渋谷に今年7月オープンした「0糖カフェ」もそのひとつ。店名から想像できるとおり、「砂糖ゼロ・バターゼロ・生クリーム不使用」を徹底し、100%植物由来の甘味料にこだわって作ったパンやケーキ、ドリンクを取り扱っています。
たとえば、0糖シリーズの紅茶ベーグルは、大豆やおからを中心とした材料で作られ、甘さはしっかり感じられるのに砂糖は不使用、カロリーはたったの67.4kcalです。糖質もわずか1.8gで、一般的な商品のおよそ30分の1~40分の1、25個食べてもご飯1杯分の計算になります。
パンやケーキ以外にランチプレートもあり、すべての商品が、糖質や脂質の吸収を穏やかにするために食物繊維を多く練りこまれています。
カロリーよりも糖質を下げることに着目する理由0糖カフェ代表の島田怜奈さんによると、
「炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもので、食物繊維は体にほとんど吸収されず、脂質や糖質の吸収を抑えたり、穏やかにする働きがありますが、実はカロリーとして計算されているのです。」
(例)糖質10g・食物繊維0g→40kcal / 糖質0g・食物繊維20g→40kcal
(分析方法や食物繊維の種類によって表示内容が変わる場合あり)
と、内容は全く違うのにカロリー表記は同じになってしまいます。このことから島田さんは、やみくもにカロリーを下げるのではなく、食物繊維を多く、糖質や脂質が少ないメニューを考案したのです。
誰でも心から美味しく食べられる食事を0糖と聞くと、糖質ダイエットブーム乗ったかのように思われがちですが、オーナー自身が病気で食事制限に悩まされたとき、どんな状態でも、誰でも同じように食事を楽しめるような環境を作りたいと思ったことが始めるキッカケだったそう。
低糖質の善し悪しを発信する意図はなく、ただひたすら、健康な人でも病気がちな人でもダイエットを気にする人でも、誰でも美味しく食事ができることを考えた結果が、0糖カフェのメニューなのです。カフェでの売上金はチャリティーイベント出展や食事指導講座の無償開催、被災地復興支援での炊き出しなどにも使われます。
近年、食事の質や食べる環境が毎日のくらしに与える影響の大きさについて、考える機会が増えています。制限に悩みながら食べる食事と、思いきり楽しんで食べる食事、そのどちらが健康的かは言うまでもありません。心おきなく食べられるファストフード店の登場は、多忙な日々にたまりがちなストレスを、確実にひとつ減らしてくれそうです。
[0糖カフェ]
住所:150ー0044 東京都渋谷区円山町22-12 宇野ビル
営業時間:平日10:00~15:00(Lo.14:45)土日祝 予約制
※テイクアウト/イートイン
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