-
川柳のらりくらり 第1027回 選・柳家喬太郎 お題「キッチン」
コメ0 週刊文春デジタル 4日前
料理はねぇ、得意じゃないんですよ。ただ、決して嫌いじゃないんです。簡単なものしか作れませんけどね。二ツ目の頃はね、暇だったって事もあって、たまーに台所に立つ事もありましたよ。唐揚げとか、豚肉のそぼろとか作った記憶がありますわ。今はもう、まるっきりやりませんからね。作り方も忘れちゃった。旅先の楽...
-
川柳のらりくらり 第1026回 選・柳家喬太郎 お題「団地」
コメ0 週刊文春デジタル 2週間前
申し訳ありません!! 先週は本当に申し訳ありませんでした……二十一年近くやってきて、初めてでした、連載休んじまうなんて。いえ、胃をやられちまいましてね、地方の仕事先で、もうどうにもいけなくなって、その土地の病院に即入院!って事になってしまって……。いえもう、本当に御迷惑をおかけ致しました。 今週のお...
-
川柳のらりくらり 選・柳家喬太郎 お題「柿」
コメ0 週刊文春デジタル 3週間前
今号は2016年11月3日号の記事を一部編集して再録します。 ども、柳家喬太郎です。毎度おなじみ川柳のらりくらり、今週のお題は柿であります。 年とって口が変わった、なんて言いますが、若い頃好きじゃなかったけど、年齢を重ねて食べられるようになった、好きになったなんてのはよくある事(こ)って。僕にもそういう...
-
川柳のらりくらり 第1025回 選・柳家喬太郎 お題「ギリギリ」
コメ0 週刊文春デジタル 4週間前
十月初旬、札幌を拠点に三泊四日、北海道で学校公演の仕事がありました。初日が苫小牧で、生徒さん達の前で一席演(や)ってから札幌に移動。一行の他の仲間はそのままホテルにチェックインなんですが、僕だけは別件の仕事で、夜は札幌市内で落語会の出番を頂いておりました。ところが大雨の影響とかで、特急北斗が三...
-
川柳のらりくらり 第1024回 選・柳家喬太郎 お題「運転」
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
移動の時、タクシーを利用する事がちょいちょいあるんですが、個性的な運転手さんってのが、たまにいらっしゃいますな。 どれくらい昔になりますか、もう二十年くらい前になるかな。都内で、ドライバー歴五十年という、大ベテランの運転手さんの車に乗りました。ご高齢でしわがれ声で、でも元気な、チャキチャキの江...
-
川柳のらりくらり 第1023回 選・柳家喬太郎 お題「空港」
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
商売柄ほうぼうに伺います。今は交通の便が良いから、地方に行っても日帰りって事も多いんですが、泊まりって事もよくあります。 数年前、九泊十日って長旅の仕事がありまして、沖縄、高知、太宰府、霧島、長崎県の長与町、長崎市、佐世保、大分県は豊後大野、佐賀、長崎県大村市の順に回りました。土地の方々の御希...
-
「シャチサタ検定」結果発表&解答集
コメ0 チャンネルからのお知らせ 1ヶ月前
先日実施した、サタでぃんの皆さまの「シャチサタ」に関する知識を計る「シャチサタ検定」たくさんのご回答ありがとうございました!▼成績優秀者発表【1位タイ】90点Emil さん、みょうしんさん、かずうみさん、ボンさん、しらすさん、こまつさん、slaveさん【8位タイ】80点まるたさん、たかしさん【平均点】56.84点/100...
-
川柳のらりくらり 第1022回 選・柳家喬太郎 お題「油断」
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
あー、油断したなー。 やっぱ久し振りに演(や)る噺は稽古しなきゃ駄目だなー。出来ると思ったんだけどなー。 我ながらよく噛んだよなー。台詞が出てこないとこもあったしなー。変な間が空いちゃったよなー。登場人物の名前も間違えちゃったしなー。クスグリも抜かしちゃったなー。おいしいクスグリだったのになー...
