※2007年5月22日掲載。




■第8回■

 世界中を見渡しても、日本を見ても、日本の企業の株価は上下の変動を繰り返しながらも右肩上がりで上がっていくのではないだろうか。そのように考えたので株式投資への資金配分は減らさないで継続していこうと決めました。

 過去の20年以上にわたる株式投資への経験から、あまり短期で売買するよりも、成長する意思を持って設備投資や研究投資を継続している企業の株を、長期で保有していた方が運用成績が良い。そんな思いが強いです。

 自分への戒めのため6年ほど前に実際に投資していたポートフォリオを、ネット証券のポートフォリオ欄にそのまま残しています。今では一株も持っていない、そのポートフォリオの運用利回りは、有名なさわかみファンドの運用成績を1.5倍も上回ります。しかも継続投資なし。配当も勘案していないのに、すごい強さです。その当時はバリュー株に投資するという考え方もなく、上がりそうな株に投資するというスタンスで選んだ企業です。

 川崎汽船とかアルプス物流、日清紡績、関電工など投資方針も何もあったものではありません。ところが元本は現在でも2.7倍になっています。いかに自分の予測が当たらないかの証拠もそこには残っています。一番期待していなかった川崎汽船がダントツの株価上昇で、なんと5.6倍にもなっています。何とか面目を保てているのは株価上昇率の第2位に、その当時一番入れ込んでいたアルプス物流の2.5倍があることでしょうか。

 銘柄選択のタイミングよりも、むしろ成長性への意欲のある企業を、いろいろな分野から選んで、長期で所有し続ける。このような長期投資のほうが、結果として資産を大きく増やせる可能性が高い。そのような思いが、いつも心のなかにあります。

 しかし、実際に株式投資をしている人なら、わかっていただけると思いますが、この同じ株を長期で持ち続けるというのは、とても難しいことです。どんなに業績が良くなると考えられている株でも、所有する資産などから考えて割安と思える株でも、株価は上がったり下がったり変動します。今まで良かった業績が為替などの円高への変動などで下振れしたりしてしまいます。安定的な業績をキープして、それほど業績に変動の無い株でも、一年の間に20%~30%程度変動することなどは良く起こります。

 そのとき利益を確実にポケットに入れておいたほうが良い。「大きく損をしないためには損切りのラインを決めておいた方が良い」などという考え方から、持ち株を売ってしまうことも良く起こります。短期的に見れば、それが正解だったとしても、数年たってみると、売った株価より2倍も高くなっていたなんて事は、ザラに起こります^^;

 一度売ってしまった株を、自分の売り値より高く買い戻せる人は、なかなかいませんし、売り値より大分安くなったときでも、さらに下がるような気がして、なかなか買い戻せないものです。そのうち他の株に気をとられて、はっと気がついたら、売り値より随分高くなってしまっていたなどという経験を持っている人は沢山いるでしょう。

 それならば、成長性があると考えて買った株ならば、20%や30%の株価の変動を気にしないで株価が倍以上になるのをじっくり待つというのも良い作戦だと思います。

 そしてどうやったら、いったん投資した株を持ち続けられるかを考えた方が良いのではないかと思うのです。自分の性格から考えてどのような作戦を取ることにしたかを、次回ご紹介しようと思います。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)