マーケットはコロナパンデミックの第2波懸念と当局の政策対応期待の綱引きで日経平均22000円をベースに激しい攻防戦になっています。
この新型コロナウイルスをめぐっては様々に見解が分かれるところで、目先7/5には東京都知事選が控える中、候補者には“コロナはただの風邪”をキャッチコピーに選挙戦を展開している方もいらっしゃいます。
株式市場ではこのウイルスの脅威がもたらすニュースフローによって上下に大きく振れる展開が続いていますが、そもそもこのウイルスがどういった位置づけとして捉えるべきかというのが今後の焦点になります。
ウイルスは我々人類にとってはインフルエンザウイルスのように以前から存在したもので、科学の発展とともに新型を検出する技術などによって次々と明るみになっており、最近ではまた中国からハンタウイルスや新型の豚インフルエンザなどが見つかっています。
動物からヒト、ヒトからヒトへと感染する脅威は今に始まったことではありませんが、こうして世界的な流行に発展、大規模化する例はやはり数十年に一度、あるいはスペイン風邪のように100年周期で起こっているのが現実です。
ここではその是非を論じるつもりはありませんので、今回のウイルスが我々人類そしてマーケットに何をもたらしたのかをファクトベースで考えると、やはり各国中央銀行の大規模な金融緩和策そして政府の大型財政出動が焦点になります。
私の見解としては、これら金融そして財政の転換期を迎え、さらに金融と深く結びつくエネルギーの転換、さらには価値観や経済基盤など社会全体が創り変えられるきっかけをもたらしたと解釈しています。
よって、投資家目線ではこのパラダイムシフト、そして時代が変わる節目を迎えるにあたって新たな投資機会に恵まれることを収益の源泉として生かしていく心がまえが非常に重要になってくるかと思います。
中でも日本の立ち位置というのは世界的にみてもパンデミックの脅威にさらされておらず、今回をきっかけに経済構造を大きく改革することができれば、世界中のマネーを呼び込むとてつもないポテンシャルがあると思います。
嘆かわしいことに当事者である日本人がその重要性に今一つ気付けていないのが実情ですが、今後各国の政策発動の効果が目に見える形で顕在化し、マーケットが誰の目にも明らかな上昇となれば、そこでようやく気付くようになるのかもしれません。
では投資機会と言っても、どういった企業が今後伸びてくるのかイメージが湧かないという方のためにとても参考となる重要な資料が7/1に経済産業省からリリースされました。
その名も『新グローバルニッチトップ企業100選』で、旧版は2014年に公表され、まだ世に知られていない企業なども多く名を連ね、その中に含まれている上場企業は素晴らしい成長を遂げました。
いわば国際優良株のブルーチップ銘柄とは一線を画し、個人投資家が手がけやすい中小型株が多く含まれていることもありがたいことです。
ざっと一覧していきますと「機械・加工部門61社」「素材・化学部門24社」「電気・電子部門20社」「消費財・その他部門8社」で構成されており、いずれも日本が世界に誇るロボット技術や化学・素材の技術で競争優位性を持つ企業が列挙されています。
機械部門でいえば産業用ロボットの減速機を手がけるナブテスコ(6268)や半導体製造の直動機器を手がけるTHK(6481)、主力株ですが水素技術などにも力を入れている川崎重工業(7012)などは注目しておくべきでしょう。
さらに素材部門ではイリジウム化合物を手がけ前回に続いて連続ノミネートを果たしたフルヤ金属、半導体フォトレジストの原料を供給する東洋合成工業(4970)などは常に監視対象から外すことはできません。
エレクトロニクス部門ではまさに大化けを果たした半導体のレーザーテック(6920)などが選出され、まさしく半導体株がポスト・コロナで隆盛の時代を迎えている象徴のような銘柄だと思います。※
今人類が立ち向かっているこのウイルスは間違いなく私たちの社会基盤の変革を促すことにつながっていきます。
そしてこれを克服する過程において、世界の先進国の中で最も大きく浮上するのがわが国日本になることを強く認識しておけば、中長期の視座に立ってマーケットの調整局面こそが投資機会であると感じられることと思います。
(あすなろ産業調査部 加藤あきら)
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※レーザーテックは、グロース銘柄発掘隊にて2020/5/26発表の有料レポートが
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https://note.com/okuchika/n/n945c60ef9827