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文=元川悦子

 欧州の2015-16シーズンの本格的なスタートが刻一刻と近づいている。8月8日にプレミアリーグ、15日にブンデスリーガが開幕し、セリエAは23日に初戦を迎える。

 昨季10位と1997-98シーズン以来の2桁順位に沈んだミランは今シーズンこそ名門復活を果たさなければならない。かつてラツィオやインテル、ユーゴスラビア(セルビアモンテネグロ)代表(セルビアモンテネグロ)で活躍したシニシャ・ミハイロヴィッチ監督を招聘し、守備面から立て直しを図っているところだ。

 新指揮官の手腕の一端が垣間見えたのが、7月下旬に中国で開かれたインターナショナルチャンピオンズカップ(ICC)だ。ミランは25日にインテル戦(深セン)、30日にレアル・マドリード戦(上海)を消化し、2試合連続無失点で乗り切った。優勝はPK戦で敗れたレアルに譲ったものの、守備組織自体は悪くなかった。インテル戦で前半45分間、レアル戦では後半45分間トップ下でプレーした本田圭佑も手ごたえを口にしていた。

「(監督の)選手時代のポジションが今の守備のやり方とか見てても関係してる部分がある。守備はこうやってすぐにでも形になるし、危ない場面はあるけど、最後に足伸ばして守れてるところとか見てても、明らかに去年との精度の違いがあるんで。トップ下の自分もチームで一番走らないといけない。守備の時はダブルボランチ気味に戻るんですよ。で、攻撃になった時はデヨンクが上がらないんで、僕が上がらないと攻撃にならないでしょ。そこを戻って走れるスプリントとか、有酸素能力みたいのが必要になってくる。走力はホントに求められますけど、とりあえずはやりますよ」と彼はハードワークを前面に押し出していく覚悟だ。