新年の三が日も明けた、夕暮れ前。その女性――どこか有名女優をふくよかにさせたような相貌のA子は、都内の住宅街にいた。ボブヘアーの茶髪に、濃い色のスウェット、裸足に黒いサンダル姿だ。
――A子さんですか。
「はい」
――週刊文春です。
 すると、彼女はハッとしたように表情をこわばらせた――。
 三菱UFJ銀行で貸金庫窃盗事件が発覚してから二カ月余り。ついに小誌は“容疑者”を発見した。 
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