実体経済を無視して上昇している株式市場だが、強気派が増えているようです。
米国市場を始め、東京市場においてもV字型回復への期待が高く、株価はここ2,3カ月で急上昇し、やっと高値警戒感も出始めたようです。しかし、米国のナスダック市場は、最高値を更新して多少下げたものの、ダウ平均やS&P500とは違って依然と堅調に推移しています。
ここ4月の経済指標は最悪であったものの、今月発表された雇用統計は市場予想を大幅に上回る結果になるなど、6月に入ってからの各経済指標は悪いものではなく、大規模な財政出動やFRBによる景気下支えの為に2度に渡る大幅な利下げ政策、及び、市場に大規模資金投入してきたことで、株式市場は「回復期待」だけをテーマにして買い優勢の株式市場が作られました。
しかし、この株式市場の上昇は過度の期待感だけで、実体を無視した動きで、上昇する度に、売り方が攻勢をかけていましたが、その売り物を買い方が吸収し、その結果、需給関係がひっ迫してさらに株価の上昇を促したようです。
この動きは東京市場でも見られたことで、3月大きく株式市場が崩れた時に「日銀」や「GPIF」が買い向かい、3月20日過ぎから急速な上昇を示し、その上昇に対して「売り方」が台頭しましたが、米国同様に売り方が敗北、この月曜日に日経平均は1000円超の上昇を示現しました。
やっと、高値警戒感を感じる株式市場になってきましたが、米国の株式ミューチュアルファンドにこの6月の一週までに204億ドルの資金流入がありました。ファンドマネジャーはベンチマークを上回る運用成績を残さなければならず、市場に参加する必要があります。
東京市場でもTOPIXの上昇率よりも運用成績を上げなければならないファンドが多く、この6月になって弱気派であった投資家が強気派に変わってきました。5月までは33%程度でしたが、今は50%超になっています。
強気派が増えつつあるようです。
しかし、この傾向を米国の著名な大口投資家はリスクとリターンのバランスがひどく悪いと発言し、V字回復への期待は「幻想」だ、とコメントもありました。このコメントが売り方の根拠にもなっていると思います。
ただ、株式市場は企業業績が基本であり、7月からの決算発表シーズンがポイントになると見ています。その為にこの6月、7月初めが株式市場の大きく変化する時期と考えています。
今、強気派が多くなったことで、需給関係も変化すると考えられます。戻り相場にもそろそろ調整局面も始まるだろうと予想しています。
ここ活躍している新興市場のジャスダックやマザーズも物色が活況過ぎる面もあります。また、低迷していた銘柄も物色対象になっており、全面的な嵩上げ相場が来ているようです。
そして、低位株が物色され始めていることも、ちょっと警戒したい思う所ですが、しかしながら、マザーズ市場は「アンジェス、メドレー」などのバイオ、IPO銘柄が強いうちは続くと見ております。
(大魔神)
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