季節はもう桜の花が開花する春。コロナ禍2年目の厳しい冬の季節から暖かくなる春の訪れとなり、多少気分は浮かれ気味となっているのかも知れません。 街中の混雑度はもう自粛ムードから一足早く解放されたようなムードとなっており、コロナ感染者の減少傾向にも鈍化の早くも兆しが見えてきました。
春と言えば、梅や桜となりそうですが、私の場合は「HAL」となります。
「HAL」って何?と言われそうですが、季節とは無関係のつくば大学発ベンチャーのCYBERDYNE社が開発したロボットスーツのことです。
世の中はコロナでいろいろ影響を受けていますが、普遍的な話は高齢化の流れ。歳を重ねるごとに足腰が弱って参ります。
これをサポートする介護ロボットスーツ「HAL」の本格的な普及で高齢化している私たちの生活にも暖かい春がやってくれば良いが・・。
コロナ禍で病院や医療機関との接点が限られる時代となる中でむしろ同社のHALのニーズは高まっているようです。
先日、つくば市にある同社の展示会場に足を運んだ筆者は改めて同社のことを調べてみましたが、そこで気がついたことは同社のビジネスが世界にも広がりを見せていて、世界に春をもたらそうとしていること。
一方で同社の評価は2014年の上場時に比べ低下しており創薬ベンチャーにも似たような評価がなされています。
まだ時価総額自体は1000億円を超えており、日本のユニコーン型の企業として存在していますが、徐々に忘れ去られようとしているとの印象があります。ところが実際に同社の活動自体はとても活発で山海(さんかい)社長の下で様々な企業とのアライアンスをベースに発展の道を歩んでいるとの印象です。
3Q決算は売上12.5億円、営業利益は約5億円の赤字ですが経常利益は3.9億円の黒字。創薬ベンチャーのような赤字の垂れ流しから利益を多少でも稼ぐ企業体となってきた点を投資家がどう評価するかです。
この営業外での黒字化の内容は同社が投資会社としての立ち位置を持つことからもたらされていると言えます。
山海社長がベンチャーキャピタリスト的な存在感を持つことがポイントと言えそうです。このあたりはソフトバンクGの孫社長と似ていますが、あそこまでのアグレッシブさはないとしても世界初の装着型サイボーグHALを利用した脳神経や筋肉などの機能改善・再生によるサイバニクス治療を世界的に普及させていこうというチャレンジに大いに期待したいと思います。
2004年の会社設立で10年後の2014年に上場を果たし、時価総額が5000億円を超えた時期もあった同社ですが今は昔の物語となってしまいました。
投資家の夢は徐々に現実の世界に引き寄せられてしまったようですが、これでこの、HAL物語が終わる筈はありません。既に日本では保険適用が始まっており、個人向けにはレンタルも始まったとのこと。
医療介護の現場にHALが入り始めていることから春も近いとの印象です。
皆様も機会あれば同社のことを改めて調べてみてはいかがでしょうか。
時価605円 時価総額1300億円(最安値時時価総額は688億円、直近高値975円時の時価総額は2100億円)
(炎)
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