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有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を再編集して毎週掲載いたします。自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
==「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか」==
(有料メルマガ第42回・2009/10/13配信号)
人間、前の失敗に学ぶと、それが次の失敗を生む原因になることもあります。昭和61年10月2日に私は電気興業という東証第二部(現在東証第一部)のアンテナメーカーの株を679円で買いました。
株式投資に少しずつ自信を持ち始めていました。
「あんまり株なんていうバクチにのめりこまないでよ」
妻は有頂天になっている私に釘をさしました。
「大丈夫だよ。慎重にやっているから」
私は自信満々でこう応えました。
【中略】
電気興業の株価もだんだん下がっていきました。しかしナンピン買いという新テクニックに自信を得た私はじっくり買い下がっていくことになります。
昭和62年1月14日 630円で1000株購入。
昭和62年3月 3日 600円で1000株購入。
昭和62年3月12日 580円で1000株購入。
昭和62年4月 4日 501円で1000株購入。
(この株は月足チャートでみると昭和62年4月16日に475円で大底をつけています)
ある日突然、電気興業ではなくヨコオ(当時東証第二部、現在東証第一部)というアンテナメーカーの株が暴騰し始めました。
<<なんで電気興業ではなくヨコオなんだ>>と腹が立ったことはいうまでもありません。
でも、
<<いやいつか電気興業だって上がるに違いない>>という、変な確信が芽生えた。
私が電気興業を仕込んでいるとき、電気興業よりより安かったヨコオ(昭和62年2月9日現在420円)はなんと昭和63年の2月には4200円まで上昇することになります。
ジリジリして待つうちに、思った通り電気興業株への投資も報われる日がやってきました。
電気興業もストップ高を伴って暴騰を始めたのです。
昭和62年8月31日に1640円まで一直線に上昇しました。
<<倍になったら半分売れば投資額を全額回収できる。残った株は元金ゼロで株で儲けた利益だけが残ったコストゼロの株だ。コストゼロの株を作ろう>>
当初はそんなことを考えていました。でも私は自分で作ったシナリオどおりに行動することは出来ませんでした。
1000株だけは売りました。昭和62年8月22日に840円で売りました。しかし、株価は8月31日には1640円になったのです。たった9日後に2倍になったのです。
<<懲りていないよな~。またやっちゃったぜ>>
同じミスを繰り返すことに苛立ちを覚えていました。儲かっているのに、儲け損ねたことで気分を悪くしていました。いま考えると、とても馬鹿らしいことですが、このときは本当に自分に腹を立てていました。
残りの4000株はどうしたと思いますか。残りは売るわけがないですよね。
ヨコオが2000円以上になっていました。だから
<<電気興業だってと絶対上がる>>と何の根拠もなく考えていました。信じ込んでいました。
前に東芝でも日本ゼオンでも失敗しているんだから。1000株売ったことも、ばかなことをしたと悔やんでいたのです。
しかしその後はなかなか上がらないのです。ヨコオは3000円近くまで上がってきているというのに、電気興業は少し下がってそこでうろうろしている。でもヨコオの株価上昇を見ているので私の欲はパンパンに膨れ上がっていました。
ところが、もたついているうちに起こってしまったのです。ブラックマンデーという大暴落が! 昭和63年10月19日に唐突に起こったような感じを受けました。
あっという間に株価は暴落し始めました。
<<値がつかない>>
数日間売買が成立せず、売りたい希望価格の気配値だけが下がって行く恐ろしさ。
<<やばい!>>
私はやっと1010円で3000株売却できました。でも反発するかもしれないと欲張って1000株は残したのでした。しかし更に株価は下がったのでこれも909円で売ることになります。悔しかったのはヨコオが下がらずに4200円まで上昇を続けたことでした。
1640円で売れる可能性があったものを1010円で売らなければならなくなったのです。過去の失敗にこだわったために340万円も儲けそこなってしまったのです。
<<悲しい>>
でもトータル収益は167万円の利益でした。手取りの年収が500万円に満たない人間が年収の半分以上を一銘柄につぎ込む。しかもナンピン買い下がりで 買い増して行く。勇気があったと思います。なけなしのお金の300万円近くを、ひとつの銘柄につぎ込んで、167万円稼いだのです。でも340万円儲け損 ないました。儲けが三分の一。今考え直しても惜しかったなと思います。そして一時的には含み損が約61万円を超えてました。
<<よく頑張った>>といまでは考えています。
でもこの当時の株式投資のやり方は、バクチ打ちのやり方だったと、現在では考えています。何の根拠もなく株を買い、しかも一銘柄にどんどんお金をつぎ込 んでいきます。運が良かったから儲けられたものの、運が悪ければなけなしの財産を失いかねない投資方法でした。でも多くの失敗をしながらも、少しずつ人間 は賢くなっていきます。
それからも株式投資を続けて、同じような失敗を何度も続けていますが、その度に失敗から学んで賢くなってきました。知恵の使い方を学んできました。投資し た株価が投資家の都合(⇒需給関係)で買い値より大きく下がったとしても、資産価値も事業価値も共に高い企業なら、かなり安心して静観できるようになりま した。また余裕資金でしか投資しないという自分の投資ルールをしっかり守ることができるようにもなりました。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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本日配信の有料メルマガでは、財務基盤が強固で、人にとって不可欠な基礎食材事業を持ち、豊富な金融資産を有して、積極的な海外展開を行っている企業を、研究銘柄として掲載しています。
また、コラムでは、「淡々と来年度の運用方針として定めた銘柄入れ替えを続けて行く」と題し、相場状況を注視しながら、ポートフォリオへ導入する候補銘柄を挙げつつ、考察していると同時に、高配当利回りかつ優待銘柄を5銘柄に言及しております。
