民主党を批判するときにマスコミや識者は
「アベノミクスを批判するなら具体的な代案を出せ」
と言う。
わしにはこれが理解できない。
アベノミクスとやらは、節操なき、不道徳な
金融緩和ありきで実行された博打である。
いったい誰が返すんだというほどの、
ものすごい財政赤字を積み上げている。
若者たち、子供たちが、返す借金になるのだ。
アベノミクスとやらは、少子高齢化と、
グローバリズムと、耐久消費財の充満によって、
成長時代の終焉を迎えた日本の社会に、
いわば覚醒剤を打って、強引に経済を
活性化させようとするものだ。
「覚醒剤以外に元気になる代案を出せ」
と言われても、
「いや、老化しつつある身体に、覚醒剤まで
打って元気を出す必要はないのです」
と言わざるを得ない。
「私の身体は老化しているから、若者や、
子供たちのために、投資することにしましょう。
それがこの老体にも健全で公的な
活力を蘇らせる方法です」という以外にない。
脱原発で地方の特色を生かした再生可能エネルギー
への転換をし、その再生可能エネルギーを
核とした産業を地域別に根付かせる、
海洋風力なら漁業との連携ができるし、
山間部風力や地熱発電なら林業との連携になり、
太陽光を農業と結びつけることができる。
都会では水素スタンドへの投資を一気に進めて、
水素自動車の普及を促進する。
エネルギーの多様化で、地域を再生させれば、
昔ながらの因習やしがらみを排した、
新たな共同体を立ち上げることができる。
匿名の馬鹿がいがみ合うネットの絆ではなく、
顔を見知った人間同士の、礼儀ある絆を
再構築することを、「きれいごと」と思われようが目指さねば、
ヘイトスピーチなんかなくなるわけがない。
ヘイト野郎は、共同体から浮遊した、
劣化した感情の表出なのだから、
今や日本人は感情までが劣化しつつあるのだ。
つまり人間ではなく、獣化しつつある。
リベラルが言ってきた「きれいごと」を、
無意味だと断ずるなら、
天皇陛下のお言葉をどう捉えるのか?
あれも「きれいごと」なのか?
民主党の中の現実派は、政権を経験した失敗に
懲りて、自民党とほとんど変わらなくなる
新自由主義路線を目指すのか、それとももう一度、
理想の旗を掲げるリベラルを目指すのか、
決断が迫られている。