第24号 2013.2.5発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、AKB48ブームから現代社会を掘り下げる(本当は新参ヲタの応援記!?)「今週のAKB48」、よしりんの愛用品を紹介していく「今週の一品」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、『おぼっちゃまくん』があなたの人生相談に真剣回答!「おぼっちゃまくん人生相談~言われたとおりに生きるぶぁい~」、読者との「Q&Aコーナー」、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」は、安倍政権・支持率上昇の背景に蔓延する「ニヒリズム」を暴く!そして、歴史認識の問題だけでなく経済政策においても、安倍政権は米国から信用されていなかった!!親米保守の皆さん、どうしますか!?
※先週、芸能界を揺るがした、AKB48峯岸みなみのスキャンダル&坊主謝罪動画。「今週のAKB48」は、ブログや生放送で語ったものとはまた違う角度から、この問題を解き明かします。爆笑と共にお届け!!
※連載第2回を迎えて、ますますノッてきた「もくれんの『ザ・神様!』」。日本最古の甘ったれニート・スサノオノミコトが姉・アマテラスオオミカミの元へやって来た!!さぁ、どうなる!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第27回「かろうじてニヒリズムを防ぐもの」
2. 今週のAKB48・第23回「みぃちゃんを張る男たち」
3. おぼっちゃまくん人生相談~言われたとおりに生きるぶぁい~・第119悶~第122悶
4. もくれんの「ザ・神様!」・第2回「厚顔無恥の「おれ、かわいそう男」スサノオの罠」
5. よしりん漫画宝庫・第24回「『救世主(メシヤ)ラッキョウ』②人は楽に生きるべし!楽しく生きるべし!」
6. Q&Aコーナー
7. 今週のよしりん・第24回「『簿記2級、珠算3級』で自信満々でしゅっ!」
8. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
9. 読者から寄せられた感想・ご要望など
10. 編集後記
第27回「かろうじてニヒリズムを防ぐもの」
もはや「批判」がウケない状態になったらしい。ネットに批判やバッシングが混在して蔓延しているから、人々は理路整然とした「批判」と、罵詈雑言の「バッシング」の違いもわからくなったようなのだ。
たとえばわしがAKB48への「バッシング」をやめろと言っても、ネット住民は、おまえがいつも「バッシング」しているじゃないかと答える始末。
大勢で寄ってたかって特定の人物や集団に対して、罵詈雑言を集中させることを「バッシング」と言う。
わしのように個人で、自分の名を出して、多数派である魔女狩り的バッシングに戦いを挑んだり、権力に対して理論と風刺と毒舌で戦うのは、あくまでも「批判」であって、「バッシング」ではない。むしろ民主主義に必要な議論を喚起するためには、必要なことなのだ。
こんなことを説明しなければならないほど、大衆の劣化は進んでいる。
ネットやツイッターで、一行か二行の罵詈雑言に慣れきった人々は、長文の読解力がないし、理論を受け付けない。ましてやユーモアや毒舌を楽しむ柔軟な脳も失ってしまった。
そして国民全体が政党政治の無力さを思い知り、期待すべき野党の消滅によって、「自民党に任せておくしかない」という諦め気味の期待に変わり、「批判」してもしょうがないという気分になってしまった。
だからもう安倍政権を「批判」しても、誰も聞こうとしない。「批判」は無意味だという状況が出来上がってしまったのだ。
無力感とニヒリズムがこの国を支配し、円安と株高が給料アップに繋がる日をひたすら待ちわびている。
安倍首相は参院選に勝つまでは、無難、無難を押し通すつもりだ。所信表明演説でもタカ派の主張をほとんど封じ、経済、経済を連呼した。
自称保守派&ネトウヨ連中は、安倍が政権取るまで勇ましく言っていたタカ派の主張をこそ支持していたはずだが、それが封印されてもおとなしく待っている。いつの間にか経済政策まで支持するようになって。
自民党が7月の参院選に勝ちさえすれば、その後には竹島の日政府式典も、尖閣公務員常駐も、河野談話・村山談話見直しも、靖国参拝も、そして憲法改正も、すべてやってくれると信じているのだろう。
安倍は就任するや韓国に親書を渡し、中国に親書を渡した。公明党の山口代表は中国の習近平総書記に親書を手渡しする際に深々と頭を下げ、外務省筋からは「まるで朝貢外交のようだ」との声もあったらしいが、それでも安倍政権に対する批判は起こらないし、親書に何が書いてあったかも、誰も関心すら持っていない。
わしは安倍は「タカ派」じゃなくて「サギ派」だと思っているが、安倍の支持者は決してそうは思わない。最初に「右派」のお墨付きさえあれば、「韓国への譲歩も、中国への譲歩も、実利を得るためだ」と大目に見てしまうのだ。
これと同じことを、民主党のような左派、穏健派、ハト派と言われる政権がやればどうなるか?
