最初は初めての沖縄旅行前に、現地のことを知っておきたいと学習のために通い、1週間の沖縄旅のあとは旅先で食べた味恋しさにまた通い......今では食材を求めるだけでなく、店舗の奥にあるイートインコーナーで、気軽に沖縄そばや、サーターアンダギー、ブルーシールアイスなどを頬張るまでに。数あるアンテナショップの中でも、上位の品数・品揃えだからこそ、訪れるたび新しい商品が入っていたり、気がついていなかったものが目にとまったり。実際に沖縄を旅しているときのような発見があります。
店名にある「わした」とは、沖縄の言葉で「私たち」という意味。調味料、乾物、生鮮食品、冷凍食品、お茶、お菓子、泡盛、パン......。沖縄の人にはなじみの食材がずらりと並び、地元の市場にいるかのよう。沖縄出身の友人は、以前は東京ではなかなか見かけない沖縄の食材を実家から送ってもらっていたそうですが、「銀座わしたショップ本店」を知ってからは、定期的に常備したい食材を自ら調達できるようになったと喜んでいました。
馴染みのない食材には親切に説明書きが添えられていることが多く、ふむふむと読み入るのも楽しい時間。試食をしてあまりに美味しく、人に配る分まで買って帰ったこともありました。東京のリトル沖縄に立ち寄るたび、温暖で豊かでおおらかな土地柄を感じて、和やかな心持ちになれるのも、「銀座わしたショップ本店」が好きな理由です。
「黒糖(波照間島・西表島・伊平屋島)」沖縄県黒砂糖協同組合黒糖は、さとうきびの搾り汁から不純物を取り除き、煮沸濃縮してから加工をせず冷却して製造したもの。沖縄では江戸時代から黒糖が作られるようになり、料理に使ったり、そのままおやつにつまんだり、いつでも生活の一部にあります。糖分の他、カリウム、カルシウム、鉄など、ミネラル成分を多く含み、奥行きのある香味を口にすると、疲れが吹き飛ぶという人も。
かつては沖縄県全域にあった黒糖工場ですが、今でも稼働しているのは、伊平屋島、伊江島、粟国島、多良間島、小浜島、西表島、与那国島、波照間島、8つの離島の製糖工場のみ。それぞれの島ごと、色、味、香り、食感と、個性が異なり、黒糖好きの人は全てを食べ比べて自分好みを探し出します。
そんな、8つの島の8つの味を気軽に楽しめる黒糖が登場。波照間島は南十字星、西表島はイリオモテヤマネコ、伊平屋島はイシミーバイ(ハタ)と、袋には島の名物が愛らしく描かれています。
波照間島のはごろっと大粒であっさり。西表島のは8島の中でも色白で、ほんのり苦味とコクが特徴。伊平屋島のは硬いけれどクセがなくて食べやすい味。大勢で集まるときの手土産にして、みんなで食べ比べても盛り上がります。
「島豆腐のおからスティック(アオサ・チョコチップ)」おきなわ惣菜・智方家沖縄料理に欠かせない「ジーマミー豆腐」は、落花生の絞り汁に芋くずを加えて作ります。そのたびに残る絞りかす(おから)を「もったいない」と思う気持ちから、お惣菜屋さんが考えたのが、おからスティック。アオサにパパイヤと沖縄らしい食材や、にんじんやチョコチップなどを生地に練り込み、棒状に焼き上げています。おからは腹持ちがいいので、仕事の合間やダイエット時のおやつにもってこい。添加物を一切使用していないので、子どももパクパク食べられます。
「ハイサイ!ゴーヤー茶」水耕八重岳今でこそ全国各地で食べられるようになったけれど、少し前までは沖縄ならではの食材としてお馴染みだったニガウリ。沖縄ではゴーヤー(またはゴーヤ)と呼ばれ、ニガウリ、豚肉、豆腐、卵などを炒めた料理「ゴーヤーチャンプル」が有名です。苦味の強いゴーヤーはビタミンCが豊富で、夏は陽が照りつける沖縄では、夏バテに効くと昔から日常的に食されてきました。風邪の予防や疲労回復、肌荒れにもよく、食べ続けるうち次第に、苦味を旨味と感じられるようになります。
そんなゴーヤーの実と種をまるごと使ったゴーヤー茶。独自の乾燥と焙煎法で苦味だけをとりのぞき、まろやかな味わいに。ティーパック状で、カフェインやタンニン成分が含まれていないので、子どもも安心して飲むことができます。鍋で煮出したお茶を冷蔵庫で冷やし、夏の間の常備茶にしています。
[銀座わしたショップ本店]
住所:中央区銀座1-3-9 マルイト銀座ビル1F・B1F
電話:03-3535-6991
営業:10:30~20:00
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