あなたにとっての自分らしい人生とはどんなものですか?
今回は、仕事への不適合を感じながら働き続けている方の相談をもとに、自分に合った生き方と働き方を見つけるための心理学について解説させてもらいます。
Q. 地方公務員で事務職をしていますが、不適合を感じながら7年経過しました。作業自体に疑問を感じることも多くミスも多いです。
それなのにムードメーカーと言われリーダーに推される話をされています。
無能なのにと不安を感じています。
自分では無能と感じながらも客観的な能力は高い人なのではないでしょうか。
おすすめとしては、インポスター症候群対策をしてみてください。
いわゆる燃え尽き症候群やバーンアウトの対策ですが、Dラボを参考にして対策してもらえると、自分の能力を変に卑下したりすることがなくなります。
自分を卑下することがなくなって初めて、自分の気づかない利点にも目が向くようになり、それを使って皆に貢献することを考えることができたり、自分の働き方も見えてきます。
僕も時間は守れないし時々問題発言もするし、決して性格としても良い人間ではないと思います。
ただ知識や記憶力だけはこれを使ってみんなに貢献できると思っています。
ダメなところもたくさんあるけれど、他の人に貢献できる自分の能力に気付けるようになります。
以上が、DaiGo師匠からのアドバイスでした。
自分が本当にやりたいことの見つけ方
人生の中で自分の本当にやりたいことを見つけるというのはなかなか難しいものです。
はっきり言って、それが自分のやりたいことだと最初から見つけられることはほとんどありませんので、まずはやってみて、ある程度の間はそれを継続した上で判断する必要があります。
多くの人が、自分が本当にやりたいことなのか、自分にとって本当にそれが楽しいことなのかということを判断するまでの時間が早すぎます。
人間がやりたいことを見つけるのはたまたまです。
ただ、自分が何かを始めた時にそれが本当にやりたいことかどうかということに迷ったり自信を持つことができないと、どんなにいい仕事や趣味を見つけたとしても、そんな自信がない中でしていると楽しくもありませんし成果も出ません。
本当は自分のやりたい事を手に入れ始めていたのに、それに気付かず諦めて捨ててしまっている人が多すぎます。
ですから、皆さんがそれを手放さないために、自信を持ってそれが自分のやりたいことだと言えるような条件や探し方について解説させてもらいます。
やりたいことの見つけ方その1 :過程が楽しい
仕事であれば、自分はこの仕事でこれだけの大きな成果を出すとか、このビジネスでお金を稼ぐなど、何かしらの大きなゴールを目標にする人が多いと思います。
ただ、ゴールは大事ですが、それより前にそれをしている過程が楽しめるかどうかということで考えた方がいいと思います。
このような過程を楽しいと思えることであれば、その時間の方がはるかに長いわけですからどんなことでも続きます。
やりたいことの見つけ方その2 :他人と無関係にやりたい
評価やお金など他人からもたらされるもの全てとは無関係に、自分がそれを本当にしたいのかということです。
他人からもたらされる評価や給料などに一切関係なく自分がしたいのかということも重要です。
仕事であっても趣味であっても、好奇心を感じられるかどうかということは非常に重要なポイントになると思います。
やりたいことの見つけ方その3 :リスクや不安も楽しめる
リスクや不安や失敗さえも楽しむことができるかどうかということです。
不安と好奇心のせめぎ合いの中で好奇心が勝るのであれば、それは自分の本当にしたいことです。
やりたいことの見つけ方その4 :成長が感じられる
僕たちが進歩し進んでいくために必要になるモチベーションというものは、それがごくわずかであっても嘘でも構わないので、前に進んでいるという感覚が必要になるということが様々な研究によりわかっています。
やりたいことの見つけ方その5 :性格に合っている
本当にやりたいことを見つけるのはほとんど偶然ですが、実は、ある程度は絞り込むことができて、そのためには自分の性格を理解しているかどうかということが重要になってきます。
例えば、大学での学部の選び方というものも性格によりますし、職業別に多い性格や成功しやすい性格というものもあります。
人間というものは、職業の選択や趣味の選択、行動選択が性格によりかなり行われています。
自分だけの生き方を見つけたいという人も多いと思います。
自分が最も楽しく過ごすことができる生き方や仕事の選び方、趣味や人間関係の選び方というようなものは、自分の性格に合っているかどうかということが重要です。
自分だけの生き方と仕事を見つける方法
皆さんも自分が求める生き方やしたいと思っている仕事を考えることはあると思います。