たちまち自称保守派&ネトウヨが「弱腰」と猛烈に批判して、譲歩しづらい立場に追い込んでしまうだろう。
だから、かえって「右派・タカ派政権の方が、取り得る外交政策の幅が広くなるというパラドックス」が成立することになる。これからは政権取るまでは徹底的にタカ派発言をしてナショナリズムを煽り、政権を取ったら、全部封印して、中国・韓国に譲歩すればいいと考える政治家が増えるだろう。
同じことをやっても「民主党政権の譲歩は弱腰で、安倍政権の譲歩は実利を得るため」なんて言う連中など、ウブな恋をする思春期坊やそのもの、単なる「恋をしたならアバタもエクボ」の心理だ。まったく同じものなのに、民主党ならアバタ、安倍晋三ならエクボに見えているだけではないか。
わしは、たとえ日本中が「安倍晋三にはとってもチャーミングなエクボがある」と言い張ろうとも、「それはアバタだ!」と言わずにはいられない。
民主党はできもしないマニフェストを掲げて政権を奪取し、自滅していったが、実は安倍自民党もやっていることはまったく同じ。できっこないタカ派政策、できっこない経済政策を掲げて政権を奪っただけなのだ。
鳩山民主党も、安倍自民党も単なるポピュリズム政党だ。鳩山は左向きに受けを狙い、安倍は右向けに受けを狙って、空手形を乱発しただけである。そして大衆は性懲りもなく、何度でも騙されるのだ。
1月29日の朝日新聞に「安倍政権 米国から見ると」と題して米国在住20年の作家・冷泉彰彦氏のインタビューが載っていたが、日本国内では見えにくい視点が提示されており、興味深かった。
米国政府が安倍政権に対して懸念しているのは、「右傾化」とかいう単純な問題ではないという。現に中曽根康弘や小泉純一郎も「右派」と見なされていたが、この二人が首相だった時、日米関係は良好だった。
中曽根も小泉も日米同盟を強く打ち出したが、日米関係が良好だったのはそれだけが理由ではなく、特に経済政策について価値観を共有していたことが大きいと冷泉氏は言う。
中曽根政権が行った行政改革や国鉄等の民営化は、当時のレーガン政権の「小さな政府」路線とぴったり重なり、小泉政権の規制緩和も、米国政財界と共通の価値観だった。「経済政策のわかりやすさ」が、当時の日米両首脳の親密さの背景にあったという。
ところが安倍の場合、右派的な主張をしているのに、経済政策は左派的である。お金をじゃんじゃん刷って、財政出動をしてばらまくというのは、左派政権がやることなのである。
冷泉氏はこう言う。
「日本は過去20年、さんざん財政出動したのに一向に競争力が上向かない。生産性向上のためではなく、一過性の金の使い方をしている。たいへんな債務を背負っているのに通貨価値を下落させるのは非常に危険な行為だという考え方もあります。中道左派や現実派とされる米国人には危うい政策に見えるでしょう」
さらに、問題は「主張は右派だが経済政策は左派」という「わかりにくさ」だけではなく、米国人には「安倍政権そのものに危惧がある」ように思えるとして、こう言っている。
「円安に振って、ばらまきもするギャンブルに走っている。米国政財界としては納得しにくいでしょう。参院選で勝つまで(政策が)もてばいい、あとは野となれ山となれと考えているのではないか、という懐疑がある」
米国からすれば、安倍晋三は経済政策だけでも「信用ならないヤツ」に見えているのである! そしてこの認識は、まったくわしも共有できるものなのだ。
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こんばんわにーです
先週はインフルエンザにかかって頭パァの状態でライジングのコメントかいてしまったのでおかしな文章になってしまいました。すいません。今週は忙しかったり疲れたりだったので今回はこれくらいにします
>>45 monmonさん
ありがとうございます!ぶたじる同盟大阪支部・カレーせんべいです☆
北海道は例年以上に厳しい冬の寒さですか・・・・・そんな時こそ!
