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銀行の中の銀行は日本銀行。
日銀法に基づく認可法人で出資証券は総額で1億円分(額面は100円)。
その証券は株と同じようにJASDAQ市場で売買できますが、本日現在の価格は39600円。100株単位なので約400万円で最低単位が買える計算です。
時価総額は100万株×39600円=396億円となります。
何?日銀の時価総額が396億円?
そう思われる方も多いかと思いますが、発行されている証券の55%は財務大臣が保有していて、個人投資家は推定で39%保有していると言われていますが実名などは一切明らかにされていません。つまり無記名と同じです。
出資者の権利は限りなく制限されていて持つ意味がないので話題にもなりませんがその日銀株、滅多に上がることはないのですが、今日はなんと前日比2.72%の上昇となりました。
先日からウォッチしていてなかなか3万8000円前後から動かないと思っていましたが、よく観察すると全く動かない訳ではありません。
流通している日銀の出資証券は40万株。時価だと4万円で160億円が対象になります。
安定した出資者だけが保有されていて流動性には乏しいのですが、天下の日銀株を買いたいと思う投資家は意外に多いのかも知れません。
投資して出資者となったら何か送られてくるのかなとは思いますが、配当が来る訳でもなく、せいぜい日銀からの金融政策の報告が来る程度かなと思います。まさか株主優待で1万円札100枚ということはないかと思いますが…。
皆さんの中で日銀出資証券を保有されている方がお見えなら億の近道事務局までご連絡下さい。宜しくお願いします。
さて、日銀は1882年に創業され、1983年11月に日銀法の認可法人としてJASDAQ市場にてIPOを行なったという経緯があります。
何のためにJASDAQで取引されているかは私にとっては謎です。
というのも特に投資家のメリットがないからで、メリットがなくても大丈夫だという投資家が換金売りされる投資家に代わって出資証券を譲り受けて保有するということになります。
そうした日銀株(ここでは敢えてそう呼びます)を名誉で保有する投資家がお見えだとして実際には価格は大きく変動し、キャピタルゲインを狙うことも可能なので興味津々。日銀株の額面は100円で発行済み株式数は100万株。100株単位で売買されてきました。
上場来の安値は1984年8月の1万8000円でバブル形成期のことで、1988年12月には75万5000円までなんと4年余りで約42倍にもなっています。これぞまさにバブル。チューリップの球根のような存在で勝手に価格が一人歩きしたようです。
その後の日銀株は一旦他の銘柄と同様に1989円に高値付近まで戻りましたが、その後は一貫して下落。2007年には一旦17万6000円まで戻りましたが、2012年11月には3万500円と言う安値を付けました。
その後は2013年3月に9万4000円まで上昇。3倍にもなっています。
ですから長期で見れば案外値動きはあります。
これは発行されている出資証券に希少価値があるからかも知れません。
保有するステータスが価格を支配している可能性があり、思惑だけで余裕資金を投じて短期のキャピタルゲインを得ようとする投資家も中にはいるのかも知れません。
何しろ自分でお札が刷れるのでつぶれる心配はありません。
今が買場などという判断は成り立ちませんが損しても良いと思う投資家が日銀株を買うことになるのかも知れません。果たして実体はどうでしょうか。
2016年7月には3万4850円まで、同年11月には3万5150円まで下落しています。とにかく保有する魅力に欠けますので価格は基調としては下落傾向にあります。
そうした安値形成後の株価は3万6000円から4万円前後でのボックス圏で変動を続けています。
バブル時代の高値で計算した時価総額は7550億円。
現在はその19分の1にしか過ぎません。
総資産456兆円の日銀株の時価総額が400億円とは驚きですが、取引価格はあってないようなものです。
もしかしたら単にお金持ちのお遊びのための日銀株?
神聖な日銀株の謎はますます深まりますが、バブルのバロメーターにもなりうる日銀株を今後もウォッチしていきたいと思います。
ちなみに本日の日銀株は3本値の出来高400株。
38500円寄り付きの安値38200円で終値は39600円(高値)となりました。果たして引けにかけ高値まで買った投資家の意図は何でしょうか。
それにしても一日で時価総額が14億円も変動します。
とても興味深い日銀株の値動きです。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)