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エスカレートしていく米国発「貿易戦争」進行の中、6月FOMCでは予想通り利上げが決定されました。
その後、6月20日には、パウエルFRB議長は「FF金利(政策金利)の漸進的な引き上げ継続の論拠は強い」と発言。マーケットでは、2018年は合計4回(残り2回は9月と12月?)の利上げを織り込みつつあります。
米国2年債は、2.53%まで上昇。貿易戦争や移民問題などのリスク要因で利回りが低下(質への逃避)気味の10年債との利回りギャップは約0.338%にまで縮小。2007年以来の小さなスプレッド。気になる動きではあります。
米国トランプ大統領による貿易戦争を拡大は、止まるところを知らないように見えます。3月に始まった輸入関税引き上げ発表、6月初めにはEU,カナダにも。日本以外の多くの国は報復関税の導入を検討もしています。対中国への関税措置は、中国からの報復措置行使で、追加関税も検討されると言う、報復への報復も。また、自動車関税引き上げ検討も、日欧には大きな問題になりそうです。
さらに、イラン制裁のための、日本にイラン原油輸入停止措置を求めたり、と様々な分野に及びます。トランプ氏の意向に振り回される展開は、マーケットに不透明感を投げかけています。
そんな中で迎える今年の半期末は6月29日(金)。半期末・月末・週末でもあります。
今週は、28日に米第1四半期のGDP確報値、個人消費デフレーターも発表されますが、「末」の節目が重なること、来週には6月の米の雇用統計発表も控えていることから大きな動きはなかろうかと思います。
ドル・円は、上記した米国発の貿易戦争拡大への懸念にも拘わらず、概ねレンジ相場で動いています。3月に初めて輸入関税引き上げの話が出たときは、リスクオフ反応で104円台まで円高に振れたわけですが、貿易摩擦問題が益々ひどくなる中でも109円~110円での推移に終始しているところを見ると、影響を計りかね、大きく動かないとしているのかもしれず、取り敢えず、日米の金融政策の差がドル円相場を支えているのかもしれません。
つぎつぎ出される米国の貿易政策が、世界経済全体へどう影響していくか、引き続き見ていく必要があります。
欧州に目を向けてみると、米国との関税問題もさることながら、移民問題や難民問題が懸念材料として浮かびます。
先般、イタリア政府が難民の救助船を差し押さえ入国を拒否したニュースが話題になりましたが、ドイツでも移民・難民政策を巡ってドイツ政権内で意見が分かれ、メルケル政権崩壊のリスクも囁かれます。また、EU各国の政策の違いから、対立が広がるリスクが強まるとも言われ出しました。中でもイタリアの政治リスクを懸念する向きは、未だに大きく、春以降、イタリア国債の売りが未だ目立ちます。
通貨ユーロは年初の金融正常化期待による買い戻し意欲での上昇の動きから、春からは期待後退による反落を経て、6月には1.15~1.18のレンジ内の上下に終始する動きが続いています。方向感がはっきりしない、動きにくい相場です。
今年上半期の主要通貨の為替相場は、対米ドルで日本円の約2%の円高推移以外は、ドル高各通貨安でした。
米国の金利上昇が主なる背景になったと思いますが、特に新興国通貨の下落が顕著でした。新興国通貨安は、物価高インフレ加速を通じて、経済悪化に繋がります。巡り巡って、、先進国経済にも悪影響をもたらすリスクがあります。
貿易摩擦問題も含めて、このあたりの影響も心に留めておいた方が良さそうです。
明日は、西野ジャパンの対ポーランド戦試合。
日本からもエール送って行きましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
※6月27日東京時間13時執筆
本号の情報は6月26日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)