暗い情勢、何となくロシアの詩を思い出しました。

1:貧しくて 私たちには何一つないと

けれどひとつまたひとつと失ってゆき

毎日が追悼の日になると

歌がつくられはじめた

神の大いなる恵み深さと

私たちのかつての豊かさをうたう歌が

(『アフマートヴァ詩集』木下晴世訳)

2:粗暴なやつには 喜びがあり、

やさしいやつには なげきがあるが、

ぼくはなんにも 欲しくない、

誰が気の毒というわけもない。

 

気の毒といえば そいつはぼく自身のこと――ちっとばかりおかわいそう。

宿なしの野良犬たちもかわいそう。

さて だから――

居酒屋へまっしぐらに入りびたったというわけだ。

 

きみたち ちみもうりょうの亡者のくせに、なんだって ぼくに悪態をつく?

それともなにかい、もう同国人あつかいはできんとでも言うのかね?

ちょいとし