ナス科の野菜は食べてはいけないものなの? アメリカでは、トマトやジャガイモが含まれるナス科の野菜を食べないようにしている人もいるのだとか。

それにヘルスケアの専門家にも、“食べない方がよい”と言う人がいます。でも、あの真っ赤なトマトソースや、たまのフレンチフライを食べるのをやめるのは、ちょっぴり寂しい気がしますよね。

しかし、ご安心ください、どうやら真似する必要はないようです。そこで今回は、ナス科の野菜について調べてみました。ナス科の野菜を避けたほうがいいのは、どんな人でしょうか?

そもそもナス科の野菜とは?

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アメリカ農務省森林局の情報サイトによると、ナス科の植物には、ナスのほかにトマト、ジャガイモ、ピーマンなど数多くの野菜や果物が含まれ、またベラドンナやタバコのような有毒な植物もその一部に含まれています。

ナス科の植物はすべて、有益な化合物と毒性の化合物の両方を成分として持っています。たとえば、トマトとナスには、リコピン(正式には“リコペン”)やアントシアニンなどの健康によい植物性栄養素が豊富。

でも、アルカロイドと呼ばれる天然の殺虫作用のある化学物質も成分のひとつに入っています。これは植物がおなかを空かせた虫から身を守るためと考えられていますが、いろいろな研究によると、人間が食べても厄介な問題の原因になる場合があります。

一般的なナス科の食品

トマト ジャガイモ ナス ピーマン オクラ クコの実 パプリカ カイエンペッパー

ナス科の野菜は身体によくないの?

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ナス科の植物に含まれるアルカロイドなどのせいで、気分が悪くなる人もいるようです。

科学的な裏付けのない事例としてですが、消化の問題が起きたり、ある種の病気を悪化させたりすることがあるとされています。それでも、マッシュポテトやナスのチーズ焼きを食べて卒倒したという話は聞きませんよね。

消化の問題を起こす理由としては、「アルカロイドが腸の透過性(バリア機能)に影響して、炎症を促しているという推論があります」と、管理栄養士のエリザベス・ショーさん。どうしてそうなるのかは専門家にもよくわかっておらず、アルカロイドが誰にでも問題を起こすわけではないのも確かといいます。

ですから、ナス科の植物が身体によくないかどうかは、健康状態しだいだと考えられます。

「胃腸に問題がある人や、激しい炎症が起きやすい病気(炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、乾癬、関節炎など)の人は、ナス科の植物に含まれるアルカロイドのせいで気分が悪くなるおそれがあります」とショーさん。

さらに、アルカロイドは明らかに毒物ですから、大量に摂れば健康な人でも具合が悪くなるかもしれません。専門家の見解では、200〜400mgで十分に吐き気や下痢、嘔吐、頭痛、めまい、不整脈などの症状が出ると考えられています。

ナス科の野菜を安心して食べるには?

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でも、ナス科の食品をきっぱりとやめる前に、それほど大量のアルカロイドを取るのは実際上、不可能だと理解しましょう。

つまり、ナス科の野菜すべての中で、ジャガイモがこの有害な化合物を最も多く含みますが、それでもとっても少量なのです。研究によると、具合が悪くなるには何百kgものジャガイモを食べなければならないほど。

とはいえ、それはジャガイモがわりあい新鮮な場合。緑色に変色したり、芽が出たりした古いジャガイモは、アルカロイドの含有量が高くなりがちという研究結果があります(ジャガイモは光に長く当たっているほど、緑色に変色します)。

それでもおそらく具合が悪くなるレベルではありませんが、わざわざ危険を冒さなくてもいいでしょう?なるべく新鮮なジャガイモを選び(その方がおいしいし)、少なくとも緑色に変色したところは取り除いて

結論:ナス科の野菜は避けなくてもよい

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避ける必要はない可能性が高いでしょう。

ナス科の野菜は健康によいビタミンやミネラル、植物性栄養素、食物繊維がたっぷりです。がん、心臓の病気、認知機能の衰えといった慢性的な病気のリスクを下げてくれます。そのため、ナス科の野菜を食べて気分がよい限り、メニューから外さない方がよさそう。

大半の人はナス科の野菜を安全に楽しめますし、私は強くすすめているくらいです」と、アメリカ栄養士会指名委員会のメンバーで管理栄養士のクリスティーン・パルンボさん。

消化器系の問題や炎症性の症状がある人でも、同じかもしれません。パランボさんの説明によると、許容レベルには個人差がありますし、アルカロイドの含有量は野菜によって違いますから、人それぞれ安全に食べられる野菜と食べられない野菜がありそうです。

そこで、ナス科の野菜すべてを一度に除外するのではなく、食べた品目の記録をつけて、何か症状が現れたら記録する方法をおすすめします。

「食品に対する感度は量によりますし、遅れて現れますから、何かのパターンがわかるまで数日かかることもあります。症状の原因と思われる食品が見つかったら、数週間それを除外して、変化があるか見てみましょう」(パルンボさん)

それで改善するなら、その食品をやめるか、食べる量を減らします。

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訳/STELLA MEDIX Ltd.

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