羽田圭介さん『スクラップ・アンド・ビルド』#心に聞く言葉
今回は、芥川賞を受賞した羽田圭介さんの著書『スクラップ・アンド・ビルド』から。
「そんな行動とって、どうしてほしいか、ちゃんと出口は考えているわけ? なんの考えもなくそうやってぐだぐだしていれば周りの人間がどうにかしてくれるとでも思ってるんじゃない。それとも俺におんぶや抱っこでもしてほしいの? お望みとあらばそれくらいやってやるけど、まずどうしてほしいのか言ってもらわないとなんも始まらないよ」
――羽田圭介著『スクラップ・アンド・ビルド』
主人公である28歳の健斗は、5年間勤めたカーディーラーを退職した後、行政書士試験の勉強に専念するという名目で働かずに暮らしています。同居しているのは、毎日忙しく働く母親とその実父である祖父。高齢の祖父は身体のあちこちが悪く、口癖のように「早う死にたか」と毎日ぼやいています。
最新の医療で生かされている祖父。そんな祖父を気づかう孫
どんなに身体が辛くても、最先端の医療技術によって無理やり生かされ、周りからは邪険にされている。そんな祖父を気の毒に思った健斗は、祖父の“願い”を叶えてあげようとひそかに決意します。
きついように思えるけれど……
こう書くとかなり物騒に思えるあらすじですが、実際はブラックユーモアを交えた淡々としたストーリーがとても読みやすい作品です。テーマは重いのに、読後感は意外と爽やか。超高齢化社会の中でいかに生きていくべきか、深く考えさせられます。
上記のセリフは、泣き言ばかりを言って体を動かそうとしない祖父に苛立った健斗が放ったもの。ちょっと厳しいですが、登場人物の中で祖父の幸せを一番真剣に考えているからこそ飛び出したセリフです。
どう生きるのか?どう死にたいのかを考える時代に
“人生100年時代”を迎えた今、“世の中の普通”に自分を当てはめながら受け身で生きていくには、人生はあまりに長すぎます。長い人生をどう生きたいのか、そしてどう死にたいのか、自分の頭でしっかり考えないといけない時代がやってきたのです。
そして、“健康な生活”について考えるヒントになるセリフがこちら。
「え……だって、人はね、どこかに出かけたり、スキンシップしたり笑いかけられたりしないと、すぐダメになっちゃうんだよ」
――羽田圭介著『スクラップ・アンド・ビルド』
弱々しい祖父の姿を見て「ああはなるまい」と筋トレをスタートし、すっかり強気だった健斗。祖父や恋人にも厳しい態度で接していましたが、自分の体の衰えを感じた途端に弱さを見せます。
ただ栄養をとって排泄をして体を鍛えて眠るだけでは、人間にとって本当に健康的な生活とは言えません。自尊心や他人からの関心も、健康に生きていくためには欠かせないものなのです。
文/吉野潤子
その人にとって、“生きる価値のある人生をつくる”が目標。精神療法「DBT」とは?
この中途半端感。お前がこれまで書いてきたことは、栄養をとって排泄をして体を鍛えて眠ることじゃないか。それを突き詰めていくというならともかく、まるでたまたま手に取った本に感銘を受けたので書いてみたかのように唐突に哲学的なことを書いても、何の説得力もないばかりか、いかにもにわか仕込みで、素人のブログ日記と見間違うほどだ。もし生きる意味を語るなら、自分が選んだテーマをもっと深く掘り下げたらどうだ?このようなことをしたところで、いつまでたっても内容の浅さは変わらないだろう。
いい本なんだろうけど「行政書士試験の勉強に専念するという名目で働かずに暮らして」いる奴に冒頭の発言されても何偉そうな事言ってんのって感じになる