年齢、食事や生活スタイルによって体の不調は実にさまざま。

銀座上符メディカルクリニック院長の上符正志先生に、女性たちが抱えるそれぞれの不調について、対処法や頼りになるサプリメントなどをアドバイスしていただきます。

今回は、バリバリと働く30代女性のお悩みにおこたえます。

【働き盛りのD美さん】めまいや立ちくらみも。貧血に悩んでいます

D美さん :

バリバリ働いている30代です。たまにめまいや立ちくらみがあり、いつもだるくて調子が悪く、動悸も気になることもあります。通勤途中に症状が出て、困ることもしばしば。

健康診断で貧血の可能性を指摘されたこともあります。どんなことに気をつければいいですか。

上符先生 :

たとえば、食事制限、過度なダイエットは貧血の原因となるので注意が必要です。基本的に、食事の内容をいま一度見直して、栄養バランスにもっと気を遣うといいと思います。

貧血で多いのは鉄欠乏性貧血で、食事で十分な鉄が摂れていないと、血液中の赤血球の中にあるヘモグロビンの量が少なくなり、貧血が引き起こされます。月経のある女性に多い症状でもあります。

やせ型の女性、アスリート系の方は貧血の方が多いんです。やせているとその分、鉄の貯蔵庫となる筋肉の量は少なくなりますから、すぐに消耗されて貧血になってしまうのです。

過度な運動は避けるべきですが、適度な運動を続け、筋肉を付けるといいでしょう。筋肉量を増やして代謝を上げていけば、血液量が増え、ヘモグロビンも増えて貧血は解消されます。

D美さん :

食事でたくさん摂るべき食品などはありますか。

上符先生 :

たとえば、牛肉でも豚肉でも羊肉でも構わないので、赤身のお肉は鉄分が豊富なのでおすすめです。サプリメントでヘム鉄を摂るのもいいですね。

ヘム鉄は、動物性食品に多く含まれる鉄で、植物性の食品に多く含まれる非ヘム鉄よりも吸収率が高く、鉄分の過剰摂取で心配される、胃のむかつきや胃もたれもありません

鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まるといわれていますので、同時に摂ることをおすすめします。

ただし、鉄欠乏性貧血ではない、別の原因による貧血の可能性もありますから、症状が続く場合は医療機関で受診されたほうがいいでしょう。

めまいや立ちくらみを一時的なことと放っておかずに、日々の運動や食習慣の中で意識しながら改善していきたいですね。

──この記事は、2019年11月21日の記事を再編集して掲載しています。

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上符正志(うわぶ まさし)さん
銀座上符メディカルクリニック 院長。1960年、山口県下関市生まれ。九州大学工学部在学中、医師が社会で果たすべき役割にめざめ転身、産業医科大学医学部に入学。卒業後、横浜市民病院外科、北里大学医学部救命救急センター、益子病 院内科などで治療に携わりながらも、病気の早期発見・早期治療の方法に限界を感じていた。そんななかでアンチエイジング医学と出会い、発症を未然にふせぐ患者本位の医療の可能性を見いだす。米ニューヨークのザ・サレーノ・センターで行われている最先端治療プログラムを習得し日本に導入。

取材・文/加藤智子 、image via Shutterstock

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