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆 様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化して いる可能性があります。)
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
==「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか」==
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人間、前の失敗に学ぶと、それが次の失敗を生む原因になることもあります。昭和61年10月2日に私は電気興業という東証第二部(現在東証第一部)のアンテナメーカーの株を679円で買いました。
株式投資に少しずつ自信を持ち始めていました。
「あんまり株なんていうバクチにのめりこまないでよ」
妻は有頂天になっている私に釘をさしました。
「大丈夫だよ。慎重にやっているから」
私は自信満々でこう応えました。
【中略】
電気興業の株価もだんだん下がっていきました。しかしナンピン買いという新テクニックに自信を得た私はじっくり買い下がっていくことになります。
昭和62年1月14日 630円で1000株購入。
昭和62年3月 3日 600円で1000株購入。
昭和62年3月12日 580円で1000株購入。
昭和62年4月 4日 501円で1000株購入。
(この株は月足チャートでみると昭和62年4月16日に475円で大底をつけています)
ある日突然、電気興業ではなくヨコオ(当時東証第二部、現在東証第一部)というアンテナメーカーの株が暴騰し始めました。
<<なんで電気興業ではなくヨコオなんだ>>と腹が立ったことはいうまでもありません。
でも、
<<いやいつか電気興業だって上がるに違いない>>という、変な確信が芽生えた。
私が電気興業を仕込んでいるとき、電気興業よりより安かったヨコオ(昭和62年2月9日現在420円)はなんと昭和63年の2月には4200円まで上昇することになります。
ジリジリして待つうちに、思った通り電気興業株への投資も報われる日がやってきました。
電気興業もストップ高を伴って暴騰を始めたのです。
昭和62年8月31日に1640円まで一直線に上昇しました。
<<倍になったら半分売れば投資額を全額回収できる。残った株は元金ゼロで株で儲けた利益だけが残ったコストゼロの株だ。コストゼロの株を作ろう>>
当初はそんなことを考えていました。でも私は自分で作ったシナリオどおりに行動することは出来ませんでした。
1000株だけは売りました。昭和62年8月22日に840円で売りました。しかし、株価は8月31日には1640円になったのです。たった9日後に2倍になったのです。
<<懲りていないよな~。またやっちゃったぜ>>
同じミスを繰り返すことに苛立ちを覚えていました。儲かっているのに、儲け損ねたことで気分を悪くしていました。いま考えると、とても馬鹿らしいことですが、このときは本当に自分に腹を立てていました。
残りの4000株はどうしたと思いますか。残りは売るわけがないですよね。
ヨコオが2000円以上になっていました。だから
<<電気興業だってと絶対上がる>>と何の根拠もなく考えていました。信じ込んでいました。
前に東芝でも日本ゼオンでも失敗しているんだから。1000株売ったことも、ばかなことをしたと悔やんでいたのです。
しかしその後はなかなか上がらないのです。ヨコオは3000円近くまで上がってきているというのに、電気興業は少し下がってそこでうろうろしている。でもヨコオの株価上昇を見ているので私の欲はパンパンに膨れ上がっていました。
ところが、もたついているうちに起こってしまったのです。ブラックマンデーという大暴落が! 昭和63年10月19日に唐突に起こったような感じを受けました。
あっという間に株価は暴落し始めました。
<<値がつかない>>
数日間売買が成立せず、売りたい希望価格の気配値だけが下がって行く恐ろしさ。
<<やばい!>>
私はやっと1010円で3000株売却できました。でも反発するかもしれないと欲張って1000株は残したのでした。しかし更に株価は下がったのでこれも909円で売ることになります。悔しかったのはヨコオが下がらずに4200円まで上昇を続けたことでした。
1640円で売れる可能性があったものを1010円で売らなければならなくなったのです。過去の失敗にこだわったために340万円も儲けそこなってしまったのです。
<<悲しい>>
でもトータル収益は167万円の利益でした。手取りの年収が500万円に満たない人間が年収の半分以上を一銘柄につぎ込む。しかもナンピン買い下がりで 買い増して行く。勇気があったと思います。なけなしのお金の300万円近くを、ひとつの銘柄につぎ込んで、167万円稼いだのです。でも340万円儲け損 ないました。儲けが三分の一。今考え直しても惜しかったなと思います。そして一時的には含み損が約61万円を超えてました。
<<よく頑張った>>といまでは考えています。
でもこの当時の株式投資のやり方は、バクチ打ちのやり方だったと、現在では考えています。何の根拠もなく株を買い、しかも一銘柄にどんどんお金をつぎ込 んでいきます。運が良かったから儲けられたものの、運が悪ければなけなしの財産を失いかねない投資方法でした。でも多くの失敗をしながらも、少しずつ人間 は賢くなっていきます。
それからも株式投資を続けて、同じような失敗を何度も続けていますが、その度に失敗から学んで賢くなってきました。知恵の使い方を学んできました。投資し た株価が投資家の都合(⇒需給関係)で買い値より大きく下がったとしても、資産価値も事業価値も共に高い企業なら、かなり安心して静観できるようになりま した。また余裕資金でしか投資しないという自分の投資ルールをしっかり守ることができるようにもなりました。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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また、コラムでは、「淡々と来年度の運用方針として定めた銘柄入れ替えを続けて行く」と題し、相場状況を注視しながら、ポートフォリオへ導入する候補銘柄を挙げつつ、考察していると同時に、高配当利回りかつ優待銘柄を5銘柄に言及しております。
今週金曜までに購読された方には、もれなく今週配信号も差し上げます。
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