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為替市場動向~米国長期金利、下げトレンドに?~
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為替市場動向~米国長期金利、下げトレンドに?~

2017-09-08 03:05
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     天気が相場に影響しているのか、または逆なのか、冴えない相場が続いています。
     北朝鮮の核実験やミサイル発射の脅威に加えて、米国では過去最大級のハリケーン被害(天災)、財政の崖問題(人災?)も影を落としています。今週は、株式市場のメジャーSQもあり、今日は満月というのも波乱を連想します。


     そんな中で、今朝、ニューヨーク市場の引け値を見て、目を見張ったのが、米債利回りでした。10年物の米債利回り2.06%は2016年11月、米大統領選でトランプ氏が勝利して財政支出による経済刺激が期待され金利が反転して以来の水準です。

     米債10年物は、トランプラリー時に一時2.60%をタッチして、低金利からの本格的反発とされてきました。米国の金融政策正常化が進む中、しかも、潜在的な利上げ期待は未だ消えたわけではないにも関わらず、長期金利は静かに低下傾向を示してきました。そして、ついに2%の飛び台まで来てしまったか!という印象です。

     長期金利低下の背景には、経済指標の強弱バラつき、物価・賃金伸び率の低迷も目先の理由としたあげられますが、金融危機以来続いてきた100ヶ月を迎える米国の経済好調の変化を先取りした動きなのか、今後の動きを見ていく必要がありそうです。

     9月20日にFRBによる金融政策決定会合(FOMC)が開催されます。
     現状維持予想が99.1%、利上げ予想確率0%、そのうえ、利下げ予想が0.9%と出現。金利下げを予想する向きが非常にマイナーながら出てきていることには注目します。


     今週、金融政策で注目されるのが、ECB理事会です。
     周知のように、今回の理事会では、テーパリング(量的緩和政策の段階的縮小)を議論し、実務面も含めて着手を関係当局に指示していくのでは?と予想されてきました。
     欧州中銀ECBのテーパリングは、ユーロ高の背景の大きな背景として作用してきました。ただ一方で、欧州でも賃金上昇の低さ、低迷する物価動向はテーパリング実行への難問と見られているのも確かです。
     今回の理事会終了後にドラギECB総裁がどのようなコメントをするか?
     或いは、この話題への言及はないのか?
     それによって、上昇を続けてきたユーロ相場は調整する可能性があります。

     加えて、このところのユーロ高をけん制するような発言が出るかどうかも注目材料です。この場合には、現水準1ユーロ=1.18~1.19米ドルから1.17ドル水準あたりに調整の可能性が考えられます。

     ただ、ユーロ相場は数年来の下落基調から抜け出したばかりの若い相場なので、調整は限定的ではないかと個人的には考えています。


     さて、米国を襲った大型ハリケーン「ハービー」による洪水被害は過去最大級と報じられています。被害に合われた方々には、心からのお見舞いの気持ちです。
     昨今の異常気象とされる天候被害には、どの国でも深刻です。
     米国では、ハービーの次には「イルマ」という大型ハリケーンの上陸も報じられ、被害は経済への下押し要因になることが考えられます。ただ、被害による下押し後には、復興需要の可能性も言われますので、一概に経済へのネガティブ要因として片づけるのも早計かもしれません。

     過去の経験では、天災の経済や相場への影響には、一定のパターンがあるというよりも、その時の経済状況や政策によるものが大きいという指摘もあります。


     ところで、昨日の相場中に入ったニュースで目についたのが、中国政府によるICO(仮想通貨による資金調達)を禁止したことでした。当局は、新規仮想通貨公開(ICO)を許可を得ていない違法調達行為として、取締りを強化するとの発表でした。投機資金が集まっていた仮想通貨相場の急落から、株式、為替市場へどう影響するか、大変気になるところです。


     9月4日のレーバーデイ明けから米国議会が再開します。債務上限問題に関連した財政の崖問題の成り行きが注目されていきます。トランプ政権と議会とのせめぎ合い、北朝鮮問題への対処など注目点は多々あります。


     8月のドル円相場は、月初8月4日につけた111円05銭を高値に8月29日の108円27銭を下値に、109円後半を中心に狭いレンジでの動きに終始しました。
     北朝鮮のミサイル問題によるリスクオフ反応で下を試すものの108円は底堅く、一方で111円を上抜けしていく材料もパワーもないという印象です。
     108円台前半は何度か下値トライされていながらも、今年4月以降、キープされています。米金利の下げや地政学的リスクを考えると、サポートをブレークしてずり落ちる可能性も考えがちですが、目の前の材料を過大評価し過ぎるのもリスクかもしれません。
     ボックス相場の中で、か弱そうに見えながら、下値で耐えるドル円相場の動向をしばし冷静に見ていくのが肝要かと思います。


     最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。


    ※9月6日東京時間15:00執筆
     本号の情報は9月5日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
     なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


    式町 みどり拝


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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