家族間の役割、職場でのごたごた、その他もろもろのやっかいごとなど、人生はストレスに満ちているもの。だから誰しも、ときどき不安になるのです。ただ、ストレスはポジティブなものになることも。「不安感がなければ、会議やテストの準備はしないでしょうし、人の考えを気にもしないでしょう」と、コロンビア大学医療センター精神科の臨床心理学助教、博士のE・ブレイク・ザカリンさん。

とはいえ、それは一線を越え、人生をすり減らすほどに頻繁で強烈なタイプかもしれません。「役立つものではなく、苦しむものになったら」助けを求め、不安障害ではないかを調べるとき、とザカリンさん。

不安障害の症状は常に見分けやすいものではなく、人によって幅広く異なります。例えばある人はパニック発作を抱え、恐怖症を経験する人も。さらに、強迫神経症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会不安障害など、不安障害のタイプも複数あります。型にはまった不安障害の検査はありません。それでも、注意すべき警告サインはあります。ここでは、不安障害について医師に相談すべきサインを紹介します。

不安障害かもしれないサイン

1. イベントをパスすることが多い

パーティーや仕事終わりのお楽しみ、あるいはキャリアを前進させる交流イベントですら、言い訳をつけて避けはじめたら、立ち止まってなぜ? と自分に問いかけるときです。

「イベントのパスは拒絶と合理化。つまり、疲れているから新しい人に会いたくない」とザカリンさん。それはたいてい小さく始まります。親しい友達にはベッタリだけど、そんな友達が他人を招待したらサボる、といったように。そしてこれ以上はカンベンしてほしい、という心の声に気づくことでしょう。

ぐずぐずした行動も、とても典型的。上司や同僚から批判されるのを恐れて、仕事に手が着かない状態に陥って、締め切りを過ぎるくらいならまだいいですが、プロジェクトを中止させてしまったらちょっと深刻。「これが慢性的になり、プロジェクトを進めるのが困難になった場合、それは不安感のシグナル」

2. いつも第二の意見を求めてしまう

不安感は、愛する人が感じているとわかりやすいものです。でも、自分自身にも注意を。「強い不安に向き合う人は、興奮しがちで、自分を疑ったり、安心材料を求めたりする人が多いのです。判断を下さないといけないとき、友人や同僚に尋ねたり、インターネットを絶えず検索したり。なかなか情報に満足できず、間違った判断を下すことを怖がっているのです」と、ドレクセル大学の心理学教授、博士のクリスティン・マグス・ネズさん。

3. 睡眠に問題を抱えている

眠れない夜は悪い日と同じように、来ては去っていくのですが、ベッドに横たわって目が覚めていることの方が多いなら、不安感へのケアが必要。誰しも一晩や二晩眠れないことはありますが、「慢性的だったり、昼間にまで影響を与えていたりしているのであればそれは不安のせいかも」とザカリンさん。

現在進行形で夜眠りにつくのに30分以上かかっていたり、または寝ている途中で目が覚めてまた眠るのが難しかったりするなら、不安感が睡眠に影響を与えているシグナルなのです」(ザカリンさん)

4. 消化器系の問題が起きている

交感神経のギアが入っていると、身体にさまざまなリアクションが起こってくるのです。

危険を感じている脳の部分(扁桃体)が、視床下部に信号を伝達して、脳の残りの部分に、サバイバルモードで行動を、と命令してしまっているのです。そのため交感神経の興奮が高まって、実際の消化を含む“休息と消化”のシステムがオフになり、アドレナリンやコルチゾールが体中にたまってしまいます。「絶えず不安を感じているとき、消化器系に不快感があるのはこのため」とザカリンさん。

5. いつも筋肉痛か頭痛を感じている

消化器系の問題と同様に、常に緊張しストレスを抱えているなら、筋肉痛や頭痛などの身体的な痛みを感じるかもしれません」ザカリンさん。

「いつも不安感が理由というわけではありませんが、睡眠不足のように、大したことはないと見落としがちな症状」(ザカリンさん)。慢性的なストレスから来る全身の緊張とともに、睡眠不足もそのような痛みを助長する可能性があります。

6. 動悸や息切れを感じる

交感神経の働きによってもたらされるもうひとつはこれ。ザカリンさんによると、血液を必要する場所に流すため、心臓は、長期にわたって、強く速く鼓動します。身体はもっと酸素を取り込もうと、呼吸が激しく。ほとんど動かなくても、運動しているようなものになるのです。

「これらは生存のために組み込まれているもの。そのため、症状のほとんどは、正常にも起こるもので、予測できるものなのです。速い鼓動、息切れ、息苦しさ、血圧の上昇、病気、熱い、めまい、発汗など。皮肉なことに、不安感の激しい症状をみなさんほとんど“正常”と判断しません。さらに心配してしまい、激しい呼吸を心臓発作、めまいを脳腫瘍だと解釈したりします。これがさらなる恐怖を引き起こし、悪循環になるのがわかるはず」(ネズさん)

不安障害を抱えていると思ったらどうすればよい?

もしあなたが上記7つの不安感のサインに当てはまっているなら、ライフスタイルを大きく見直すべき。

ザカリンさんによると、睡眠、運動、ヘルシーな食事は緊張をほぐすのに役立ち、社会的なサポートもいらだちや心配を軽くしてくれます。日々、変化させてみても、心身の感覚がよくならないなら専門家に相談を。不安感に対する最も一般的な治療法は、認知行動療法になります。これは私たちの考えや振る舞いが、気持ちや行動に影響し、逆もまた同様であると教えてくれます。あなたは無駄な考え方に気づくことができ、そうした気持ちをコントロールして、逃避行動を減らせるようになるのです。

「よいニュースも。心理や感情をコントロールする手法があって、定期的に使用すると、時間の経過とともに考えと行動との強いつながりを和らげてくれ、脳をより柔軟にしてくれるのです」(ネズさん)。認知行動療法のほか、リラクゼーショントレーニング、瞑想、感情にフォーカスした問題解決療法、アクセプタンス・コミットメント・セラピー、メタ認知療法があるのです。

不安な気持ちとどう向き合うか

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Mallory Creveling/7 Warning Signs You May Have an Anxiety Disorder
訳/STELLA MEDIX Ltd.

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