第334号 2019.10.22発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…神戸の教員間いじめ問題、いじめを止める側の立場である教師が、同僚教師にいじめをやっているなんて社会の劣化がまた一段階進んだと思うしかない。いじめは、いじめる側が100%悪いのは当然である。しかし競争社会であり、優劣をつける社会である以上、いじめられる側の大人にも言っておくべきことはある!大人であって社会人なのだ。いじめられる人は完全に善良な人であり、完全に無謬の人であり、一切批判することはまかりならぬという空気が作られてしまっている現状は間違っている!
※泉美木蘭の小説「正しい宗教のつくり方」…溶田研究会の一員として、清田政宗は鶴見佑子を主役にしたYouTube番組を制作し、「皇統は絶対に男系男子であるべきだ」という主張をネット上に浸透させようと企んでいた。二人による動画番組は溶田研究会のSNS上で公開され、男性からは大好評、女性からはほぼ反応なし、一部女性からは手酷くこき下ろされて話題となった。佑子こき下ろしの急先鋒は、溶田研究会11年目、発足当初から参加している伏見のり子。どうなる佑子!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!台東区避難所のホームレス受け入れ拒否をどう思う?最近の女性芸人で面白い、好きだなぁと感じるのは誰?香港が中国から分離独立するのは不可能?『ダークナイト』続編の『ダークナイトライジング』はどう評価している?ドラマ(演劇)の弱さと近年の政治の劣化は関係している?お風呂の湯舟で寝てしまったことはある?日本人が宗教に対して大雑把なところがあるのはなぜ?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第346回「教師いじめのみじめなポリコレ」
2. しゃべらせてクリ!・第291回「貧富対決?よしりん少女像VS金ピカ茶魔像ぶぁい!の巻【前編】」
3. 泉美木蘭の小説「正しい宗教のつくり方」・第5回「だから女を守りたい」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第346回「教師いじめのみじめなポリコレ」 小学校の教師が、別の教師にいじめをやっていたというニュースを最初に聞いた時、わしは何のことやらわからんという感覚になった。
思いもよらない、あり得るはずがない幼稚な事件が起こっていたので、リアル感がなかったのだ。
いじめを止める側の立場である教師が、同僚教師にいじめをやっているなんて社会の劣化がまた一段階進んだと思うしかない。20年前に「学級崩壊」といわれた時は、崩壊していたのは子供の秩序だけだったが、ついには教師の秩序崩壊まで始まったのか!
その後、具体的な状況が報じられてきたが、いい歳した大人が、人を羽交い絞めにして食えないような激辛カレーを無理やり食わせたり、キムチ鍋の原液を大量に飲ませたり、相当に愚劣なことをやっている。
さらに加害教師たちがやったことを列挙していくと…「髪の毛や衣服を接着剤まみれにする」「熱湯の入ったやかんを顔につける」「プロレス技で首を絞め上げる」「ビール瓶を口に突っ込み、飲ませた後に瓶で頭を叩く」「かばんに氷を入れる」「ダメージ加工のジーンズをビリビリに破く」「同僚教員にわいせつ文言を無理矢理送らせる」「『ボケ』『カス』『性病』『犬』、ポンコツを意味する『ポンチャン』等、暴言、侮辱の言葉の数々」「被害教師の車の上に乗る」「車内に飲み物をわざとこぼす」「車に大量の灰皿の水をまき散らす」「送らせた後、窓から下車したり、足でドアを閉める」「トマトジュースをかける」「携帯電話を隠す」「携帯電話にロックをかける」「お土産を催促して、買ってきたら捨てる」「仕事が終わってないのに、せかして悪口を言う」「指導案に落書きする」「ラーメン屋で、卓上にあった生姜の汁、酢を水に入れて飲ませる」「大量の菓子を口に詰め込む」「輪ゴムを顔に当てる」「背中を肘でグリグリと押す、足を踏みつける」「乳首をあざになるほどつねる、掃除機で吸う」「酒を強要し、拒否すると平手打ち」「印刷用紙が入った段ボール箱をいきなり頭に置く」「コピー用紙の芯で尻をミミズ腫れができるほど殴る」…