当然ですが、自分の人生を左右することであれば誰でも悩みます。
とはいえ、未来のことはわかりませんので、進路を考える上でも就職を考える上でも後悔してしまうこともあります。
特に、自分に合う仕事がわからないという人も多いと思いますが、そのような人は性格から決めるようにしてみてください。
例えば、学校の専攻科目はビッグファイブの影響をかなり受けるという研究もありますし、どんな仕事を選ぶのかということもその人のビッグファイブの影響を受けると言われています。
それと同時に、仕事で成果を出せるかどうかということもビッグファイブで決まります。
インスタントビッグファイブは、他人の性格を読むだけでなく、自分が人生で一番良い選択をできるようになるための指標になるものです。
インスタントビッグファイブについては、以前にこちらの記事でもまとめさせて頂いています。
科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜
大学の専攻とビッグファイブ
人生の選択といえば、多くの人が一番最初に迷うのが大学や学校の選択です。
今更大学の話をされても変えようがないという人もいると思いますが、なぜそのようになるのかという理由まで考えていただけると、他の場面でも活用することができる内容だと思います。
オーフス大学の研究で、性格と学問の好みに何か関係があるのかということを調べています。
1992年から2015年の間に行われた12の研究をまとめた系統的レビューになっています。
それによると、結論としては、簡単に言うとリア充ほど経済やビジネスに向いていて、メンタルが弱い人は人文系に惹かれやすいということが確認されています。
皆さんの性格特性によって、向いている専攻や学部がわかると言われています。
外向性が高い人
社交性があり自己主張が強い人ですので、経済・法律・政治・医学を選ぶ傾向がありました。
芸術や人文系には興味を示さない傾向もありました。
開放性が高い人
想像力が強くて好奇心も強い人ですから、人文系の学問や芸術、心理学なども選びやすい傾向がありました。
一方で、経済学・工学・法律には興味を示さない傾向もありました。
開放性が高い人は好奇心だけでなく感受性の強さもあります。
経済や法律のような厳密に物事が決まるようなことには、あまり興味を示さないのかもしれません。
協調性が高い人
他人への信頼感や人当たりの良さ、優しさが強い人ですので、これが向いているというよりも周りに合わせて大抵のことはこなすことができます。
ただ、向いていない学問は確認されています。
法律・経済やビジネスへの興味が他の学問に比べて極端に低い傾向がありました。
これはなんとなく考えるとわかると思いますが、法律を学ぶとなると、法律の解釈についてお互いにディベートしたり意見を戦わせる必要もあります。
ビジネスでも当然ながら競争が必要となりますので、このような分野は協調性が高い人は苦手とする分野なのだろうと思います。
神経症的傾向が高い人
神経症的傾向が高い人は鬱や不安を抱えやすいと言われますが、とても繊細で気分のアップダウンが激しくなります。
開放性が高くて神経症的傾向が高いとアーティストになりやすいです。
神経症的傾向が高い人は人文と芸術を選ぶ可能性が非常に高いです。
芸術や文系の科目には行きやすくなるようです。
心理学にも興味は持ちやすいですが、それよりも芸術や文系の科目の方が好きになりやすいようです。
経済やビジネスには興味を示さない傾向もありました。
誠実性が高い人
誠実性が高い人は自分をコントロールするのが上手で、目標に向かってコツコツと頑張る能力が高い人です。
誠実性が高い人は、芸術・人文を選ぶ確率が非常に少なかったそうです。
物事をコツコツと頑張ることが好きなので、結果を出すための方法がはっきりしなかったり曖昧なものは苦手のようです。
文系の科目も数字として自分が進歩しているのかどうかがわかりにくいので、興味を示しにくい傾向があるわけです。
その点で考えると、誠実性が高い人は仕事でもちゃんと数字で自分の成長を確認できる仕事を選んだ方がいいようです。
研究者によると、この結果は学生が自分の専攻を選ぶ際に良いガイドラインになるのではないかと言われています。
皆さんが今学生なのであれば「自分が何を勉強したいのか?」、あるいは、社会人で新しいスキルを身につけたいのであれば「自分がどんなスキルを手に入れればいいのか?」、副業や転職を考えているのであれば「自分がどんな仕事をすればいいのか?」ということを考える時に、皆さんのビッグファイブを参考にして頂けるといいのではないかと思います。
おすすめの方法としては、まずは、インスタント・ビッグファイブを勉強してからしっかり練習してみてください。
