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ツチヤの口車 第遅筆にも理由がある 第1351回 土屋賢二「遅筆にも理由がある」
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
大作家の中にはことばを一つ考えるのに一日かける人もいるが、わたしも同じタイプだ。わたしの文章を子どもが書くような文章だと思う人がいるかもしれないが、子どもはことばを見つけるのに一日かけたりしない。太っ腹なのだ。 わたしが遅筆なのは、表現を思いつけない上に、思いついた表現のうち、どれが一番適切な...
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ツチヤの口車 第1350回 土屋賢二「ことばの力をあなどるな」
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
ニュースを見て後悔した。小遣いの増額はとっくの昔にあきらめていたが、ロマンス詐欺犯は舌先三寸で何千万円も振り込ませる。ある被害女性は「出かけるね」とラインを送ったところ、「外は寒いから風邪をひかないように暖かくして出かけてね」という返事が来て心をつかまれたという。 心にもないことば一つとバカに...
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ツチヤの口車 第1349回 土屋賢二「本と脂肪と有価証券」
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
教え子に電話した。「急用じゃないからね。心配しないように。わたしは変わりない。残念ながら」「残念です。失礼します」「ちょっと待て、実は家の中を徹底的に片づけようと思ってるんだ」「終活ですか」「終活でも就活でもトンカツでもない。広々とした部屋で暮らしたいんだ」「それなら徹底的に断捨離するミニマリ...
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ツチヤの口車 第1348回 土屋賢二「可能性が花開くとき」
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
大学に入学したときほど可能性に満ちた時期はない。まさに可能性のかたまりだ。受験のために封印してきた無数の可能性が、いまかいまかと花開くのを待っているのだ。 入学後、最初に夢をつぶしたのは、テニスだった。毎日コートにローラーをかけさせられた上、大学の周りを一周させられ、土手を上り下りさせられた。...
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ツチヤの口車 第1347回 土屋賢二「カスハラ撲滅法」
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
客が店員に横暴にふるまうカスハラが横行している。カスハラ撲滅に取り組む粕腹退治氏に話を聞いた。――活動の内容は? 怒りを鎮めるアンガーマネージメントの普及とかですか?「手ぬるすぎるだろう。カスハラをする連中がそんなセラピーを受けるはずがない。怒りの根を断つのだ」――そんなことができるんですか?「原...
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ツチヤの口車 第1346回 土屋賢二「免許返納を進める方法」
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
高齢ドライバーの暴走事故が後をたたない。免許返納促進に取り組んでいる替瀬麺挙氏に話を聞いた。――免許返納運動を始めたきっかけは何ですか?「痛ましい事故が多すぎる。子どもたちが教えられた通りに手をあげて渡っているところに車が突っ込んでくるのだ。運転する高齢者はたいてい助かり、子どもが犠牲になる。船...
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ツチヤの口車 第1345回 土屋賢二「失敗しないダイエット」
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
これまでさまざまなダイエット法が発表され、そのたびにダイエットに失敗する人の数が増えてきた。 だがダイエットに悩んでいる人々に朗報だ。このたびわたしは必ず成功するダイエット理論を開発した。もう悩むことはない。 わたしはダイエットを始めて二十年以上になる。 こう言うと笑う人がいるが、笑う人の特徴...
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ツチヤの口車 第1344回 土屋賢二「怒りとは何か」
コメ0
週刊文春デジタル 10ヶ月前
因果関係は難しい。 医者はよく「原因は加齢です」と言う。だが、「加齢が原因」といっても、年齢を重ねると身体が不調になるとはかぎらない。現に、わたしは幼児のころは寝小便をしては怒られ、小学校に入っても寝小便がやめられず、一生寝小便かと家族は危惧していたが、年齢を重ねるうちに自然に卒業することがで...