結局 誰もみんな ぶたじる推し で~すよねぇ~♪♪ ※【チームB(ぶたじる)推し】のメロディーで歌ってください(-^〇^-)
『まゆゆ考案・きのこたーっぷり豚汁うどん』も、体の芯まで温まります♪食べ終わった後は、スーツの上着を脱がざるを得ないくらいです☆
そう。娘にとっても「よしりん、朝から、うんこ5回」は衝撃でしたw
娘は便秘が原因で入院しましたし、今でも便秘が数日続くと、夜中にお腹が痛い痛いと言い、寝れない状態です・・。
そんな娘にとって、うんこブリブリのよしりんとおぼっちゃまくんは、ヒーローなわけですね♪ ま、この場合は【正義の味方じゃないヒーロー】ですけどね(笑)
まさにmonmonさんがご想像して頂いたようなのやりとりをしてます(^^
ところで、AKBのドキュメンタリー映画で小林先生が映っていたという超・貴重な情報、ありがとうございます!!
私はまだ映画を見ていません。今度、出張帰りに、「とんじる派」の同僚と一緒に見に行こうと計画中です♪
今、第三者はAKBに対して、厳しいこと、冷たいことばかり言います。
でも逆に気づきました。ファンの方々の声は、ぶたじる以上に温かい♪
厳しい冬の寒さに耐えながら、ふと気づく人の温かさこそが、自分にとって大切な価値なのかもしれない。
なんて綺麗事を、よしりんのマネをして言ってみる(照笑)
大東亜論第6章の欄外を見ました。
僕は、よしりん先生の大ファンで、
AKBファンなので、AKB論書いて欲しいのですが、
僕みたいな、よしりん先生ファンは、
一般的ではないのでしょうか?
ぜひ、書いて頂けるのでしたら、
よろしくお願いしまーす。
毎週の配信お疲れ様です。いつも楽しく、また興味深く拝読しています。
よしりん歴約11年、ライジングはVol3より購読しておりますが、全てを含めてこれが初めての投稿となります。
地元の話それも自分周辺の狭い範囲の話です。
仕事が増え始める雰囲気は微妙に出て来てはいます。が、明るい兆しであるとはとても思えません。倒産したり仕事を畳む中小企業は多々有り、大手製造業数社も数百人規模の人員整理をするそうです。
その人達を雇ってくれないかと市の職員が弊社にも回って来ました。時勢の所為にしてはいけないのかも知れませんが、今の零細企業には新しく雇える余裕はありません。
やはり戦々恐々としていますよ。
メディアやネットの情報と違い誰も安倍政権に期待していませんね。勿論、漠然と「景気が良くなればいいなぁ」位は皆思います。あくまでも夢想です。勤務先のタコ社長は「燃料、工具、材料の値段は上がって行くけんども、工賃だけは下がって行くだけら」とぼやいていました。
家計的にもガソリンの値上がりは非常に厳しい。田舎の生活には移動手段のマイカーが必要不可欠ですから。おまけに雪国ですし。
一方の野党。政党の責任とは言えませんが衆議院選に落ちた名物ワンマンオーナーは、グループ企業のトップの首を切り責任を取らせたらしいです。そんな非人情な話も聞いています。
確かにもう国政及びその政治家には無力感しかありませんね。
しかし、生きて行く事に虚無感は持てない。守りたい大切な人の存在と自身の生存本能がある限り。
最早、先週号のごーまんの様にシナ人の「上に政策あれば、下に対策あり」の考え方で庶民は生きて行くしかないですよね。
生き残る事だけに執着しすぎれば利己的なシナの様になりますが。
それに対する抵抗感がある様に偽善、独善的なメリケンの価値観に染まって行く事にも非常に抵抗感を持ちます。
自分の娘と一緒にお風呂に入っただけでも虐待ではないかと警察に呼ばれる国ですよ。娘がいる自分としては信じられません。全く「ワンちゃんの落としものでも召し上がれ」ですよ。
AKBの話も大好きです。とても含蓄が深く、思いもしなかった事を考えさせられます。今までアイドルに好感を持てなかった自分がAKBを見るとニコニコしてしまう。奥さん的にはニヤニヤみたいですが。
なんと「Solong」のPVの設定が地元じゃないですか。何時の間にか撮影に来ていました。
購入するんだろうな。生まれて初めてのアイドルのCDを。
元アンチアイドルですが、故郷が採り上げられ、盛り上げて貰えれば素直に嬉しいです。彼女達が長岡花火に来てくれればもっと嬉しい。それに釣られてよしりん先生一同様もいらっしゃれば更に嬉しいです。
長文、駄文で失礼致しました。
よしりん先生の戦う姿勢にはいつも勇気づけられております
茶魔ちゃま、相談に答えてくれてありがとう。
これからは言われた通りでいくぶぁい!