それを使って、まずは自分を分析してみてください。
その後に他人の性格を読む練習を行ってもらい、ある程度それができるようになったら、自分が目指したいと思っているジャンルの中で成功している人を何人かピックアップしてもらい、その人たちの性格を自分なりに読んでみてください。
そして、これと同時に自己省察を行ってみてください。
「本当は自分は何をしたいのか?」ということを知る必要があります。
自分の性格に合っている仕事がベストではありますが、これは1つではありませんので、自分にとってその中で何がベストなのかということを知る必要があります。
ですから 、自己省察と他人を読む力はセットで使ってください。
そのためにはこちらの本が役に立つと思います。
insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
仕事とビッグファイブ
仕事とビッグファイブが適合すると収入が高くなりやすいとされていますが、全ての性格特性が適合する必要はありません。
収入が高くなるという点で考えると、「外向性」「協調性」「開放性」の3つが適合すると収入が高くなりやすいと確認されています。
外向性が高い人であれば、営業のような人付き合いが必要な仕事であればうまくいくと思います。
ですが、一方で分析系の仕事で人に会う機会が少ない仕事となると、寂しくなって上手くいかなくなる可能性が高いです。
ですから、3つの性格特性が適合していれば収入が高くなる可能性が高いですが、それぞれが高ければいいということではありません。
そういう意味で、仕事と性格の適合性が重要だということです。
ティルブルフ大学の研究で、ドイツで行われた国勢調査のデータをベースに、平均年齢43歳の8,458人の男女を対象に、それぞれの性格と職業や年収について調べています。
その結果、職業の特性と「外向性」「協調性」「開放性」の3つが仕事の内容と適合している方が収入が高くなりやすいということが確認されました。
これを心理学では適合ボーナスと呼びます。
ちなみに、神経症的傾向が高いとメンタルが弱いということですから、よほど特殊な仕事を除いてはあらゆる仕事でマイナスになります。
ですから、メンタルの弱さはあらゆる職業で不利になるので改善した方がいいです。
そして、どの性格特性もあまりにも高くなり過ぎると仕事の選択の幅が狭まってしまいます。
この研究では、成功を左右するといわれている誠実性、人当たりの良さを表す協調性、新しいものを受け入れる力である開放性、この3つのいずれかがその職業に必要な属性よりも高すぎれば、逆に年収が下がる傾向が確認されています。
これは高すぎるぐらいであれば、少し足りないぐらいの人がその仕事に就いた場合の方がまだマシだとされています。
ですから、自分が就きたい職業にこの3つの性格特性が少し足りないぐらいであればあきらめないでください。
性格は大きく変えることはできなくても少しずつ鍛えていくことはできます。
逆に、あまりも飛びぬけた性格特性がある場合には仕事の選択の幅が少なくなってしまうわけですから、程々の性格で少し足りない部分があるぐらいが伸びしろがあるということだと思います。
生涯年収はその人のパーソナリティと環境によって決まります。
性格が良ければいいということではなく、その仕事のスタイルや働く環境によって変わります。
つまり、自分の性格と仕事で求められる適性のマッチングが重要なのであって、自分が完璧な性格である必要はないということです。
今仕事がうまくいかないというのであれば、それは自分の性格が悪いのではなく、その仕事とのマッチングができていないだけです。
誠実性が高い人の方が収入が高くなる傾向は確かにあります。
ですが、この研究者たちも実際にはもっと複雑な要素が絡み合っているのではないかと言われています。
誠実性は高めておいて損はないです。
神経症的傾向の高さは当然メンタルも鍛えておいた方がいいです。
それ以外の3つに関しては、自分の性格特性に合う仕事を見つけさえすればそんなに問題はありません。
そんな仕事の見つけ方についてはこちらの本を参考にしてみてください。
科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方
自分の性格の活かし方についてはこちらの本を読んでみてください。
ここから先は、具体的な例も交えながら自分の性格と仕事をどうマッチングさせればいいのかということを紹介させてもらい、皆さんが実際に自分に合う仕事を見つけられるように解説させてもらいます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。