友達の子どもたちがどんどん大きくなってきた。会う度に次は何をプレゼントしよう、どこに連れて行こうとワクワクしている。そしてそんな大切な私の小さなお姫さまたちがもう少し大きくなったら絶対にプレゼントしようと心に決めているのが『カルバニア物語』だ。性別や容姿、家族への固定観念をぶっ壊し、自分らしくあることへの自信と、多様性という眼差しを私に授けてくれたこの本は、きっとあの子たちのことも助けてくれるに違いないから。
 歴史あるカルバニア王国に初の女王が即位した。父である国王の急逝により若くして女王となったタニアと、その親友である男装の公爵令嬢・エキューを中心に貴族や国民、他国の王族などの生活を追う群像劇となっている。 
週刊文春デジタル