-
川柳のらりくらり 第1021回 選・柳家喬太郎 お題「モデル」
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
東京かわら版という演芸専門の情報誌に、某アパレルブランドが「師匠お似合いですよ」という広告を、毎月載せて下さっておりまして。この噺家にはこんな服が似合うんじゃないかってのを、イラストで紹介して下さるんですね。以前、僕も取り上げてもらって、「師匠お似合いですよ 落語会」ってイベントにも、出演させて...
-
川柳のらりくらり 第1020回 選・柳家喬太郎 お題「墨」
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
もう、十年以上も前の事です。東京都下、とある街に、落語会の仕事で伺いました。延々と続く商店街をぶらぶらと歩いて、会場へ。と、その商店街に、小学生だか中学生だか、子供達の書いた習字が、旗みたいに、ずーっと飾ってあったんです。とても上手い字もあれば、そうでもない字もあります。なんだか微笑ましくって...
-
川柳のらりくらり 第1019回 選・柳家喬太郎 お題「虫歯」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
歯医者さんには、たいそうお世話になっております。 いっとき、食いしばりってのが酷くって、なにしろ奥歯が割れちまうほどだったんですわ。あの時は、それはそれはお世話になりました。マウスピースも作って頂きました。 それにね、私、口の中がおかしいんだか、四十過ぎるまで乳歯が一本残ってたんです。確か四十...
-
川柳のらりくらり 第1018回 選・柳家喬太郎 お題「うっとり」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今週のお題は、うっとり、であります。 自分でお題出しといて、こんな事言うのもナンですが、どんな時にうっとりするんですかね。近頃、うっとりしてないからなぁ。 若い頃はね、街で見かけた綺麗な女性にうっとりしたり、入門前のまだ一落語ファンだった頃は、客席からいろんな師匠方の噺を聴いてうっとりしたり、...
-
川柳のらりくらり 第1017回 選・柳家喬太郎 お題「牛丼」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
牛丼はいい。いいやねぇ、牛丼は。 若い頃はよく食いました。今でも時々食います。早くて旨くて安い。値上げとかなんとか話題にもなるけど、でもやっぱり安いよ。 地方に行ってね、仕事が終わってホテルで一人、部屋飲みなんて時に、近所に牛丼屋さんがあると有り難い。メニューに牛皿ってのがありましょ? あれが...
-
川柳のらりくらり 第1016回 選・柳家喬太郎 お題「小骨」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
とりあえずビール。 飲み会で、よく聞くフレーズでさぁね。今年亡くなった、紙切りの林家正楽師匠も、ネタで使ってらっしゃいました。 とりあえず刺身ってのもありまさぁね。酒の肴頼むときに、んー五人か、じゃあとりあえず刺身、三人前かな?なんつって。誰も刺身食うなんて言ってないのに。 私、焼き魚が好きな...
-
川柳のらりくらり 第1015回 選・柳家喬太郎 お題「食べ歩き」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
食べ歩き物によっては歩き食い (埼玉県 梅崎義則 69歳) あー、そうかぁー……! うーん、あぁ、そうかぁ……そうなのね、今はそう言うのかぁ……! うーん……。 今週のお題ね、ほうぼうを食べ歩く、いろんな物を食べ歩く、そういう意味の「食べ歩き」ってつもりだったんですよ。だって、食べ歩きってそういう意...
-
川柳のらりくらり 第1014回 選・柳家喬太郎 お題「自家製」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
ほうぼうの地方に伺うと、コンビニでも土地の色が出ている商品を売ってたりして、なんだかちょっと嬉しくなります。以前、北海道のコンビニで買ったジンギスカン弁当、あれ旨かったなぁ。コンビニもいろいろ工夫を凝らしていて、棚を見ているだけでも楽しくなります。中には、自家製の、その店でこさえてる弁当を売っ...
-
川柳のらりくらり 第1013回 選・柳家喬太郎 お題「木目」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
きめ細やかの「きめ」も、木目って書くんですね。肌理とも書くんだそうで、そういや見た事ある気がしますわ。「もくめ」のつもりでお題出したんでね、頂いた沢山の葉書を読み始めるまで、ちっとも気付きませんでした。六十年も生きてて、情けない話ですわ。ですから今週「きめ」でもアリという事にしました。でも選ん...
