今も昔も、男と女のロールモデル
事の発端は、ある男性歌手(66歳)に始まります。16年間連れ添った40歳の奥さんとは子供が一人おり、事実婚を続けていました。今年の夏に晴れてようやく結婚式を挙げたところでしたが、今月になって突然離婚を発表。原因は38歳年下の、ブロンド・青い目が美しい教師に心奪われたために、夫婦生活をこれ以上続けることができなくなったから。
これを受け、ドイツのメディアではあちこちで「年老いた男性と若い女性のカップル」について意見しています。かたや海の向こう、アメリカでは時に「なぜ女性は年上の(既婚)男性が好きなのか」という特集記事が目立ちます。というのも、ハリウッドではこの頃折しも、数かずの有名カップル(トップモデルのジゼル・ブンチェン夫妻や、ベン・アフレック夫妻、グエン・ステファニー夫妻など)が年下のベビーシッターと夫との不倫をきっかけに家庭が崩壊、しいては離婚という現象が少なからず起きているから。
世界中で見られるこの不思議な現象。同世代と付き合う人がいる一方、歳が離れている人ばかりに魅かれる人がいるのは何故なのでしょうか?
原因は「ファザー・コンプレックス」
年上の(既婚)男性にばかり惹かれてしまう若い女性は、心理学者によると、「ファザーコンプレックス」を持っているのだといいます。"本当の愛"を見つけたというよりはむしろ、安心感や信頼感・男性の持つ社会的権威や金銭的価値を求め、自分をプリンセスにしてくれる人だからという認識のよう。
そして逆に、若い女性が好きな年上男性は、これとは逆に「マザー・コンプレックス」を補っているのだそうです。自分よりもずっとか弱い女性を守っていることで、いわば「若くて、男性として優れた自分」としての誇りを取り戻せると信じているから。と同時に、まるで母親のように、一途に自分のそばにいてくれる、無償の愛に安心するのです。
このように、ずっと年上の男性と若い女性の関係は、肉体的なものだけでなく、また精神的にもお互いのコンプレックスの傷をなめあうことで成り立っているのが大きいのかもしれません。
パートナーとの関係を長く続けるには
恋をしたら、もちろん誰にも止められません。しかし専門家によると、簡単なことながら日ごろから二人で話し合うことが一番とのこと。パートナーが誰かに心動かされる時、その惹かれる部分というのを初期段階でちゃんと聞くことが大事なのだとか。その部分を知れば、彼の本当に求めている「癒しの部分」を把握することができ、これを補えることができれば二人の関係は長く続きます。
パートナーシップに「これ」というレシピはもちろん存在しませんが、やはり日ごろから充分なコミュニケーションをとることは最低限必要なのは言うまでもありません。
[stern,The New York Times,DIE WELT]
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