こんにちは、小屋です。

 前回のメルマガでは、早稲田大学の鎮目先生と「お金」を最終的にはどのように使っていけばいいのか?ということで議論をしました。

 億の近道読者の中には

「1億円」を作り出すために頑張っている人

もいれば

既に「1億円」は作り、今後の人生について思いを巡らせている人

もいると思います。

 今回は、そうした今後の人生について考えている人にひとつ「幸福」「対話」をテーマに、「対話」の専門家田口淳之介さんに話を聞いてきましたので、その内容をお届けいたします。


■幸せ生み出す「対話」の実践――対話の専門家・田口淳之介氏


●「対話」のできない私たち


 「対話の専門家」という肩書きはあまり聞き慣れないと思います。「対話」とは、互いの考えていることや感じている気持ちを交換することです。
 会話と討論の中間に位置付けられるものと言えます。


 「お腹が減ったね」と言葉を交わし合うような日常会話は誰もができますが、実は、本当の意味での対話は多くの人ができていません。
 対話の重要性を知って、実践していただきたいという思いがあって、この肩書きで活動しています。

 ビジネスの場でも家族間でも、何かがうまくいっていない原因を探っていくと、対話がうまくできていないことで生じた人間関係のバグに行き着きます。
 僕自身も20代の時、仕事と私生活でとても苦しんだ時期がありました。
 当時は、部下もパートナーもちっとも分かってくれないと相手のことを責め続けていました。
 でも、誰かを変えようと思っても人は自分の望むようには変わってくれませんよね。

 そしてある時、気がつきました。

 自分は相手とちゃんと話ができていると思っていたけれど、実際は良いコミュニケーションがほとんどとれていなかった、と。

 その後、勉強を重ねていく過程でコミュニケーションの二つのパターンについて知りました。

 一つは事実を「説明」すること、もう一つはいわゆる「共感」です。

 わかりやすい説明と、心に寄り添う話って、少し違いますよね。
 僕は「共感」が特にできていなかったのです。「こうしたらこうなる」という説明ばかりして、相手との対話が成り立っていませんでした。


●「対話」の基盤にあるもの――その1 家族との関係性


 「対話」の基盤となるのは、「家族との関係性」と「自己との対話」だと僕は考えています。

 一つずつ説明していきましょう。

 まず、なぜ僕は自分がいわゆる「コミュ障」だと気付けなかったのでしょうか。
 ある個人がどのように人と関係性を築きコミュニケーションをとるのか、その基盤は幼少期の環境、すなわち保護者やきょうだいなど家族にあります。

 もし、自分の周囲が説明型のコミュニケーションを主とする環境だったら、それが普通だと思ったまま社会で同じことをしますよね。
 この時、自分が共感できていないということにはなかなか気づけません。
 そういう意味で、自分と家族との関係性を振り返ることは「対話」のためにはとても大切です。

 また、人間関係は、僕たちの心が感じる「こういう人が好き」「こういう人が嫌い」といった感情に基づいて生み出されます。
 ですから、家族も含めて自分が他者とうまくいっていない時、自分はどんな感情を抱いていたのかに向き合うこともとても大切です。


 ところが、多くの人にとってこのような振り返りは優先順位が低くなりがちです。
 人間は、クリアな目的に対しては努力できるものです。
 しかし家族は、そもそも血縁で自然に結ばれていて日々を支え合う関係なので、はっきりした目的のある関係とは違います。
 だから関係性に向き合うモチベーションもなかなか高まらないのだと思います。
 家族同士の問題が解消できなくても、「まあ、アイツはああいうヤツだから」で終わらせてしまうのです。


●「対話」の基盤にあるもの――その2 自己との対話


 説明型コミュニケーションと共感し合うコミュニケーションがある、ということはすでに説明しました。

 前者のタイプの人は、自分の思考のプロセスは理解していても自分の感情はあまり認識できていません。

 一方で、後者が得意な人は「どう感じたのか」は明確でも「なぜそう感じたのか」まで思考することは苦手です。

 ですから、どちらのパターンが「良い・悪い」ではなく、そのバランスが重要です。
 自分のパターンに向き合って両者のバランスを取ろうとすることを、僕は「自己との対話」と定義付けています。

 思考も感情も、筋肉と一緒で鍛えることができます。
 自己との対話を通して使っていない筋肉を鍛えることは、とても大事なことです。

 説明型のコミュニケーションをする方は思考の筋肉ばかりを使っていて、共感するための筋肉ができていないのだと思います。
 もし突然、「今の気分は?」と聞かれたら、皆さんはどんな言葉が出てくるでしょうか。
 日頃から感情を使っていない人は感情を表現する語彙数が少なく、言葉がなかなか出てきません。

 このような時、相手はあなたに対して恐怖や不安を感じます。


●いざ実践、自分の内面を理解して表現する


 自分のことを深く知った人は他者のことも同じくらい深く理解できるし、人に対する心配りも全く違うものになってくると思います。
 逆に自分と仲良くできない人は、他者とも仲良くできないでしょう。

 日々、家族や自己の振り返りを繰り返していくと、その経験を通して他者とも対話できるようになっていきます。
 そのためにワークショップなどを通して皆さんの実践をサポートすることが、対話の専門家である僕の仕事です。


 僕がいつもお伝えしている方法とは、自分を表現する時間を持つことです。
 自分の考えや感じていることをどこかに書き留める、あるいは信頼できる人と一緒に「どう感じている?」というフレーズを言い合うのもいいでしょう。

 3週間ぐらい続けてください。これはまさしく筋トレです。
 また、可能な限り、僕のようなプロフェッショナルのガイドのもとで定期的に実践することをお勧めします。


●幸せの実現に欠かせない「いい人間関係」


 アメリカの高齢者施設で、70年ほど継続してデータを集めた研究があります(*1)。
 人が悔いのない人生を送ったかどうかは、「チャレンジをしたか」と「周囲といい関係性を築けたか」がバロメーターになっている、という結果が示されています。
 後悔をしない人生を送ってきたかどうか、そして人間関係が良好だったかどうかということですね。

 ということで最後に一つ。
 僕はセミナーのオファーをいただいたときに、小屋さんのお話にとても感銘を受けて、小屋さんのマネープランニングを学ばれている方にぜひ人間関係やコミュニケーションの話をしたい、と思いました。

 ある程度お金に幸せを見出されるようになった皆さんが、次にどのようなステップを踏んだらいいかと考えたとき、ぜひ人間関係やコミュニケーションのこともしっかりと理解して、うまく活用していただきたいと思います。


*1 TED."What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness" Youtube https://youtu.be/8KkKuTCFvzI
 ロバート・ウォールディンガー.「TED日本語-ロバート・ウォールディンガー:人生を幸せにするのは何?最も長期に渡る幸福の研究から」
 DigitalCast https://digitalcast.jp/v/23938/


株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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