空気が冷え込み湿度が下がってくると、気になってくるのが肌のかさつき、という人も多いようです。ハンドクリームは手放せないし、さらにはどんなにクリームを塗ってもカサカサ、なんて声も……。
こうした状態にも栄養は深く関わっています。肌の栄養といえばビタミンCをイメージしがちですが、それだけではありません。今回は、栄養の視点から“肌代謝”について考えてみましょう。
肌細胞ひとつひとつに栄養をゆきわたらせる
image via Shutterstockわたしたちの肌は大きく分けて、3つの層に分かれています。上から約0.2ミリの薄さで皮膚の表面を覆い、異物が入ってくるのを防ぐ表皮、コラーゲンが大部分を占め、もっちり感を生み出してくれる真皮層、大部分が脂肪で構成され、クッションのように外部からの衝撃をやわらげる皮下組織の順。
各層に存在する細胞ひとつひとつの代謝がスムーズに行われることで、美しい肌を保つことができます。そのためには、細胞にとって必要な栄養が存在していることは言うまでもありません。
乾燥が気になるなら、注目したいのは表皮の部分。肌の細胞は表皮の底の部分から生まれ、分裂しながら増えていきます。そして形を変えながらぐんぐん上がっていき、最後には垢となってはがれ落ちていきます。これがターンオーバーといわれるもの。
細胞分裂に深く関わる栄養
亜鉛の多い食べ物:鮭、えび、牛肉、チーズ、ほうれん草、キノコ、ココア、カボチャの種、ニンニク、豆、アーモンドなど。 image via Shutterstockここで重要な仕事をするのが亜鉛とビタミンA、Dとなります。亜鉛は細胞分裂に深く関わっているため、足りないと分裂がうまくいかず、肌細胞の生まれ変わりがスムーズにいかない、なんてことに。
新しい細胞は形を変えながら押しあげられていきますが、このとき活躍するのがビタミンAやD。足りなくなると肌代謝がうまくいかずに角質がたまりやすくなり、ガサガサ肌の原因に。
表皮の一番上には角層と呼ばれる層があります。ここの細胞(角層細胞)のなかにはうるおいを保つための天然保湿因子(NMF)があり、肌の水分をキープしています。さらに角層細胞と角層細胞の間にはすき間なく「細胞間脂質」というもので埋められており、うるおい保持にひと役買っています。NMFや細胞間脂質はタンパク質、コレステロール、脂肪酸からつくられています。
加えて、肌表面にはうるおいをキープするための皮脂膜と呼ばれるものがあります。これは、身体の水分と油分が混じって作られた、“天然乳液”ともいえるもの。肌を乾燥から防いでくれます。
タンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラル……。つややかな肌のためには、これだけの栄養が必要になってくるのです。
赤いお肉が肌を美しく導いてくれる
image via Shutterstockこれらの栄養を一度にとるのに、私が尊敬するオーソモレキュラー実践ドクターのおひとり、柴亜伊子先生がおすすめしているのが、赤いお肉。とくに牛肉やラムなど、赤い色が濃いほどよいのだそう。
わたしも以前は牛肉など年に数回、焼肉屋さんで食べる程度でしたが、オーソモレキュラーを学ぶようになって、家でもよく食べるようになりました。そんななかで明らかに違いを感じているのが冬。以前はすねや太ももがカサカサしてかゆみがひどく、保湿クリームなしではいられませんでしたが、いまはかゆみ知らずに。もちろん、顔の乾燥もいまのところナシ。
体調だけでなく肌にまでうれしい変化をもたらしてくれる栄養。ちょっとうれしいなと感じているところです。