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日本国のアドバンテージ その3
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日本国のアドバンテージ その3

2015-11-06 15:37
    中間期の決算発表が進みました。

     目に付くところでは、儲かっているのが建設土木業や調剤薬局など公的支出に関連するもの、儲かっていないのが大衆向け消費関連や設備投資絡み、そして同 業内部でも会社によって差が出ているのが資源安によるメリットやデメリットの出方が違う資源や素材関連企業、それに電子部品や自動車部品と言ったところで しょうか。


     既得権擁護派の民主党が止めた郵政3社の上場も安倍政権のもと無事に上場したことで市場も動き易くなると思います。
     アクティブな投資家ほど上場間も無く一旦は売ってしまうでしょうし、株価維持策も出し易くなりますから。今のところ個人的にはかんぽ以外は買う気になりませんが、将来に於いて規制緩和が進むなら日本郵政が面白くなってくると思います。


     ところで、「日本株は高い、いや安い」と言った議論は沢山ありますが、個人的には視点を変えると日本株は割安と考えています。

     米国市場を見ると分かり易いのですが、保有現金が時価総額を上回っている企業などまず見ることはありません。実質的に解散価値を下回っているような会社はとっととTOBされたり役員陣が交代させられたり、または株主によって清算され易いからです。


     ところが日本ではそんな会社が何事も無いかのように平然と上場されたままでいます。
     所謂「割安株」などと言われる会社ですが、どこかのアクティビストが手を付けても余程の買収理由が無い限りは裁判で負けるケースも多々見てきました。

     つまり企業買収などの際にノレン代(プレミアム)が付加されるのと逆の意味で、日本では買収されない、または買収され辛いために負のノレン代(ディスカウント)が株価に反映された状態と言い替えられます。

     一般的な企業会計の言葉で言えば、実態資産以下で買収なりをしたケースで負のノレン代が発生する訳ですが、これは未公開企業などに時々見られることで公開企業では通常はありません。

     公開企業であるのに、株式の持ち合いや物を言わぬ株主の存在、歪んだ市場慣行などの弊害が影響して「株主のために企業価値を高める努力」をしない企業 (経営陣)が、主要株主への便宜供与や自身の利便性(保身)の為に漫然と上場を維持している、つまり一般株主より主要株主や経営陣寄りの市場運営がされて いる市場と言えます。
     このようなぬるま湯経営では事業の拡大は期待し辛く、つまり株価も冴えず、雇用も賃金も増え辛いということではないでしょうか。


     法令を含めたこの歪な市場運営方法を改めることができれば市場取引が活性化し、「驚くほど」株価は上がるかもしれないと考えている次第です。そうなると万年割安株などが一掃されることで投資家の資金効率は劇的に上がります。


     本来は参加する全投資家やステークホルダーの為に機能すべき市場が財界秩序や大資本家のための市場として都合よく利用されていることから、実は市場規模の割に資本主義先進国とは言え無駄の多い市場なのです。
     財界(為政者)の保身のために、本当は人材の質も技術力も高い日本企業の本来の実力が発揮されず、日本国のアドバンテージが十分に利用されないが故に「鉄火場に成り下がっている」のが現状です。


     余談ですが、東証の第2次アローヘッドがスタートしていますが、市場の流動性向上に繋がるとは言え、実際のところ1秒間に1,000回の約定能力は我々一般投資家には無関係です(苦笑)。

     HFT業者への利便性提供のため、そして取引所の取扱高増加のために一般投資家や金融機関など、市場参加者全員がそのコスト負担まで平等に負わねばならないと言うのも何とも解せません。主務省や日銀などの高級天下り先でもある日本取引所は何を目指しているのか?


     安倍政権発足以来、超金融緩和により日本の元凶であった長期デフレを終息させるべく動き始めている訳ですから、(最も大事な)構造改革と共に、旧式の思 想を変えられるなら日経平均は30,000円でも良いかな?と・・・考える次第です。効率的な市場になる前提であれば割安株だらけです。


     日本国のアドバンテージ(底力)を如何に活性化させるかが試されています。安倍さん黒田さん、そして倫理観ある優秀な役人の皆さん頑張れ!


    (街のコンサルタント)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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