いつかは子供がほしいと思うなら、「今から、すでに子供がいるかのような生活を!」と語るのが、バースコーディネーターで私生活ではなんと5人のママという、大葉ナナコさん。
お産だけなら「あと100回でも産んでみたい!」(笑)と思うほど、お産が大好きになれる出産経験をもつ大葉さんに、後悔しないためにしておきたい、妊娠準備について伺いました。
(1)理想のお産をリアルにイメージする助産師さんの付き添いのもと行う「自宅分娩」から、助産院での出産、無痛分娩まで、出産方法も様々。もちろん、その人の健康状態によって適したものを選択する必要はありますが、まずは、どのやって自分の子供を産みたいか、考えてみることが必要だと言います。
「知識ばかりを身につけても、なかなか思い通りに進まないのがお産です。がんばるぞ!と意識的に気合を入れても、逆にストレスホルモンが分泌され、お産の進みが順調にいかなくなることも...。
そんなことにならないよう、妊娠をしたら、信頼のおける産院を探し、リラックスした環境でお産ができるような準備が必要です。そのために、妊娠前に自分の理想とするお産方針と、それに合った産院を探しておくことや、カラダづくりも大切。」(大葉)
妊娠してからでは、病院をゆっくり選ぶのも難しいと言います。赤ちゃんを身ごもる前から、カラダ作りやライフスタイルの見直しをしていれば、選択肢もきっと広がるはず。
それでは、どんなことを意識して過ごせばいいのでしょう?
(2)子どもがいるような暮らしで自然分娩を願うなら、働く女性にありがちな外食やコンビニ食漬け、連日終電まで働き詰め、入浴は手軽にシャワーで済ます......といったライフスタイルは、見直す必要があるという大葉さん。
「オススメしたいのは、「もうすでに子育てしている」生活リズムを実践すること。子育て中にご飯を炊かない日は無いし、毎日外食、毎晩終電も無理。さらに、お風呂タイムは、毎日湯船につかるもの。そんな生活サイクルを基本に心がけることで、自ずと心もカラダもマザーモードにシフトします。
かといって、急に仕事をやめる必要はありません。毎日スピーディーに働くことが好きな女性がパタンと仕事をやめても、ストレスになるだけ。子育てしているとしたら、これは無理かも?と感じることを一つずつ減らすなど、適度なペースダウンが理想です。」(大葉)
適度なペースダウンでいいなら、わたしにもできそう!
(3)大切なのは「栄養・運動・休養」「なるべく食事は自炊し、できるかぎりオーガニックやナチュラルなものを意識して、旬な食材を摂るように心がけてみてください。
100年前の妊婦も食べていたようなひじきや豆類など、良質な和の伝統食をイメージして、できれば地場のものを。風土の滋養があなた自身の生命力を高め、いい状態で次の命を育む準備ができるはず。
また、運動や休養も大事です。運動は特に有酸素運動など、無理をしない程度のランニングやウォーキングがオススメです。」(大葉)
全てをやろうとするとハードルが高いもの......。できる範囲で見直すことからスタートしてみようと思います。
(4)マイナートラブルを解消しよう「妊娠前に、婦人科のかかりつけ医「マイドクター」をキープしておくのも大切なこと。パートナーがいれば3ヶ月に1度くらい子宮がん検診をするのが理想です。「仕事がハードで月経不順」という女性も要注意。放置すると排卵が止まってしまうリスクも。
また、貧血や肩こり、便秘などあらゆるマイナートラブルは病理のサイン。特に多いのが「冷え性」。夏場であっても要注意です。職場の空調がきつい場合は、腹巻や長袖の羽織もの、カイロやソックス、レッグウォーマーなどで、おしゃれにケアを楽しんで、カラダの芯をあたためながら妊娠力をアップしましょう。」(大葉)
カラダを温めることは、妊娠力アップも繋がるんですね。無理せずできることから、自分なりの理想の出産に向けて、少しづつマザーモードにシフトできればと思います。
バースコーディネーター・大葉ナナコさん
1987年に自然出産や母乳育児を経験し、女性のボディ・システムやいのちをつなぐ優れたデザイン性に感動。1997年より、妊娠前でもカップルでも学べる講座を助産師と開講。2003年 有限会社バースセンス研究所設立。世代別の優しい出産の学習プログラムを生み出し「誕生学」(商標登録)と名づける。2005年、有限責任中間法人「日本誕生学協会」を設立。次世代の娠娠出産育児を豊かにするべく、助産師、産科医、学識者や保護者たちと協働し、次世代支援者「誕生学アドバイザー」育成を開始。親子のエンパワーメント活動を開始する。
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(マイロハス編集部・疋田)