マル激!メールマガジン
辻元清美氏:なぜ立憲民主党は自公批判層の受け皿になれなかったのか
マル激!メールマガジン 2022年2月2日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/)
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マル激トーク・オン・ディマンド (第1086回)
なぜ立憲民主党は自公批判層の受け皿になれなかったのか
ゲスト:辻元清美氏(元衆院議員)
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辻元清美は今何を考えているのか。
昨年の衆議院選挙で最大野党の立憲民主党は、当初大躍進が期待されながら議席を減らす結果に終わり、党の創設者である枝野幸男代表以下、執行部の引責辞任にまでつながった。新たなリーダーに選出された若い泉健太新代表の下、新体制が発足した後も、支持率の低迷は続いており、各種の世論調査でも立憲の支持率は日本維新の会の後塵を拝し、今や最大野党の地位まで危ばれている。
先の総選挙で立憲民主党の低迷を象徴する形となったのが、立憲民主党の顔と言っても過言ではないほど全国的に高い知名度を誇る辻元清美氏だった。絶大な人気を誇る橋下徹元府知事や吉村洋文現府知事の下、維新旋風が猛威を奮う大阪にあって、数々の逆風に晒されながらも1996年の初当選以来、7度の厳しい選挙を勝ち抜いてきた辻元氏だったが、今回ばかりは立憲の支持低迷と維新の攻勢の前に、個人の力量だけではどうにも太刀打ちすることができず、維新候補の前にあえなく落選。比例の復活当選も叶わず、実に17年ぶりとなる2005年以来の浪人生活を余儀なくされてしまった。
ようやく自身の落選を冷静に見られるようになったと語る辻元氏は、先の選挙での自身の落選には、1)自身及び自身の陣営の傲り、2)立憲の立ち位置、3)維新の攻勢、の3つの大きな要因があったと語る。
「傲り」の問題は、全国的に知名度の高い辻元氏は、選挙区内ではどこへ言っても「辻元さんは絶対に大丈夫だよ」と言われるような存在だったため、陣営内にも、また自分自身にも傲りが生じていて、「大丈夫と言われる選挙は危ない」という選挙の鉄則が徹底されていなかったことだと言う。
大阪における維新の大攻勢は今さらに言うまでもないだろう。大阪では全19選挙区のうち、維新が15選挙区、公明が4選挙区と、それぞれが候補者を擁立した全ての選挙区で勝利を分け合う一方で、立憲民主党は小選挙区の当選がゼロ、比例の復活当選も1にとどまるなど、未曾有の惨敗に終わっている。
しかし、何よりも深刻なのは、辻元氏が2番目の敗因にあげた、立憲民主党が自公批判の受け皿になれていない問題だ。辻元氏は立憲が経済政策を前面に出せなかったことが失敗だったと述べているが、実際、立憲民主党は立憲主義やLGBTの権利などを前面に掲げることで岩盤層の支持は獲得できていたが、肝心の中間層を取り込むことができていなかった。中間層の関心事は何といっても経済問題、とりわけ生活に直結した所得と雇用だ。そこで現実的かつ魅力的な政策パッケージを提示し、まずは中間層をしっかりと取り込んだ上で、自民党が憲法改正や選択的夫婦別姓への反対などを通して保守の岩盤層と取りに行っているのと対照的に、立憲はリベラルの岩盤層を取りに行くような構図を作らない限り、立憲民主党がリベラル層の受け皿となり二大政党制の下での政権交代の一方の担い手となることは難しいだろう。
しかし、中間層を取るために、自民と同じような保守路線や新自由主義路線を取ればいいというわけではない。そこを勘違いしてしまうと、リベラル層にも逃げられた上に、保守層からは自民党との違いが見出せず、鳴かず飛ばずに終わる恐れが十分にある。
大きな経済成長が期待できない状況下で、リベラル層にとっては逆風の政治状況が続くが、「共感と参画」の政治を掲げながらこれに果敢にチャレンジしていきたいと語る辻元氏は、週明けにも今年7月の参院選への出馬を表明する予定だという。辻元氏と先の総選挙の自身と立憲民主党の敗北の原因や維新躍進の背景、今後の展望などについて、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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今週の論点
・赤木俊夫さん問題について、辻元清美が思うこと
・自身の落選、立憲民主党が大敗を喫した3つの要因
・立憲民主も自民も、目指す社会のビジョンが見えない
・維新躍進の背景と、辻元清美が「インチキ」と断ずる理由
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■赤木俊夫さん問題について、辻元清美が思うこと
神保: 旧年中にぜひ一回来てよ、とお願いしていたのですが、ようやく実現しました。ゲストは元衆議院議員の辻本清美さんです。2006年にも出演してもらっていますが、僕らは同い年で、当時は44歳だった。
辻元: 私が辞職して復帰したくらいのとき。そんなときばかり呼ぶね。
神保: いまは参議院選に出馬するか、というデリケートな時期ですが、前回はもう復帰していました。民主党に合流しないのか、ということを僕がせっついて、「民主党が向かっている保守の方向は違う。日本にはヨーロッパ的な社民主義が必要だから、私は社民党で頑張る」と。しかしその後、民主党に合流されて。宮台さんは、辻元さんと民主党についてどう思いますか。
宮台: 政治家は当選することと、国会で質問できることが活動の基本なので、場合によっては違和感があっても、その党に移籍するとか、とどまるということは選択として合理性があります。そこについては、辻元さんご自身の判断を尊重する以外にはない。僕が民主党、いまの立憲民主、国民民主についてどう思うか、ということとはまた別の話ですね。
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