すべて一過性の出来事とは言え、30年に一度は置きそうな事象に揺れる日本社会。対応力が問われる今回の新型コロナウイルス肺炎ですが、株式相場にとってもそれが波乱を引き起こす結果となっています。


 かつては石油ショックでお店の棚からトイレットペーパーがなくなったという経験を持つ方が多いかと思いますが、今回は感染防御用のマスクや消毒液が消え、先週末にはこれがトイレットペーパーやティッシュペーパーへと波及。ちょっとしたネット上での噂が契機となったようですが、今後もこうした一部の人々の買いだめなどによる異常な現象が生じる可能性がありそうです。

 このメルマガではあまりそうした話を語りたいとは思いませんが、一過性の出来事とは言えこれは過去も現在も生じがちな問題と言えます。


 株式相場も同じこと。

 一過性の株高があったかと思うと一過性の株価下落も生じることになります。

 異常な株高は先般来マスク関連や一連のパンデミック関連に見られましたが、ホットマネーが蠢いている証でもあり、今後もとってつけたような材料で一過性の株高は演出される可能性があります。投機的な変動とは言えこれも株式相場に生じる理屈抜きの出来事です。

 今また生じつつあるのは在宅勤務や小中高の一斉休校による社会システムの変化だろうかと思われます。つまり今回の新型コロナウイルス騒動は社会構造の中にネットワーク化をますます進展させることになる起爆剤になると考えられます。

 リアルな人と人が血を流す殺戮をもたらす戦争が社会を大きく変えたように目に見えない敵との一種の戦争状態が世の中を変えることになる。こう考えて株式相場に臨むとむしろポジティブな気分にしてくれます。

 まずは過去30年間拡大してきた中国依存度を思い切って減らすこと。なぜなら今後も今回のような出来事が起きる可能性があるから。安い人件費を求めて中国に進出した企業が今後もこのままこの戦略を維持し続けるのかが問われている。

 働き方改革が言われて久しいが、今回の問題は自宅での勤務(テレワーク)を一定規模まで増加させることになる。そこではセキュリティの問題なども一層大きなテーマになると見られる。オフィスの在り方、集団から分散での働き方など、自宅内のスモールオフィスインフラを整えるといったニーズが高まる可能性を秘めている。

 文科省の指導の下で進められている学校(塾)での教育がタブレット端末を駆使したオンライン教育へと切り替わる可能性、医療現場では医者と患者のコミュニケーションの在り方、検査体制の在り方、病院の診療体制、在宅医療化などの大変革が推進される必要性が大いに出てきたとも言える。


 先週末にストップ高を演じたバーチャレクスHD(6193)も教育をテーマにした材料性でホットマネーが集まり出した。アセンテック(3565)やソルクシーズ(4284)などのテレワーク関連銘柄に一縷の望みを託したいが、売り圧力も強くポジティブな見方は少数意見となり下がってしまった。

 全面安商状から少しでも抜け出すことができるとすれば市場ムードを変えるだけのポジティブな評価の高まりとなるが、混沌とした状態を抜け出す銘柄群を皆様とともに見出すことにしたい。


(炎)


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