹴した。(WP)
一蹴:相手の申し出、要求などを問題にしないではねつけること。(精選版 日本国語大辞典)
そこまで にべもなく拒絶したわけであるまい-
RT 17 Jun, 2023
ウクライナ紛争に関するプーチン大統領とアフリカ首脳との会談の要点
https://www.rt.com/russia/578217-putin-meets-african-leaders/
ウクライナの和平案を推進するため、アフリカの指導者たちの大規模な代表団がモスクワを訪れた-
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は土曜日、サンクトペテルブルクでアフリカ指導者の代表団を接待した。一行はウクライナを訪問し、ウラジーミル・ゼレンスキー大統領と会談した翌日にロシアを訪れ、2年目に突入したキエフとモスクワの紛争を終結させるために作られた10項目の和平ロードマップを促進した。
アフリカ代表団は、南アフリカのシリル・ラマフォサ大統領、セネガルのマッキー・サル大統領、コモロのオスマン・ガザリ大統領、ザンビアのハカインデ・ヒチレマ大統領、エジプトのモスタファ・マドブリー首相、コンゴ共和国とウガンダの高官らで構成された。
1. ウクライナ紛争がアフリカに与える影響
ガザリ大統領は会談の中で、ロシアとウクライナの間の敵対行為は、「スラブ2ヶ国」だけでなく、アフリカ大陸全体に大きな影響を与えていると述べた。この紛争は、アフリカの食糧とエネルギーの安全保障に前例のない脅威を生み出している、と彼は付け加え、プーチン大統領にキエフと交渉するよう促した。
2. アフリカの指導者たちが和平ロードマップを発表
代表団は、モスクワとキエフの間の敵対行為を終わらせるために必要なステップを大まかにまとめた10項目の和平ロードマップをプーチン大統領に提示した。同文書は、アフリカの指導者たちが第三者からの他の和平イニシアチブを歓迎することを認め、紛争は「永遠に続くことはありえない」とし、全ての相違は交渉によって解決されるべきであると述べている。
ロードマップでは、アフリカ諸国は国連憲章に明記されているロシアとウクライナの主権を尊重し、両国に対して「非エスカレート」を促している。更に、穀物やその他の物資の貿易制限を全て撤廃し、紛争の影響を受けている人々には人道的支援を提供するよう求めている。ロードマップは、両当事者に対し、全ての戦争捕虜を解放し、子どもを含む一時避難民を故郷に戻すよう求めている。
3. プーチン大統領、イスタンブール合意に失敗した理由を説明
会談の中でロシア大統領は、モスクワが交渉を拒否したことは一度もないと繰り返し述べ、キエフとその後ろ盾によって対話が危うくなったと指摘した。プーチンはまた、昨年のイスタンブールでの会談で署名された、ウクライナとの予備協定のコピーを提出した。
「これです!これは本物です!ウクライナの永世中立と安全保障に関する協定です。まさに保障に関するものです」とプーチンは述べ、アフリカの指導者たちに文書を見せた。
ウクライナは、イスタンブールで合意された通り、ロシアがキエフ地方から軍隊を撤退させた直後に、予備協定を破棄した、とプーチンは説明した。「キエフ当局は、自分たちの主人がいつもするように、全てを歴史の墓場に投げ捨てました」とプーチンは付け加え、ウクライナが今後新たな取り決めに対して同じことをするかどうかは誰も保証できないと述べた。
4. 食糧危機の根源は他にある
ロシア大統領はまた、現在進行中のエネルギー危機と食糧危機は、ウクライナとの紛争に起因するものではなく、西側諸国の行動に起因するものだと主張した。
「西側諸国がコロナウイルスの大流行に関わる問題を解決するために、経済的に不当な放出を始めたことが原因です」と述べた。
プーチンはまた、国連が仲介した穀物取引についても触れ、安全保障の不十分な国々の食糧供給問題を緩和するためにロシアが合意し、維持したものだと説明した。しかし、この取引は設計通りには機能せず、ウクライナから流出した食料はアフリカではなく西側諸国へと流れていった。
「6月15日現在、3170万トンの農産物がウクライナの港から輸出されましたが、最も必要としているアフリカ諸国に送られたのは97万6000トン(3.1%)だけです」とプーチンは指摘した。
この戦争を西側は「露・宇」戦争だと大宣伝し、日本人の殆ど100%が核大国の露が弱小宇を苛めているという受け止めです。岸田が自衛隊を派遣すると決めてもこの日本人は間違いなく同意すると私はもう諦めてます。
この戦争はプーチンとバイデンの本格的な戦いであると私は当初から看破してますから、ロシアと米国の全面戦争だったということになります。この戦争は軍事的には終了してます。しかし、バイデンが納得しない。
黒海経由の輸出合意はどちらが持ち出したか知らないが、プーチンは騙されたのです。米国は騙すのも戦術の一環で、米国は、勝てば官軍、手段を選びません。プーチンはやっと今になってそのことに気付いたのです。
バイデンが対露金融制裁した時にウクライナ黒海沿岸は全面的に閉鎖すべきでした。相手が鬼なら自分も鬼になる、これは戦争の基本です。
この問題を考える上では、西側の約束違反とプロパガンダの問題を考慮するべきだろう。
Moon of Alabama 7月15日付は「AP通信、黒海の穀物取引の数字を隠蔽」と題して、この問題を取り上げている。
