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不透明感
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不透明感

2018-10-09 21:34


     今年度も早や半分が過ぎました。

     金融業界の観点から今年を一言で言い表せば『不透明感』となりそうです。
     米国政治の不透明感が増大し、世界の安定性への不透明感も増しています。金融市場も過去の経験則が役に立たない状況が拡大しています。

     そんな不透明な時ほど株価は上がり易いということでしょうか?

     日銀の異次元緩和が続くことで日経平均株価は1980年代末のバブル期以来の高値となり、年足では今のところ2012年から今年で7連騰となっています。東証一部時価総額も700兆円に近付いており、こちらはとっくにバブル期を越えています。
     時価総額700兆円と言えばTOPIXベースに引き直すと大凡1,883円程になりますが、アベノミクス前の安値時は250~260兆円辺りでしたから、随分と増えたものです。

     あの頃は株価が戻るのではなく、日本のGDPがそこまで減っていく将来を暗示しているのか?などと心配もしましたが、取りあえずはホッとしているところです(^^)


     今年の初め頃には今にも東アジアで戦争が始まりそうな雰囲気でしたが、それが一転して解決への期待が盛り上がり、一方で世界最大の貿易摩擦がスタートしています。
     2年前には有り得ないと言われていた大統領が生まれたことで状況が激しく変わり、今では我儘放題で(政権維持のためならば)誰彼構わず喧嘩を吹っかけ世界を混乱させています。
     何せ世界最強のポジションですから、最強ナルシシストとしてはこのイスは絶対に手放したくないはずです(苦笑)。

     勿論、悪質な独裁国家の横暴を止める必要はありますが、世界トップの超大国にしてはそのやり方が如何にも短絡的であり稚拙過ぎます。同盟国をも困らせる思慮の浅い大統領が指揮を執っているのですから・・・世界が混乱するのも止むを得ません。


     さて、この1ヶ月間で国内株式市場は様変わりです。
     弱気だった専門家達も強気に転換する方が増えているようです。
     とは言え24,000円台に乗せたここから先、強気にばかり傾きたくはありません。

     先日書きましたスルガ銀行などが引き金となり「金融大再編」と言った動きにでもなれば株式市場も面白くなるのですが、某公正取引委員会のように、九州地方のローカル市場しか頭に無い狭い視野で規制を続けるようでは期待できません。
     自動車でも鉄鋼でも金融でも、あらゆる分野に於いて既に世界が相手です。
     何よりも、まずは行政の不透明感を払しょくすることが今の日本に必要です。


     それにしてもスルガ銀行株が凄いです。
     478円の安値を付けた9月14日から昨日(10月3日)までの12営業日だけで、発行済株式数(2.32億株)の2倍以上(累計約4.94億株、しかも昨日だけで何と約1.45億株!)もの出来高となっています。
     運用ルールを持っている機関投資家はほぼ全て売り切ったでしょうし、「こんな銀行潰れてしまえ!」と考えた投資家も売り切ったのではと思います。
     この夏からは信用取引の残高も積み上がり、連日大賑わいです。

     不良債権では無く不正融資ですから巨額な損金が突如発生する訳では無いと考えれば、この株価辺りは最も強弱感が対立する価格帯で、9月からはハゲタカや短期トレーダーによる丁々発止の場となっています。
     裏では、時価総額1,500億円となった(元有力)地銀株の争奪戦が勃発しているのではないでしょうか(^^)。そんな面白い銘柄なのに何故に空売りする人が沢山いるのか分かりません。危険ですよね・・・。

     当局としても厳しい対応をするでしょうが潰すと言う選択肢は考えられず、業務は暫く停滞するでしょうが、債務不履行とか潰れたりするなどは無いと思います。経常収支でみれば直前期のような1,500億円を維持するのは難しく、当面はアベノミクス直前期の1,000億円台くらいを見込んでおけば良いのではないでしょうか。
     当局的には再編を促したい意向もあるはずですから、そのまま代替わりで存続すると言うより、この機会に他行による買収や統合と言った可能性が高いと考えています。


     さて、この問題を引き金に、不透明であった金融機関と不動産業界の癒着構造が解明されるのか?
     大量の属ゴキブリも姿を現すのか?業界大再編へと進むのか?・・・
     とても興味があります。


     次回は不動産業界について少し書いてみたいと思います。



    (街のコンサルタント)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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