-
川柳のらりくらり 第1012回 選・柳家喬太郎 お題「砂浜」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
あー、海なんて何年行ってないだろう。 海が見える街、海が近い街での落語会、なんて仕事は行ってますからね。見ちゃいるんですよ、海は。移動の列車や飛行機の窓からだって見えるしさ。けど、海そのものには行ってない。砂浜を歩いた記憶なんざ、はるか忘却の彼方でござんす。 海を、浜を舞台にした落語は演(や)...
-
川柳のらりくらり 第1011回 選・柳家喬太郎 お題「そうめん」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
ここ数年、そうめんが好きになりました。 別に、昔は嫌いだったって訳じゃないんですけどね。若い頃は、そんなに喜ぶ訳じゃなかった。子供の頃、母親が茹でてくれたのは、そうめんじゃなくて冷麦でしたけどね。そうめんと冷麦の違いって、単に太さなんですね。断面が丸いか四角いかって違いもあったらしいけど、今は...
-
川柳のらりくらり 第1010回 選・柳家喬太郎 お題「アンテナ」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
昔は良かった、今はなぁ……なんて、できれば言いたかないんですよ、今の方が良い事だって、たくさんあるんだもの。 でもね、コンプライアンスに息苦しくなって、ふと、昔の緩さを懐かしむ事もあります。 ♪見えすぎちゃって困るのォ~♪ってCMが、昔ありましたよね。スケスケ衣裳のお姉様が、色っぽく歌うコマーシャル...
-
川柳のらりくらり 第1009回 選・柳家喬太郎 お題「下駄」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
梅雨が明けるといよいよ夏ですが、今年の夏も、去年同様、たいそう暑いんだそうですなぁ。参ったねこりゃ。皆さん、熱中症にはくれぐれもお気をつけ下さいね。 夏と言えば、下駄。 ……って訳じゃあないけど、夏祭りには、下駄がよく似合いますな。素足に下駄。冬だって履かない訳じゃないけども、夏の下駄ってのはま...
-
川柳のらりくらり 第1008回 選・柳家喬太郎 お題「受付」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
真打になって間もない頃の話。 とある先輩と二人会のお仕事を頂き、都内の某会場に向かいました。楽屋口が分からなかったので正面から。机を出して予約チケットを並べて待機している受付の方に軽く会釈して、会場の扉を開けようとすると、「あ、お客様、まだ開場前です」 受付の方に止められました。「すみません、...
-
川柳のらりくらり 第1007回 選・柳家喬太郎 お題「おんぶ」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
寄る年波で、おんぶする側から、おんぶされる側になった……そんな句が、多く寄せられました。僕もそのうち、そうなるのかな。もう足は良くなくて、正座ができないから釈台を置いてあぐらかいて高座を勤めてるんだけど、座布団までは自分の足で歩きたいな。 以前、『スプリング、ハズ、カム』という物語の、映画版と舞...
-
川柳のらりくらり 第1006回 選・柳家喬太郎 お題「扇」
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
あれはいつの事でしたか、新真打の昇進の宴か、誰かの襲名の祝いだったか、とあるパーティーの席でした。落語界のとある大先輩が、スピーチの指名を受けてマイクの前に立ちました。ところがその手に、なぜかフォークを持っている。会場中が怪訝な雰囲気になったのを察してか、その師匠、「えー、いつもは扇子を持って...
-
川柳のらりくらり 第1005回 選・柳家喬太郎 お題「梅雨」
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
今年もジメジメと、嫌な季節がやってきますねぇ。この原稿を書いている段階では、まだ関東は梅雨入りしていませんが、もうすぐあの雨続きの時季が巡ってくるかと思うと、ちょいと気分がブルーになります。もっとも、美味しいお米や野菜が出来るためには、梅雨は必要なんですから、嫌がってばかりいちゃ、バチが当たり...
-
川柳のらりくらり 第1004回 選・柳家喬太郎 お題「昼下がり」
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
夜更かし、寝坊の毎日を送っておりますが、たまさか、何か用事があったり仕事だったりで早起きして、午前中に用が済んじゃったりすると、なんだか得した気になります。我々噺家も、あるんですよ。ごくたまに、昼頃に終わっちゃう仕事ってのが。例えば、午前中の学校公演とかね。休みはもちろん嬉しいけど、休みだと普...
