1880年の原作発行から、約60もの言語に翻訳され、5000万部以上が販売されている「ハイジ」。1937年には、ハリウッドですでに映画化されていました。日本では、1974年からアニメ『アルプスの少女ハイジ』が放送され、25%という視聴率をたたき出した大人気の物語。
『ハイジ アルプスの物語』 ©2015 Zodiac Pictures Ltd / Claussen+Putz Filmproduktion GmbH / Studiocanal Film GmbHアニメだったこともあり、なんとなく子ども向けの感動物語だと思っていましたが、今回、本国スイスが名誉と情熱をかけて実写化したという映画では、大人になったからこそ受け取れるメッセージがたくさん散りばめられていました。もしかして、大人用にリライトされているのかもと思いましたが、こちらの方が原作に忠実なのだそう。
『ハイジ アルプスの物語』 ©2015 Zodiac Pictures Ltd / Claussen+Putz Filmproduktion GmbH / Studiocanal Film GmbHメインのキャラクターにはそれぞれ社会へのメッセージがあり、ハイジは「女性の自立」を表現しています。原作が書かれた1880年頃の、女性が自ら仕事を選ぶことがない時代に、自分の意志で職業を選びます。アルプスの山で暮らすおんじは、世間と離れて暮らし、人とのつながりに期待を持てなくなっていますが、本当に純粋な人々との出会いによって閉ざされた心を開き、再び人を信じられるようになります。
『ハイジ アルプスの物語』 ©2015 Zodiac Pictures Ltd / Claussen+Putz Filmproduktion GmbH / Studiocanal Film GmbHクララは「閉じ込められた環境からの脱出」を表現。いつの時代も、もしかしたら人は同じような悩みを抱えているのでは? と、はっとさせられます。
ダイナミックなアルプスの美しさも必見ストーリー自体はみなさんよくご存じのハイジなのですが、実写ということで、圧倒的に美しいアルプスの山々の映像にリフレッシュできます。それに、パンの上にとろ~りとろけるチーズは、まるで香りも味も伝わってくるようでした。
『ハイジ アルプスの物語』 ©2015 Zodiac Pictures Ltd / Claussen+Putz Filmproduktion GmbH / Studiocanal Film GmbHさらに、アニメのイメージをも裏切らないハイジ役のアヌーク・シュテフェンさんの無邪気な笑顔に癒され、いくつものシーンで、気がつけば涙してしまいました。涙はストレスを一緒に排出してくれるそうですが、見終わった後のデトックス感は、とても心地よかったです。
子どもにはもちろん楽しい映画だと思いますが、大人が見ても改めて学ぶことや感じることが多い物語。年齢に関係なく、それぞれの「ハイジ」の見方を楽しめそうです。
※2017年8月26日(土)から全国順次ロードショー