茶魔ちゃまといえば一つの思い出があるんだよ。
中学時代の友人は尻がプリンと大きかったので、茶魔ちゃまの大好物「鶴岡八幡のいたらき」をもじって「プリ岡八幡のいたらき」、略して「プリ岡」という渾名だったんだよ。
全然どうでもいい話だね。
人生相談は今回が最終回とか。出会えて早々、お別れとは寂しいなー。
miruちゃんのすべらない話が読めなくなるのも寂しいなー。
でもこればかりは仕方ないね。もし人生相談のコーナーが復活したときには、僕が毎日「豆しぼり」に似たおじさんに熱視線を向けられていることについて相談させてね♪
今週のライジングは、緊急掲載「みぃちゃんを張る男たち」が、アイドルを楽しむファン達に余計な茶々を入れる週刊誌への怒りをギャグに昇華していて、戦慄しつつも楽しく読む事ができました(^^;;
僕はAKBの総選挙は推しメンに1票のみ!と決めていたのですが、今年は推しメン以外にもう1票投票することになりそうです(^ ^)
話は変わって、先週は尖閣諸島周辺で中国海軍艦船が日本の護衛艦に砲撃の照準を合わせていたらしく、緊迫した状況になっていて不安に思いつつ改めて領土を守るという事の難しさを意識しましたorz
願わくば何も起きない事を祈ってますm(_ _)m
今やっと、Vol.24全部を読み終わりました。
明日はVol.25配信ですね。
考えてみたら、「ライジング」が始まって半年じゃないですか!
お祝いしなきゃ!
これからもよしりん先生には「王様は裸だ」と指摘し続けてほしいです!
総理という地位にある人が、自身への批判を封じる動きを行っておる連中と昵懇の間柄にあることは、ホント異常です。
あとこれからも、『ゴー宣』のみのファンは不満かもしれませんが、積極的にAKBについて意見を述べて下さい。
よしりん先生のおかげで、AKBのライブやドキュメンタリーに行くようになりました。
あと、AKBに関わる問題から、今の日本の欠点、暗部も見えてくるので。
本気で日本のことを考えつつ、AKBについてもマジなよしりん先生をこれからも応援します!
今晩は。
“もくれんの「ザ・神様」”のツッコミありまくりの古事記解釈に大笑いして、男女の仲について
大いに勉強させていただきました。
自分に酔うって一種の麻薬なんですね。お付き合いしてる女性はいませんが、自分にも当てはまる気がして
怖くなりました。自分を見返すって大事ですね。
「よしりん漫画宝庫」で度々よしりん先生の時代を先取りした内容が紹介されてきましたが、
『救世主ラッキョウ』もご多分に漏れず、その先見性にただただびっくりです。
藤子・F・不二雄先生みたいに「よしりん漫画全集」刊行されないかな。
今回も配信お疲れ様でした。
vol.24の配信ありがとうございました。
休刊日が延びるのかと思っていたら、本日も配信されるのですね。小林先生をはじめ、みなぼん編集長さま、スタッフの皆様には頭の下がる思いで大変感謝しております。
時浦師範代の「よしりん漫画宝庫」も毎回楽しみにしています。
私も楽教に入信したいです。