-
川柳のらりくらり 第1003回 選・柳家喬太郎 お題「柱」
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
どれがどの子の背丈やら大家族 (長野県 柳絮 73歳) 柱の傷はおととしの五月五日の背比べ……そんな風景、まだ日本のどこかにあるのかしら。身の回りでは聞かないけれど、きっとどこかにあるんだろうな。あったらいいな。 つか、今の子供達はこの歌を歌った事があるのかな。ひょっとしたら、知らないんじゃな...
-
川柳のらりくらり 第1002回 選・柳家喬太郎 お題「寝起き」
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
寝つきや寝起きがいいんだか悪いんだか、自分でもよくわからない生活を送っております。寄席は昼席も夜席もありますが、それ以外の仕事だと、学校公演は別として、平日の落語会は、やっぱり夜が多いのです。家に帰って、風呂に入って晩飯食って、だらだらと事務仕事やら原稿仕事を始めます。川柳選んだりね。実際、今...
-
川柳のらりくらり 第1001回 選・柳家喬太郎 お題「スター」
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
町中華昭和のスターが壁いっぱい (東京都 城和博 68歳) 先だって、とある地方の某飲食店で「師匠、色紙頂いてもいいですか?」と頼まれました。知人が携わってるお店だったのでね。え、ひょっとして飾るの? 人が見たって、俺なんか誰も知らないよ……と思いつつ、ドギマギしながら書かせて頂きました。 え...
-
川柳のらりくらり 連載1000回記念 拡大版 選・柳家喬太郎 お題「千」
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
ににっ、にっにっにっ、二楽、二楽さん!「先週と始まり方が同じですよ喬太郎兄(アニ)さん」 ま、ま、まぁ、まぁ、落ち着け。「兄さんが落ち着くんですよ」 なんとなんと! なんとこの連載、私とあなたと手を取り合って、「いや取り合ってないでしょ手は」 取り合わなかったのか!?「取り合ってたら紙切れないも...
-
川柳のらりくらり 第999回 選・柳家喬太郎 お題「銀河」
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
ににっ、にっにっにっ、二楽、二楽さん!「どうしたんですか喬太郎兄(アニ)さん」 こっ今週のお題は、銀河だ!「うん、銀河で紙、切りましたよ」 何故だと思う? なぜだと思う!?「さぁ」 きゅきゅっ、きゅっきゅっきゅっ!「落ち着いてください」 九百九十九回目なのだよ、今回!「あぁ! それで、スリーナイ...
-
川柳のらりくらり 第998回 選・柳家喬太郎 お題「コマーシャル」
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
はい、お知らせいろいろ! 寿! 林家つる子、三遊亭わん丈、真打昇進披露興行、都内各寄席にて絶賛興行中! 詳細は落語協会のホームページをご覧ください! 落語協会百年記念興行、都内各寄席にて随時公演! 詳しくは落語協会のホームページをご覧ください! 落語協会ファン感謝デー、謝楽祭! 今年は九月八日...
-
川柳のらりくらり 第997回 選・柳家喬太郎 お題「レジ」
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
こないだね、都内某所のデパ地下で、ちょいと惣菜を買いまして。お勘定してもらったら、レジのおねえ様が、小さく「おっ」と言ったんです。なんだろうと思ったら、「お客さん、八百八十八円!」「あ、はい」「末広がり! 八が三つ並ぶなんて、お客さん、福男!」「ハハハ、いやそんな」「こんな事、滅多にないんです...
-
随想⑭ 太郎と呼べば太郎は来る 花子は来ない
コメ7 孫崎享のつぶやき 7ヶ月前
私の出身地は石川県小松市である。この農村地域に向本折小学校があり、私の母校だ。10年程前であろうか、小学生に講演を頼まれた。終わって校長先生が色紙を持ってこられた。多分「切磋琢磨」「一心不乱」等の熟語を期待されたと思うが、私は「太郎と呼べば太郎は来る 花子は来ない」と書いた。この言葉はPHP発行部『...