あなたが今まで最も心を動かされた言葉はどんなものですか?
文章を書くことが得意だと自信を持って言える人は少ないと思います。
ですが、文章を書くことを仕事にしている人以外でも、伝わる文章を書く力は今の時代とても必要になる力です。
何か商品やサービスを売る場合のキャッチコピーを作ったりセールスレターを書く場合でも、LINE のやりとりでも SNS の投稿でも伝わる文章を書く力は欠かせなくなっています。
LINE でメッセージを送る時も、伝えたいことをコンパクトにまとめることができず、だらだらと長い文章を書いて結局伝わらなかったというようなことも起きてしまいます。
今回は報告書を上手に書ける方法についての相談を元に、相手に伝わる文章力についてまとめさせてもらいます。
Q. 報告書などの文章がうまくなる方法はありますか?
オーディオブックなども活用して、長い文章の論理構造をたくさん頭に入れるということが大切になると思います。それにより自然と文章力もついてくると思います。
『人を操る禁断の文章術』も読んで頂ければ、うまい文章は書けるようになります。
業務上の綺麗な言葉を書けるようになりたいというのであれば、論理展開がしっかりしているような本を読むようにした方がいいとは思います。
日本語の字幕を出しながら英語の映画や動画を見てみるのもいいと思います。
英語は論理が結構しっかりしているので、よほど翻訳がおかしくない限りは、接続詞などもしっかりしていると思います。字幕を追いながら見るようにすると、論理展開もしっかりしてくると思います。
以上がDaiGo師匠のアドバイスです。
心を動かす文章の3つの原則
『人を操る禁断の文章術』でも詳しく解説していますが、人の心を動かす文章には3つの共通点があります。
「あれもこれもと書きすぎない」
「きれいな文章を書こうしない」
「自分が書きたいことを書かない」
心を動かすということは、相手に何かしらの行動を起こさせたい状態にさせることです。
あれもこれもと書きすぎてしまい、自分でも後から読み返すとよくわからない文章になっていることがありませんか?
これは意味が伝わらないのは問題外ですが、そもそも文章にはあえて余白を残して相手に想像させる部分も必要です。
相手がイメージできるだけのシンプルさが必要になるということです。
いくら一生懸命文章を書いたとしても、論理的なだけの綺麗な文章では相手の感情は動きません。
想像力だけでなく感情も刺激するような文章が必要です。
そして、当然ですが自分の伝えたいことを書くだけでは相手の心が動くはずがありません。
自分が誰に向けてどのような思いを伝えたいから文章を書くのかよく考えてください。
これはメールやメッセージひとつでも同じです。
相手の気持ちや状況を推測することなく一方的に自分の考えだけを書いては伝わるはずがありません。
LINEでの連投ってどうなの?
LINE やメッセージで相手にわかってもらいたいと思って、短い文章を何度も連投したりしていませんか?
短いメッセージを何度も連投した場合と長いメッセージでまとめた場合でどちらの方が相手への影響力が高まるのか調べた研究があります。
やたらと長いメッセージを送られると面倒に感じるような気もしますが、これについて調べてみると、長い文章でまとめて送って相手に考える余地を与えた方が影響力が高まるそうです。
これは Twitter でも使えます。
短い文章の投稿よりも長めの文章の投稿の方がリツイートが増える傾向もあります。
これは YouTube も同じですが、価値がある情報であれば基本的にはコンバージョンも高くなります。
これはキャッチコピーやセールスレターでも言えることで、短いコピーの方が読んではもらえるけれど、ある程度の長さがあった場合の方が読み終わった後に購入してくれる可能性が高くなったりもします。
これは長ければいいということではありません。
長くても相手が読んでくれるような文章の組み立てが重要だということです。
LINE やメッセージでは相手が思わず読んでくれるような長めの文章を一度にまとめて送った方がいいです。
文章はしっかり考えてください。
1行目は2行目を読ませるためにあります。2行目は3行目を読ませるために、3行目は4行目を読ませるために、そして、すべての文章は一番最後の皆さんが相手に行動を起こしてもらいたい内容のために存在します。
読み進めることにより人間は説得されやすくなるので、しっかり計算して作った場合に関しては、長い文章で1回にまとめて送る方が効果的だということです。
