大豆に含まれる栄養成分、イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをすることでも知られています。

ポッカサッポロフード&ビバレッジの調査によると、20〜50代の働く女性の93.8%が「イソフラボンを知っている」と回答。しかし、「イソフラボンを意識して摂っている」と答えた方は40.5%まで減り、さらに「効果を実感している」と答えた方になると13.9%という結果に。

認知度は高い割に、その恩恵を感じている人は少ない、というギャップが浮き彫りになりました。このギャップを埋めるべく、「発酵豆乳イソフラボンフォーラム2019」に潜入。

今、特に注目が集まっている発酵豆乳イソフラボンの驚くべきパワーについて、イソフラボン研究の第一人者である東京農業大学 応用生物学部 食品安全健康学科の上原万里子教授に伺いました。

発酵でイソフラボンがパワーアップ!

イソフラボンは、ポリフェノールの一種。豆乳、豆腐、納豆などの大豆製品から摂取できます。

「イソフラボンには、がん、骨粗鬆症、メタボ、更年期障害などを予防する可能性があるといわれています。

さらに、豆乳を発酵させると、イソフラボンがより体へ吸収されやすくなることがわかりました。機能性が高まる可能性もあり、研究が進められています」(上原教授)

韓国の研究者の発表では、発酵豆乳が脂質代謝異常を改善する、という報告も。豆乳、発酵豆乳には、脂肪の合成を抑制し、分解を促進する作用があるそう。これは、メタボ予防やダイエットにも効果が期待できそうですね。

「発酵させることで、豆乳に含まれる鉄の吸収率が上がるというデータもあります。

マグネシウム、カルシウムなど、ほかのミネラルも同様に吸収率がよくなると考えられています」(上原教授)

イソフラボンに加え、女性に不足しがちな鉄の吸収もよくなるというのも、発酵豆乳の大きな魅力です。

女性にとってうれしい効果がいっぱい!

さらに注目したいのは、イソフラボンが体内で分解されてできる「エクオール」という物質。

「エクオールは、より女性ホルモンに近い構造をしていて、イソフラボンそのものよりもさらに強い働きをします。よく知られているのは、乳がんのリスクを下げる、という効果です」(上原教授)

女性ホルモンには、乳がんの細胞を増殖させてしまう働きもありますが、イソフラボンからできるエクオールには、反対にがん化を抑制する力があるそう。

「閉経後の骨量の低下を抑制したり、更年期症状を緩和したりする働きもあります。また、皮膚のコラーゲンやエラスチンを刺激し、お肌の状態を改善する美容効果も。抗酸化・抗炎症作用があり、アンチエイジングにも一役買ってくれる成分です。

エクオールを作れる男性では、前立腺がんの予防効果がある、という研究もあります。発酵豆乳を摂ると血中のイソフラボン濃度が高まってエクオールの材料が増えることから、健康効果もより高まる可能性があるのではないかと注目されています」(上原さん)

日本人の約50%、欧米人の20〜30%が、エクオールを作り出す代謝能力を持っている、といわれています。ただ、エクオールが作れなければ、イソフラボンを活用できない、というわけではありません。

「エクオールよりも力は弱くなりますが、イソフラボンにも同じような働きがあります。イソフラボンの吸収率が高い発酵豆乳は、体へのうれしい効果を手軽に取り入れられる食品だといえますね」(上原教授)

イソフラボンの働きをチェックしていくと、まさに女性ホルモンのいいとこどり! 体に吸収しやすい発酵豆乳イソフラボンは、女性の美と健康の強い味方といえそうです。

手軽にイソフラボンをチャージできる発酵豆乳ヨーグルトなども話題。日々の食事に取り入れて、毎日の元気とキレイを底上げしていきたいですね。

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