https://www.moonofalabama.org/2023/07/ap-obfuscates-the-real-grain-deal-numbers-.html#more
この記事によると、「「先進国」と表示されている国の合計は1,410万4,113トン、「発展途上国」の合計は1,871万3,339トンである。
穀物の「半分以上」が発展途上国に供給されているというAPの主張は、技術的には正しい。しかし、発展途上国/発展途上国という分類は、数十年前の世界貿易機関協定に基づいていると思われるが、中国、トルコ、そしていくつかの豊かな国までもが「発展途上国」としてリストアップされている。
WTOの規則で「発展途上国」であることが疑問視されている中国は、ウクライナから合計796万3950トンの大麦、小麦、ひまわり製品を最も多く受け取っている。トルコは合計328万9155トンで3位である。
中国はウクライナの農産物の長期的な顧客である。トルコは特別なケースで、輸送を容易にし、多額のリベートを受け取り、入手した農産物のほとんどをより高い世界市場価格で転売している」
「「発展途上国」であるトルコや中国も「高中所得国」である。実際、オマーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアのように「発展途上国」でありながら「高所得国」である国もある。
穀物の半分以上が『発展途上国』に供給されているというAP通信の主張は、技術的には正しいが、実際の数字を難読化するだけで、実際には何の役にも立たない。
「後発開発途上国」8カ国(うち7カ国は「低所得国」)へのウクライナの穀物輸出総量は、わずか189万6077トン、全体の6.8%に過ぎない。一方、「高所得」の「先進国」であるスペインは、ウクライナから合計5,980,657トンの穀物を輸入しており、これは全体の19.4%に相当する。
「発展途上国」の「低所得国」であるエチオピアの1億1600万人が合計28万2760トンを受け取る一方、「先進国」の「高所得国」であるオランダの1780万人は、豚用のトウモロコシ飼料を中心に192万649トンを購入した。」
要するに、この協定により低所得国が受取る穀物は元々少なすぎた、と。
それと、もう一つは、ロシアが国際的な貿易の決済機構から締め出されている問題だ。これにより、ロシアは自国の肥料や穀物を輸出出来ない状態になっていると主張している。
Moon of Alabama 7月13日付「穀物取引の悪巧み」では、この点を詳報している。
https://www.moonofalabama.org/2023/07/grain-deal-shenanigans.html
ロシアに対する経済制裁をまずは解除するべきだ。
そもそも、ウクライナは穀物生産量は低下するだろう。その時、ロシアの生産能力が必要となるはずだ。
「S&Pグローバル・コモディティ・インサイツの穀物分析責任者、ピーター・マイヤー氏は、ウクライナ産が減り、ロシア産が増えたことで、世界の利用可能な小麦在庫は2021年と同じであり、流通するには十分な量があると述べた。」
https://www.csmonitor.com/text_edition/World/2023/0713/Food-and-fertilizer-Russia-poised-to-backtrack-on-Ukraine-grain-deal
食糧を兵器化したのは、西側も同罪だ。現に機能しないウクライナの穀物生産より、ロシアの経済制裁を解き、ロシアの穀物生産力に頼ることが合理的解決策だ。
穀物であろうがエネルギーであろうが、SWIFT決済システムに接続されているか、接続されていないかで取引の可否が大きく左右される。
ウクライナの場合は黒海構想に変わるものを見つけようとするキエフの試みは、ウクライナのエリート層と多国籍企業の商業的利益によって左右されるが、商売は成立する。ゼレンスキー大統領が黒海経由での穀物の輸出を継続する用意があるとの発言につながる。
一方プーチン大統領は制裁によって遮断されたロシア農業銀行を国際SWIFT決済システムに再接続することを挙げている。國際決済システムに接続できなければ通貨の決済ができず、個別的に2国間通貨の貿易に限定されてしまう。ロシアの穀物取引は困難が伴う。
中国はこの問題に対処するために、サウジとかブラジルなどと人民元で取引をしているが、貿易面だけであっても多国間で人民元取引が出るようにするためには、人民元を自由に交換できるようにしなければならない。決済システム遮断はロシアでさえ大きな影響を受けている。中国の受ける打撃ははるかに大きく、米国と対立して金融制裁は回避する道「外交的話し合い」を重視せざるを得ないのでしょう。現在米国が用意しつつある中國締め付け政策によって中国は実感することでしょう。
>>5
こんばんは
正しい分析だとおもいます。
どうも戦況が、エルドアンの裏切り以後、わたしにはよくわからない。
ロシアが勝っていれば、こんなことをする必要はない。クリミア大橋の件でやり返したというのは、そもそも逆恨みだといえるし、しかもペスコフは否定している(ロシアは嘘つきではあるが)。
経済制裁は効いていないというのがヒトビトの定説のようだったが、これだとロシアが効いていると認めているようなものではないか。