• このエントリーをはてなブックマークに追加
長期投資家読本 化学の知識は投資に必要か?その2
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

長期投資家読本 化学の知識は投資に必要か?その2

2022-11-07 16:08
    6b875d43f1e211cbbe9430a952726af0_s.jpg



    =アナリストにとって文理どちらも重要=



     家族を持ち、4人の息子のうち3人が理系であったことから、数学や化学の素晴らしさをみなで語りあう家族との団らん食卓を夢見ていたのです。ところが我が愛妻はジュエリー大好きなピュアな文系です。

     先日、NHKのポアンカレ予想の特番を妻が見ていて心配してくれました。

     「数学者って大変ね。気が狂うのね。あなたも数学の博士課程で気が狂わないでね」と数学者と狂人を「一般化」するので、「心配しないで。至って平凡なわたしはどうあがいても気が狂うぐらいに数学に没頭する時間もないから安心してください」と言いました。

     中央大学理工学研究室のお世話になって10年目。仕事が忙しく数学の研究は遅々として進んでおりません(焦り)。

     我が子4人の受験を経験して強く感じるのは日本の教育は数学をやや軽視している印象。たとえば計量経済学などを将来勉強するためには数学なしの受験は好ましくないはず。

     先日、知り合いの慶応大学経済学部の学生が線形代数の必須単位を落として留年していました。そういうことが起こるのは地歴で受験したからなのです。文系理系に関わらず高校生は言語と数学はしっかりやってもらいたいというのが日本国の本音ではないかと思います。個人的には高校でも化学は必須科目にしてもらいたい。化学がわからない人が増えると国力が落ちてしまうのではないかとわたしは感じています。
     そのぐらい現代社会では、化学は重要ではないかと思います。
     医薬、バイオ、ファインケミカルなど。化学の応用範囲はとても広いのです。

     化学反応の投資効率は触媒の活性と選択性で大きく違ってくる。そしてそれが事業の差別化要因になりえます。丁度、純度の高いよい鉱山を持っている方が競争優位なように、活性と選択性の高い合成プロセスを持っている企業は競争優位を築くからです。投資先選定にも化学の知識は必要です。

     文系理系といったステレオタイプの分け方はこれからの時代には合わないかもしれません。文理表裏一体で運営できる組織がグローバル社会では求められています。高い理想に向かって難局を突破していける素養を持つためには一般教養は差別化の武器になるはずです。

     思い立ったら吉日といいます。
     我々一人一人も人生の中で一時は、真剣に勉強してみるのもよい経験となるでしょう。できれば我々ひとりひとりが毎日、教科書で勉強する習慣をつけると日本もみなで明るい未来を共創していけるでしょう。


    =長期のデザインを持ち、自己を律することの重要性=


     長期投資家に限らず、自己を律することが「進化」のための条件ではないでしょうか。律するだけではなくて、長期のよきデザインがなければなりませんね。
     長期的なデザインとはたとえば、領域を狭く選ぶことです。幸せとは何かという漠然な広いものではなく、量子化学ならば量子化学と決めて数年間かけて勉強してみるのがよい選び方ではないでしょうか。

     たとえば、興味ある学科を受験してみる。社会人学生として化学科に在籍してマスターやドクターをとる。それが長期の「進化」のためのデザインとなります。

     たとえば、純度の世界で「9Nを10Nに高めるのだ!!」と日夜奮闘している方々は長期のデザインで頑張っているのではないでしょうか。
     あるいはもう少し身近な例では、手に血豆をつくりながらバットを振り込み、どんどんうまくなっていく野球少年もそうでしょうか。彼もまた、長期でデザインを持っています。

     長期のデザインには、挫折あり、やる気が持てないときもあります。
     しかし自己を律して毎日正しい方向で努力すれば進歩していくでしょう。


     長期に渡る「教科書読み」をわたしは知り合いには勧めています。
     教科書を読んでもわからないと諦める人は多いのですが、諦めるには早すぎるのです。

     「わからなくても、あとちょっとだけ頑張る」。

     わからないならば二回読んでみる。三回読んでみる。何度も読み、たとえば、数日間、そのことだけを考えてみる。それをやった人しか味わえないような、なんとも不思議な感動的な体験が生じるはずです。それが面白く、幸せのドーパミンが全身を流れる。
     これをわたしは「進化型日常のご褒美」と呼んでいます。

     わかると楽しくなる。わかるようになるには日々の努力の継続が必要です。
     でもその後の幸せのドーパミンという楽しみを想像したら少しぐらいの苦痛は乗り越えられるのではないでしょうか。


     とても長い前置きになってしまいました。

     さて、最重要な一般教養科目のひとつである化学の勉強を始めましょう!!