加害行為は50種類にも及ぶという。よくこれだけ思いつくなと思ってしまうが、よっぽど楽しかったんだろう。
さらに加害教師たちは、児童に対しても被害教師の悪口を言ったり、いじめの様子を面白おかしく話したり、被害教員が受け持つ児童に対して、学級をめちゃめちゃにするようけしかけたりもしていたという。
しかも加害行為は他の教師数名にも及んでおり、中でも他の男女教師に性行為をするよう強要し、その証拠画像を被害教師に送らせていたと週刊文春が報じている。もう完全に犯罪行為である。
しかも、主犯格のいじめ教師が女性で、子分の男性教師3人にいじめをさせていたというのだから、もうわけのわからなさが度を超えている。妙なところで「女性の地位向上」が進んでいるが、かつての赤軍派の永田洋子みたいなものかもしれない。
被害教員は2年余りいじめを受けており、昨年には被害を当時の校長に訴えたが、主犯格の女教師がその校長のお気に入りだったために、もみ消されていたらしい。
被害教師は今年4月ごろから吐き気や睡眠障害、動悸などの症状が強く出るようになった。7月には現在の校長が事態の一部を把握して加害教員4人を指導したが、主犯女教師が現校長よりも権力の強い「女帝」と化している状態だったために効果はなく、被害教師は「くそやな」「ママによしよししてもらえ」などの暴言を浴びせられ、さらにいじめを受ける結果となった。
被害教師は8月には「2学期が始まれば、またやられる」と思い詰めて精神状態が悪化し、9月から仕事を休んで療養を余儀なくされ、それでようやく事態が表沙汰になったのである。
大人のイジメはもっと陰湿で巧妙にやるものかと思っていたが、その手法は子供と全く同じに幼稚で直接的で、激辛カレーを食わせてケタケタ笑っている様子などクソガキそのものだ。
加害男性教師は、「嫌がっているとは思わなかった」と言っているらしいが、これも子供の言い訳そのもので、これだけのことをして本当に相手が嫌がっていると思わなかったのなら、もう人間の基本的な情緒が欠落している。
加害教師4人は「謝罪文」を公表したが、これまた子供が叱られて渋々書いた反省文みたいな文面だった。
それどころか、主犯女教師に至っては「本当にそれまでは、被害教員には自分の思いがあって接していたつもりです」「彼が苦しんでいる姿を見ることは、かわいがってきただけに本当につらいです」などと一切悪いことをしたとは思っていない様子で、読んで寒気を感じた。
こんなのには懲戒免職は当然で、さっさと立件して刑務所にぶち込むべきだ。
いじめは、いじめる側が100%悪いのは当然だ。「いじめられる側にも非がある」といった観念が蔓延しているから被害者はなかなか人に相談できず、中には本当にいじめられる自分の方が悪いと思い込んでしまい、自分だけを責めた挙句、自殺に至ってしまう場合すらある。
だから、いじめは加害者が100%悪いということは、常識にしなければならない。
だが同時にそういう判定が常識になったとしても、競争社会であり、優劣をつける社会である以上、いじめられる側の大人にも言っておくべきことはあるのではなかろうか?
大人であって、社会人である。子供と一緒に扱わなくともいいのではないか?
コメント
コメントを書くもう一つ突っ込ませてもらうと、「ふわっとしたパステル系の服」を着れば、男を納得させる事ができると言うのなら、それは、所詮男は見た目で判断する軽薄な生き物だ、と暗に蔑んでいるようなものです。
ピンクのフワッとしたパステル系のワンピース…。
吹いたわ!
デートの服装指南ではあるまいし…。
九州の男性は繊細なんですね。
「男尊女卑」のテーマに相応しい状況のようです。
楽しみにしています。頑張ってくださいね。
「ああいう男尊女卑な人らはピンクのフワッとしたパステル系でも着て見せてやれば納得するんじゃないですか(笑」という皮肉交じりの冗談だったのでは?とも考えますがどうだったんでしょうね
いつの間にか投稿数が多いね。
最近思うのだが、安倍政権の組閣ってアミダくじで決めているのかなと思う。
少なくとも頭は使っていない。
改憲の為ならと黙ってはいたが、いい加減にしろと言いたい!
