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「恋愛禁止条例」から「恋愛スルー条例」へ(最終回)
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「恋愛禁止条例」から「恋愛スルー条例」へ(最終回)

2014-04-28 12:30
     

    世の中には迷いなき信仰を持つ「一神教タイプ」と、
    執着を持たない「仏教タイプ」と、
    損得しか考えない「唯物論タイプ」の人間がいる。

    AKBファンの中にも、大きく分けてこの3タイプがいる。

    一神教タイプ」は推しメンのスキャンダルにはめげない。

    事件を「受難」として受け止め、もっと信仰は篤くなり、
    今こそ応援しなけりゃと健気に推し続ける。

    そこまではいい。信仰の自由だ。

    めげないのは全然構わないのだが、
    週刊文春の取材を受けた小林よしのりが悪いなどと、
    責任転嫁してわしを非難してくる者がいる。

    一神教は悪くないが、事実を捻じ曲げて、
    他者に憎悪を募らせ、敵意を向ける。

    こうなると、オウム真理教のようなカルトになるわけだ。

    本物の仏教では「執着(しゅうじゃく)」は悪である。

    仏教タイプ」は元々DDだから、
    推しメンにスキャンダルが出ても、ショックは一時的で、
    失望したら黙って「推し変」するか、
    あるいはそのまま静かに推し続ける。

    如来や観音や菩薩はたくさんいるから、
    どの仏様に帰依したっていい。

    わしにとって渡辺美優紀は元々
    「劇場のパフォーマンス」が好きなので、
    DDの一人としてそのまま静かに推し続ける。

    一人を盲信しないし、執着しないが、
    信じることを止めないのが仏教タイプだ。

    唯物論タイプ」はアイドルを偶像化しない。

    アイドルの「純粋性」「本気(マジ)」「聖性」を
    全然信じていないし、単なる性欲でしか見ていない。

    誰でも男とやってるとか、枕営業してるとか、
    散々馬鹿にしているが、それなのにAKBを無視できない。

    結局、執着しているのである。

    推しメンに失望して、このタイプになった者は、ネットで
    ストーカーと化して、過剰な誹謗中傷、罵詈雑言を書き込む。

    仏教でいえば餓鬼道に墜ちた者たちである。

    信仰心もなく、信じられる人もなく、
    憎悪を頼りに生きている者は哀れである。

    劇場やコンサートにスキャンダル発覚直後のメンバーが
    出てくると、重苦しい空気になるが、しばらくすれば
    大多数のファンは「公共性」の方を重視して、
    非難じみた視線や態度は慎むようになる。

    ネットの中では不寛容に見えるファンだが、
    現実には「公共性」がある。

    一般論として論じるために名前を伏せていたが、渡辺美優紀は
    スキャンダルがすでに「スルー」(鬼頭桃菜の件など)に
    なった後で、不祥事を起こした。

    運営の方針と企業CMの件など、資本主義の要請で謝罪できず、
    運営からの配慮ある罰も与えてもらえない。

    これは「針のムシロ」に座らされているようなものだ。

    最も過酷な罰を受けている最中かもしれない。

    田中菜津美が「コロコロ」というネットに流出した
    軽薄読モ男の言葉を劇場でいじったのは感心したが、
    本来、渡辺はイジラレ役のキャラではないし、
    笑顔で反応するだけでも、よく耐えていると思う。

    鬼頭のように、ファンの悪口だけは絶対に言わないこと。

    今は耐えて、いつも通りの笑顔で、信頼回復の道を
    歩まねばならない。

    SKEのファンもきっと渡辺のパフォーマンスは
    評価してくれるだろう。

     

    わしに対して、「運営のスキャンダルスルーを認めるのか?
    運営の犬め!今後、AKBの子たちが安心して男を作るようになり、
    AKB全体が崩壊するぞ」と文句を言ってくる者がいるが、
    そんなことにはならないから大丈夫だ。

    未だに「不文律」の恐ろしさがわかってないようだが、
    例え運営が公式に「恋愛は自由にします」と宣言しても
    無駄なのだ!

    ファンは「偶像」しか見られないし、
    「偶像」を見たいという心理がアイドルを
    成立させているのである!

    大多数のメンバーが、ただちに恋愛や男遊びを始めることもない。

     

    「恋愛は自由にします」という宣言は、
    「アイドルを辞めます」宣言になってしまい、
    実像・実力・才能だけの勝負になってしまう。

    美貌・歌唱力・演技力などで、プロのモデル・歌手・女優などと、
    今すぐ勝負できる者がいるか?

    だからAKBを卒業した子たちは、大変なのだ。

    前田敦子、大島優子、板野友美、秋元才加、篠田麻里子、
    河西智美、増田有華、まだまだいるが、
    さあ何人芸能界に残るだろう?

    卒業したら恋愛は自由だが、実力だけが頼りであり、
    もうアイドル(偶像)という下駄は履かせてもらえない。

    秋元康がどれだけ協力してやっても、
    アイドルなしで生き残るのは相当難しい。

     

    アイドルは「恋愛禁止条例」なしには成立しない。

    スキャンダル・スルーは「不文律」の完成である。

    現実社会においても、成文法は不文法(良識)が前提なのだから、
    AKBにおいてはファンとメンバーの暗黙の契約である
    「恋愛禁止条例」は崩れることはない。

    週刊文春がスキャンダルを報じたとき、メンバーが
    「ばれちゃた。彼氏で-す!」とキス写真でもぐぐたすに載せて、
    それでもファンが一切動揺しなくなったら、
    確かにアイドルの価値観が変わったのだとわしも認めよう。

     

    というわけで、「恋愛禁止条例」は永遠だから、
    UGN(ウラギラナイ)48」を作ろうかと思う。

    「作ってもいいかな?」「いいとも――!」

    わしこの予定調和の掛け合い、大嫌いなんだ。

    「運営がスポンサー絡みで作る企画がつまんないから、
    わしは勝手に「UGN48」で遊んでいいかな?」

    「ダメだとも――!」

    「うるせ――――――――――!!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・

    結局のところ、人々が愛するのは自分の欲望であって、
    欲望の対象ではない。

     ―フリードリヒ・ニーチェ―   

    (おしまい)

     

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