「億の近道」は、NPO法人「イノベーターズ・フォーラム」が1999年に発行を開始した無料メルマガです。

 18年間、週に5回なので、編集者と執筆者たちは、コツコツとやってきたわけです。その数は3600号を超えました。

 今回、日本株式の長期投資について、思うところを、書いていきたいと思います。


 題して、「スロー・インベストメント」。


~~~ SLOW INVESTMENT ~~~




--- スローなインベストメントとは ---


 ファンドマネジャーの一日は早朝から始まる。

 トランプがどうのこうのという情報。

 為替や債券市場がどうのこうのという雑音。

 はたまた、いい銘柄ありませんか?
と証券会社や周りのアナリストたちに聞き回る。

 えっと、ニューヨークダウは上がったのか下がったのか、何が上がったのかとかをチェックしたりする。


 けれども、わたしは思うんですよ。トランプが何をしようとしてもね、

 人はやりたいと思うことは熱心にやりますが、
 やりたくないことについては「やったふり」をするだけ。

~人にやりたくないことを強要しても成果は期待できない~

じゃないかなーって。


 トランプがなにをいっても、企業は人を米国で雇用を増やすようなことをしません。

 なぜならば、企業がやりたくないから。
 米国雇用に経済合理性がないからです。


~人件費が高いところで雇用を増やせば競争に負けてしまう~

 極めて明確な理由です。

 だから、トランプがどうのこうの、ということを考える必要は長期投資の場合、全くない。

 為替、ニューヨークについて考えるのは時間の無駄。


 じゃあ、スロー・インベストメントとは、何も考えない投資?
 間抜けな投資?


 いえいえ、そうではありません。


~スロー・インベストメントとは、日々の喧騒に惑わされない投資。
 惑わされないから、株の本質を見極める。
 ノイズを除去することによって、実は、思考時間が生まれる。
 じっくりと考える投資~

なのです。


 結果的に、とっても大きなキャピタル・ゲインを狙う、長期の成長株投資のことです。

 「とっても大きい」っていうのは、数十%という値上がりではなくて、数倍とか数十倍以上を狙う投資のことです。


 もし、あなたが、毎日、ニューヨークダウが気になってしまったら、それはせいぜい、たったの1~2%の値動きのこと。

 たった1~2%のことに人生の大事な時間を毎日費やすことになります。
(40年間毎日費やしたらどれだけの時間が「無駄」になります?)


 上がったり、下がったり。上がったり、下がったり。
 毎日それをランダムに繰り返していくのでしょうが、その1~2%の動きはノイズです。

 大きなキャピタルゲインを狙うスローな投資家にとっては、ノイズは本質を惑わす敵に他ならないのです。


~スロー・インベストメントにおいては、ノイズ(日々の情報)は無視しなければならない~


 無価値なノイズに価値のある人生の時間をかけるな。


 日々や月次だけでありません。
 四半期決算の情報なども、残念ながら(というよりは、当然のことですが)、ほとんどがノイズの部類に入ります。



--- 株式の本質とは? ---



 株の本質は「何が成長するかを考える」ことです。
 少なくとも考えようとすること。考える姿勢を見せることです。

 さすがに当てろとはいわない。
 人は神様ではないので。当たりません。
 当たらなくていいのです。


 世の中のことを考える。じっくりと考える。
 ある製品のことを考える。ゆっくり考える。
 成長する製品とそうではない製品との区別ぐらいはつきますよ。


 成長か否かを区別できれば、何通りかの予想をすればよい。
 ひとつだけの予想ではなくて。何通りか予想をする。

 わたしたち投資のプロは、それをリスク・プレミアムという連続複利の数字に直してバリュエーションを算定します。

 リスク・プレミアムを設定すれば、それは無数のシナリオを考えたことと同じですから。

 ちょっと専門的ですか?
 でも、こんなこと大したことじゃないので、
 へー、そんなものか、と流してね。


~成長率を推定して、その成長率が達成できないリスクも同時に推定する~


 これでバリュー算定は終わりです。
 シナリオを現在価値に直せるからです。

 スローな投資家は、数十年後も存在するに違いないサービスや製品について、深いが、本質的、でも、「ざっくり」と世の中を見る。

 まったくビジネス・スクールの教科書通りですよ。
 競合が厳しいかどうか。
 基本特許や変動費率が低いとかいろいろな状況証拠から成長力は判断しますね。


 また、すべての製品やサービスを分析する必要はないんですよ。

 成長するのではないか?という期待が持てるものだけをざっくり調べる。
 それがスローな投資家です。


 調べることがそれ自体が楽しい方々も多いですしね。
(アナリストたちは調べることが好きなんですよ。株を当てることよりも。困った人々だ。)


 調べることで、世の中のことが深く理解できるようになりますしね。
(アナリストは商売も上手いですよ。いろいろな事例を見ているから。)



--- よいことばかりのスローインベストメント ---


~スローインベストメントには、欠点はなく、利点しかない~


 それって断定?
 断定ってよくないじゃん。ええ。よくない。

 それでも、断定したい。
 わたしはSlow Investmentには利点しかないと思っています。


 まず、社会のことが見えるようになる。
 人間について考えるようになる。
 製品や商品について詳しくなる。
 賢く生活できるようになる。
 金融リテラシーが身につく。
 それによって、一生で億単位のお金を合理的に儲けられるようになる。
 経済的な自由が得られる。
 あとは、アートっぽい感性が磨かれますよ。直感とか。
 感性というわけのわからないものが身につく。

 日々の情報での売り買いは否定しません。
 ノイズ(振動)を利用して、うまく稼いでいる人々はそれはそれでよいと思います。
 こちらの生き方は、マーケットを見るのが好きという方にはオススメなんです。ただし、大型成熟株でやるべきなんですがね。


 わたしがスローインベストメントをオススメするのは、仕事を持っている人々や日々の株価やノイズにはあまり興味がない人々。
 でも、数年で資産を倍増したいと考えている人々。

 そんな人々には、スロー・インベストメントがオススメです。



---  投資のお勉強 ---


 儲かれば同じという意見もあります。否定しません。

 だからといって、やみくもに回転売買のデイトレードでトータルで損をしている人々の方が多いのではないでしょうか。

 振動やノイズは運の要素が多いので運が悪い人はあまり儲かりません。


 それは考えればすぐにわかることです。

 なぜならば、短期トレードをビジネスとしてみた場合、変動費率は100%以上。

 普通に考えたら短期トレードは、やってはいけないビジネスです。

 でも、ギャンブルとしてみればFXと並んで一番マシなギャンブルです。

 テラ銭が安いのが株のいいところです。
 競馬よりはマシです。
 パチンコよりもマシです。


~短期投資はビジネスとしては最低、ギャンブルとしては最高~


 一方、スロー・インベストメントは、数億円の価値のある幸福な人生への自己成長なんだといえるでしょう。


~スローインベストメントについて、わたしたちと一緒に考えていきませんか?~


 ゆっくり考え、気長に投資。


 気ままに投資アイデアを出し合いましょう。
 わたしも勉強中。一緒に勉強しませんか?


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これまでは理屈ばかりをやっていました。
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ビッグデータを使った投資についてデータサイエンティストから教わったりします。

内幸町あたりのVenture企業で勉強会を開催することになると思います。

参加希望の方はご一報ください。

okuchika.mail@gmail.com



~ゆっくり考え、気長に投資~
Slow Investor  山本 潤



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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)