>>211
よしりん先生のブログ「『ゴー宣道場』内の、公のための改革」、及びトッキーさんのブログ「ちぇぶ全国推進隊長の仕事の一端」を読めば分かると思うのですが、いちおう補足をします。
「ゴー宣道場」は元々、よしりん先生、故・堀辺師範ら創設師範のかたがたの「公論を作る」という趣旨のもとで発足し、当初は堀辺師範の「骨法道場」で開かれ、骨法道場生が主体となって設営をおこなっていました。
その後、応募人数増加などの理由で、会場を借りて開催されることになり、 骨法道場生だけでは設営ができなくなりました。そこで、「門弟」・「道場生」という制度が生まれ、二度連続当選したものには「門弟」という称号が与えられ、一定期間のみ設営に参加できる、という「名誉」を授けられたわけです。
そして、最初から営利を目的としていないので、会場使用費にあてるお金を僅かばかり取る、という形で運営されているのです。
さらにその後、カレーせんべいさんの直訴により、よしりん先生らを関西に招致して開かれ、拡大し、九州でも同様にして開催された、という流れだったと覚えています。こちらから大漫画家の先生たちを呼んで実施されているので、「収入を獲得する」ということは度外視されています。
このころから、「門弟」だけでは設営隊入隊が不可能になり、よって、「門下生」という言葉が生まれ、「門弟」に次ぐ資格になったのでしょう。
以上が想像を交えた私なりの解釈です。通常の設営にはその設営の苦労や努力があって、大変なのだろうと思います。でも、この場合はボランティアであることに意義があるのであり、慰安のパーティーなどを開くことによって、その労苦は報われているのでしょう。
よしりん企画で費用を負担するべきだ、という意見も出てくるのでしょうが、毎年隔月で6回、地方出張でさらに増えるその負担を賄うのはどれだけ大変なことか、とも考えてみた方がよいです(発足当初は毎月だったのですよ)。地方出張の時間や費用だって、ばかにはならないはずです。
さらに少し言えば、参加したくても、時間や仕事などの都合などにより、参加できない人たちのことへも想像を巡らしてみてください。
今回もコメント欄を色々と汚してしまったことを反省します。それでは、また次回配信を期待します。
<m(__)m>
仮にも大の大人がこんな子供と同様の
イジメをするとは思ってもみませんでした。
一体、どういうそだち方をすればこんな風に
なるのか、不思議でなりません。
一方の被害者側が抵抗らしい抵抗を
しなかったのは、優しさというより、
職場=共同体の和と自分の評価を
下げたくないという意思が働いたから
ではと推測します。
イジメは加害者が100%悪い、けれども
自分の身は自分で守らなければならないと
いうよしりん先生の主張は正しいと思います。
ただ、そういうのがシンドいという人が
多いから、権力や法律で取り締まろう、
社会を無菌室にしようなんて考える人が
出てくるのだとも思います。
「正しい宗教のつくり方」、遂に内ゲバが
始まりそうな雰囲気が漂ってますね。
登場人物一人一人の私欲が充満してきていて、
これがどう爆発するか見ものです。
今竹田が羽鳥モーニングショーに出て
女系天皇の話してますね。
見られる人はどうぞ。
竹田君は、学習能力が無いのか
ドMなんでしょうね(笑)あんな軽蔑の眼差しで女性弁護士から、反論されても、問題をすり替えて答えて、「どーだ参ったか!」って顔してた(笑)なかなか出来るもんじゃありません(笑)
『泥にまみれて』を私は最初、先生のブログを読んで割とすぐにアマゾンで探しました。1日経っていたか、いないかくらいだったと思います。そしたら、七百数十円して、買うのをためらいました。
結局、アマゾンでは買わずに、行きつけの本屋さんへ行き、店内の検索機で探すと、五百数十円のものが品切れと出ました。
結局、本屋さんでも注文せずに、数日経った一昨日の日曜日、アマゾンを見てみると343円だったので、即買いました。
たまたま、同じ県内から出品されていたものだったらしく、月曜日には届いていて、今、読み耽っています。強烈で、鮮烈な、お話ですね。
SPAゴー宣で『韓国論』がシリーズ化され、とても有り難いです!
関西HPの「タッチ&ゴー宣」というコーナーでは、ゴー宣読者同士で、韓国に対する考えや感情を、未熟なまま語り合っています。
おそらく間違った知識や矛盾した感情を、沢山言っていることだと思います。
時が経ってから読み返せば、羞恥心でのたうち回る予感がしています(苦笑)
ゴー宣の『韓国論』を通じて日韓の歴史を知り、
「じゃあ、あのとき、どうすればよかったのか?」
「じゃあ、これから、どうすればよいのか?」
その答えに一歩でも近づきたいと思います。
それを自分自身の挑戦としたいです!
これからも、ゴー宣『韓国論』を応援しています\(^o^)/