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ツチヤの口車 第1343回 土屋賢二「だれもが太っ腹になるとき」
コメ0
週刊文春デジタル 10ヶ月前
歳をとると色々なことができなくなる。できることと言えばわずかに、シルバーシートに座る、老眼鏡をかけて本を読む、乳幼児健診を無視する、後期高齢者保険料を払う資格を獲得するなど、こうしてみると意外に多い。 他方、できなくなることは数えきれない。シルバーシートに座る、老眼鏡をかけて本を読む……、まで数...
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ツチヤの口車 第1342回 土屋賢二「残念ながらナメクジではなかった」
コメ0
週刊文春デジタル 10ヶ月前
若さはすばらしい。青春真っ盛りの時期は人生の頂点だ。生物学的にも、最も充実した活動期だ。 昔、そういう若者を具現していたのは加山雄三氏扮する「若大将」だった。健康的に日焼けして、悩まず苦しまず、一点の曇りもなく明るく爽やかな青年が、のびのびとして夏の太陽のように輝き、眩しい存在だった。「幸せだ...
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ツチヤの口車 第1341回 土屋賢二「音の洪水」
コメ0
週刊文春デジタル 10ヶ月前
子どもの頃からいままでの間に色々な変化が起きたが、環境の上で一番大きく変化したのは、音だろう。昔はBGMがなく、静かだった。聞こえる音は、ご飯が炊き上がる音、虫のすだく声、蚊帳の中で蚊の飛ぶ音、近所の夫婦喧嘩の声、「ケンジっ! いつまで寝とんなら! 学校に遅刻するじゃろうが!」「なんで時計がいつま...
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ツチヤの口車 第1340回 土屋賢二「むすんでひらいて」
コメ0
週刊文春デジタル 11ヶ月前
われわれは動物を「かわいい」と言って愛玩動物にしたり、乗り物にしたり、食べ物にするなど、好き放題に利用しているが、どの動物も、本気を出したら人間など一瞬で打ち負かすことができる。馬、鹿、犬、ネコ、イタチ、ゴジラ、蚊、ダニ、ウイルスなど、どれ一つとして人間が徒手空拳で勝てるものはない。 それにも...
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ツチヤの口車 第1339回 土屋賢二「三人の頭の中」
コメ0
週刊文春デジタル 11ヶ月前
意思疎通はどこまで大切なのか。他人の考えていることが分かったら、冷静ではいられない。たとえば電車で立っているときだ。【席に座る若い男】前に立っているジジイ、わざとらしく咳をして弱っているところを見せたいんだろうが、そうはいくか。紳士ヅラしやがって、歳を取れば譲ってもらえると思ったら大間違いだ。...
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ツチヤの口車 第1338回 土屋賢二「寿命を延ばす器具」
コメ0
週刊文春デジタル 11ヶ月前
運動と睡眠が不足している。その分、食事でカロリーを補っているが、それでは不十分な気がして緑茶を飲むことにした。 メカニズムは知らないが、緑茶は身体にいいという記事を読んだか、読まなかったか、どちらでもないかだ。原理はともかく、緑茶を飲めば健康になり、健康になれば長生きし、長生きすれば……何をする...
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ツチヤの口車 第1337回 土屋賢二「父の疑念」
コメ0
週刊文春デジタル 11ヶ月前
どの家にも分担がある。わたしの実家では、箏を教えることと娯楽は母の担当、残りは父が担当していた。 子育ても父の担当だった。わたしがよちよち歩く後についていたのも父だった。 演奏会の舞台で弾いているのが母だと分かると、わたしがお乳を求めて泣き叫ぶので、父が演奏会の合間にお乳をやってくれと母に頼む...
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何気なく触れた言葉が自分の生き方で影響を与える時がある。心を豊かにする100の言葉』の一部
コメ5
孫崎享のつぶやき 134ヶ月前
何気なく触れた言葉が自分の生き方で影響を与える時がある。 『心を豊かにする100の言葉』(PHP)にそんなものがあるかもしれない。 幾つかを書き出してみた。バラカン:何もない人には失うものがないボブ・ディランの名曲『ライク・ア ローリング・ストーン』の歌詞の一節ですが、昔から頭を離れない言葉です...