     今回の長期投資読本は以下のような構成です。
     化学の基礎を理解する。ここが一番大変です。一般教養の分野。
     そして触媒の理解をする。化学の基礎がわかればすんなり理解できる。
     同様に酵素の理解をする。化学の基礎がわかればすんなり理解できる。
     その上で業界の理解を試みる。

     化学の基礎がわかれば投資効率とすり合わせることで業界の技術トレンドが理解できる。
     上記プロセスを経ることで長期投資への理解が格段に高まることを実際に経験していきましょう


    (つづく)


    山本 潤 セゾン投信共創日本ファンド ポートフォリオマネージャー


    【お知らせ 共創日本会議開催】


     11月は茅場町FINGATEにて14:00から16:00まで、開催を予定しております。
     12月はセゾン投信(サンシャイン60 48F)にて開催を予定しております。

    ○11月26日土曜日(参加無料)
     リアル参加をご希望の方はこちらよりお申込みください。
     https://www.saison-am.co.jp/seminar/detail/20220921151224.html

     オンライン参加でご希望の方はこちらよりお申込みください。
     https://www.saison-am.co.jp/seminar/detail/20220921151122.html

    ○12月17日土曜日(参加無料)
     リアル参加をご希望の方はこちらよりお申込みください。
     https://www.saison-am.co.jp/seminar/detail/20220921151609.html

     オンライン参加でご希望の方はこちらよりお申込みください。
     https://www.saison-am.co.jp/seminar/detail/20220921151525.html


     共創日本会議12月まではオンライン配信もする予定です。
     来年1月以降、ライブ感を重視するために、オンライン配信はとりやめることにしました。共創日本会議はリアル開催のみにする予定です。
     リアル参加できない方には後日、動画を編集後、順次、公開予定といたします。来年1月以降は一緒に長期投資を学習していくスタイルにいたします。
     楽しみにしていてください!!

     隔週水曜日の夜のオンラインセミナーはそのまま継続する予定です。


    【お知らせ noteの執筆開始】

     セゾン投信の国内株式運用部ポートフォリオマネジャーの山本とシニア・アナリストの大月が長期投資のだいご味や業界の深堀レポートをコラムにしたnoteを始めました。

    https://note.com/saison_am/magazines

     フォローしていただけると大変うれしいです。今後の執筆の励みになります。


    【ご留意事項】

    情報提供を目的にしており内容の正確性を保証するものではありません。
    投資に関してはご自身の責任と判断でお願いします。当コンテンツに係る留意事項は以下のリンクにてご覧いただけます。
     ⇒ https://www.saison-am.co.jp/attention/#risk

    商号:セゾン投信株式会社(設定・運用・販売を行います)
    金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第349号
    加入協会:一般社団法人 投資信託協会

    当情報は、筆者が情報の提供を目的に作成したものであり、投資勧誘及び、売買指示ではございません。また、金融商品取引法に基づく開示書類でもありません。株式投資には価格の変動等によって損失が生じるおそれがあることをご理解の上、投資にあたっての最終判断はご自身の判断にてお願い致します。当情報は、信頼できると思われる各種情報、データに基づいて作成しておりますが、その正確性及び安全性を保証するものではありません。投資信託は値動きのある有価証券等に投資しますので基準価額は変動します。その結果、購入時の価額を下回ることもあります。また、投資信託は銘柄ごとに設定された信託報酬等の費用がかかります。各投資信託のリスク、費用については投資信託説明書(交付目論見書)に詳しく記載されております。お申込にあたっては販売会社からお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。