これが思わず読んでしまう文章です。
スティーブン・ピンカーの文章術4つのポイント
ハーバード大学の心理学教授でスティーブン・ピンカーさんという非常に有名な方がいて、この方の本は文章以外も非常に面白いです。
『暴力の人類史』『心の仕組み』などかなり面白い本も出されています。
そんな面白い本も色々と出されている方がより良い文章を書くための方法について心理学と言語学の両方の観点からまとめてくれています。
これをもとに皆さんがより良い文章を書くための方法について解説していきます。
顔を出して解説するような人でなければ、皆さんがビジネスで成果を上げる最も良い方法は文章力を高める方法だと思います。
文章力やキャッチコピーを作る力を鍛えること、これはネットで商品やサービスを売ろうと思った場合には特に重要になります。
文章力は稼ぐ力だと言っても過言ではありません。
伝わるいい文章とは、複雑でわかりにくい文章ではなく 、わかりやすいけれど内容が損なわれていない文章と定義します。
わかりやすいだけで内容が適当では意味がありませんし、含蓄のあるいいことを言っているけれど何を言っているのかわからなければ意味はありません。
この微妙なバランスを取らないと、特にビジネスの場合には見てもらえません。
小説であれば読んでもらえるかもしれませんが、セールスレターなどでは読んでもらえないということが前提になります。
その前提で文章を書くには、よほどわかりやすく書く必要があります。
ビジネスで使える文章の作り方やキャッチコピーについてはおすすめの本がいくつかあります。
キャッチコピーを学ぶのであればこれは絶対に読まなくてはいけない本です。
僕もいつも読み返している本です。人は誰でも時々読み返したりしていないと知識の実践は難しくなります。
文章に関しては以前に本も出させてもらっていて、こちらはメールなどでも使える文章のテクニックを紹介しています。
ストーリーの作り方について考えるのであればこちらの本が役に立ちます。
人の心を動かすという点では、そのための影響力を学ぶことも重要です。
こちらは Amazon の Audible であれば全部無料で聞くことができるキャンペーンの対象になっています。
まずはハーバード式の文章を書くときの4つのポイントを紹介させてもらい、その後に、逆ピラミッド法と呼ばれる昔から使われるジャーナリズムの基本にもなる方法についても紹介させてもらいます。
日常的なやり取りに使えるものから、難しい内容を解説したいとか相手を説得したいという時に使える方法まで解説していきます。
日常使いとしてはハーバード式の文章術で十分に役に立つと思います。
文章術のポイント1 ・視覚的であれ、会話的であれ
人類の進化の観点から見ると、人類の長い歴史からすると文字の発明はわりと最近のことです。
人間は文字を読むのではなく、生き物や物体を観察して認識していた時代が長かったわけです。
文章よりも先に視覚や会話がありました。
目で見て物事を判断していた人類は、後に会話することを手に入れて、その会話でのやり取りをしていた期間がかなり長く続いています。
口伝と言いますが、物語の形式にして親から子供へ、子供から孫へと語り継いだストーリーが世の中にはたくさん残っています。
それが文字が発明されて以降に残されるようになりました。人類の歴史の中では、文字として残っていない歴史の方がはるかに長いわけです。
そう考えると、人間の脳はそもそも文章を理解するようにできていないと言えます。
文章よりも、目で見てわかる絵などに反応しやすいし会話の方に反応しやすいのが人間です。
だから、マンガは誰にでも読みやすいわけです。
ですから、相手に自分の文章を読んでもらいたいと思うのであれば、視覚と会話に訴えることが重要です。
これが「視覚的であれ、会話的であれ」というアドバイスです。
人間の脳の1/3が視覚に使われています。
ですから、まるで目の前でビジュアルを見ているかのような文章を書くか、耳で声として聞いているかのような文章を書くことが大きなポイントになります。
スティーブン・ピンカー博士は、「哺乳類は基本的に脳の1/3を視覚に使い、触覚・聴覚・動作・空間認識などに使っている。そのため理解したと思うという感覚から、自分が完全に腑に落ちたという感覚に移行するには、自分の視覚と動きで体感する必要がある」と言われています。
ですから、会話調の言葉遣いで文章を書かないと相手に読んでもらえる可能性は減ります。
文章を書く時にも会話として口に出しながら書くようにしてください。
