2018年12月に億の近道の松田理事長と長年の盟友である石川臨太郎さんのお見舞いに松江の日赤病院を訪問しました。
当時、弾丸のように投資の話をされて、わたしたちはたじたじとなるぐらい、お元気だったのです。
いきなりの長時間のトークで彼の体への負担を心配した看護婦さんに「そろそろ」と追い出されるまで、SUMCOや商事や信越化学の将来についての臨太郎さんの見識をお聞きして、わたしは、ただ、うんうんと頷いておりました。
「なんだ。めちゃくちゃ元気やないか」
とその後、松田さんと安心していたのです。
翌日、ラジウム温泉が癌に効くということを臨太郎さんがおっしゃっていたので、遠出も大変だから、比較的松江から近い三瓶山のラジウム温泉に行きましょうと約束をしたのです。
残念ながら、その約束を果たすことはできませんでした。
余命二ヶ月という宣言を受けて、臨太郎さんは断捨離を加速。
遺言や資産の整理で多忙なんだよとおっしゃっていました。
パンローリングの編集長の磯崎公亜さんや著名ストラテジストの村田雅志さんや松田さんが全面的に編集作業に協力して臨太郎さんの出版を急ぎましたが、残念なことに出版の前にお亡くなりになりました。
2002年ごろに最初にお会いしたときに、「ツキ」の重要性について教えていただきました。
-「ついていると何回も口に出してみると人生が変わるよ」-
と何度言われたかわかりません。
エリートサラリーマンの地位を捨てて、専業の投資家となってからも、メールではなんどもやりとりをさせていただきましたが、いつも感じ思うことは、臨太郎さんは嘘がない人生をとても正直に生きた方だと思います。
お子様がいらっしゃらない臨太郎さんは、ご自身が精力を込めて書いた原稿を「自分の子ども」とおっしゃっていました。
彼は多くの金言を産みました。書籍には一人の投資家としての生き様が凝縮されているでしょう。
最終的に彼が行き着いた究極の必勝投資法は、長期で投資をデザインするということでした。
リスク管理の具体的な方法論や恐怖をどうコントロールするかなどについても、ご自身の事例をひきあいにしてとても丁寧にお書きになりました。
信用や短期回転売買に必勝法がなく、長期の投資のデザインの仕方に投資必勝の要素があるという主張は、「億への近道」を極めた臨太郎さんの書籍に詳しく書かれています。
保険、遺言といった投資家にとって避けては通れない出来事にも短い余命の中で完璧に対処されましたが、その対処法についても書かれています。
長期の投資家には必見の書籍となりました。
臨太郎さんの「億の近道」への貢献は大きく、その功績は後世に語り継がれていくでしょう。
臨太郎さんの「子どもたち」は、これからも世の中の投資家たちを応援してくれるでしょう。
出版後、墓前に書籍を供えるために、また、松田さんと松江を訪問する予定です。
今後とも臨太郎さんの思いである「お子さんたち」の意思をわたしたちはずっと応援しようと思っております。
山本 潤
NPOイノベーターズフォーラム理事。
メルマガ「億の近道」執筆19年間継続。
1997-2003年年金運用の時代は1000億円の運用でフランク・ラッセル社調べ上位1%の成績を達成しました。
その後、2004年から2017年5月までの14年間、日本株ロング・ショート戦略ファンドマネジャー。
コロンビア大学大学院修了。
法哲学・電気工学・数学の3つの修士号を持っています。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)