人間の脳の視覚を司っている部分や言語を司っている部分など、様々な役割がありますが、これは完全に区別されているわけではなく上手に組み合わせて使われています。
ですから、具体的な言い回しや目の前に風景が広がるような表現が文章の中でできると、相手は文章を読んでいるけれど風景を見ている時と同じように脳が働いて理解を助けてくれます。
会話的であれ=「頭がいいフリをするな」
難しい研究をしていたり普通の人にはわからないような本を書いている人でも、日常生活では普通にわかりやすい会話をしているものです。
普通に話したらわかりやすく会話をすることができているのに、文章になった途端難しい表現を使ったりわかりにくい言葉を使う人が結構います。
自分のことを頭が良く見せたいために、ややこしい文章を使ってしまう人がいますが、これは余計に頭が悪く見えてしまいます。
自分の印象を良くしようと思い難しい表現を使うというのは、相手からの印象はかえって悪くなり伝わるものも伝わらなくなってしまいます。
その文章を読んでいる人に語りかけるようなわかりやすい文章にしてください。
これによって読んでいる人の脳の負担が減ります。
書いている人に対しての好感度が増して文章に対する信頼性も上がります。
良い文章は読んでいる人に理解を生んで自分は天才かもしれないと思わせます。
悪い文章は読んでいる人に自分はバカだと思わせてしまいます。
そのためには、読み手は自分の気の合う友達だと思ってください。
自分と同じぐらいの知性を持っている仲の良い友達を想像してください。
「ある程度頭が良くて自分をリスペクトしている読み手に対して、彼らが知らないつもりで書く」というのが博士がおすすめしている方法です。
要するに、読み手の人をバカにするわけでも、読み手に対して自分が凄いというところを見せるわけでもありません。
同じぐらいの頭の良さの友達に対して、自分が凄いということを見せる必要もありません。
それぐらいのイメージで会話的に説明するようにしてください。
自分の中で自問自答しながら文章を書いてみるのが良いと思います。
説明したい事柄についてどういう意味なのか質問する人と、それをわかりやすく説明しようとする人の一人二役が自分の中にいるつもりで、会話としてやり取りをしながら文章を書いていくと筋が通る文章になります。
人は自分1人で文章を考えていると論理を保つのが難しくなりますが、聞いている人がいることを想像すると、その人がちゃんと付いて来てくれているかどうかを確認しながら文章を考えることができます。
これだけで論理的な文章が書けるようになります。
ポイント2 :知識の呪いに注意せよ
人間というものは、自分の知識を他人が持っていないということを想像することがなかなかできません。
このバイアスを知識の呪いと言います。
人は自分が知っていることを相手も知っていると思い込んで喋ります。
これではちゃんと指示をしていないのに「常識で考えればわかるだろ!」と怒る上司です。
人類はみんな考え方も違うし望むものも違うし守りたいものも違います。全てが違って普通なんてありません。
特に知識においてはその差は結構あり、自分が持っている知識を相手が持っていないことは珍しくありません。
それなのに、人は気づかないうちにこれを排除してしまいます。
自分は社会の一員だから、自分が思っていることは皆も思っているに違いないし、自分が知っていることは皆も知っているに違いないと思い込んでしまいます。
人は自分の知っている知識を常識だと思い込んでしまい、文章を書く時にもそれを省いてしまいます。
そうなると、読み手に対して何も伝わらないことになります。
この知識の呪いを打ち砕く方法はかなり少ないです。
少ない中でも効果がありそうな方法としては、自分にとっての読者に近いであろう人に自分の文章を見てもらい、ちゃんと意味が伝わるかチェックしてもらうのが一番です。
書いた文章を第三者に読んでもらうだけで、かなり感覚は変わります。
どんなに上手な文章が書ける作家さんやプロのライターでも必ず編集者が必要となる理由がここにあります。
知識の呪いによって読者が置いてきぼりにされてしまう可能性があるからです。
自分以外の誰かに文章を見てもらうというのは重要なポイントです。
ここから先の残りの2つのポイントと逆ピラミッド法について知りたい方はぜひ続きはチェックしてみてください。
文章力を身につけると、ビジネスや副業に活かすことができるだけでなく、自分で文章を書いたり本を読むのも楽しくなります。
そんな方法について学んでいただけたらと思います。