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26日の衆院本会議の代表質問で、日本を「海外で戦争する国」につくりかえる戦争法案の危険をただした日本共産党の志位和夫委員長。憲法9条を破壊する三つの大問題を取り上げ、戦後最悪の戦争法案の廃案を求めました。
志位氏は、自衛隊が「戦闘地域」まで行って活動すれば、(1)相手から攻撃を受ける可能性がある(2)攻撃されたら、自衛隊も必要な場合、武器を使用する(3)相手がさらに攻撃してくれば自衛隊が応戦する―という危険をあげて、「たとえ、武力行使を目的にしていなくても、補給や輸送などの『後方支援』が目的であっても、結果として自衛隊が戦闘を行うことになる。これは憲法9条が禁止した武力行使そのものだ」とただしました。
首相は自衛隊が攻撃されることや、自衛隊が身体防護のために武器を使用することを認めながら、「自衛隊の活動が戦闘行為になるということはない」などと強弁しました。
志位氏は、「非戦闘地域」への派兵を建前としてきたイラク派兵ですら、サマワの陸上自衛隊宿営地はロケット弾など少なくとも14回23発の攻撃を受け、バグダッドなどへの空輸活動を行った航空自衛隊は携帯ミサイルに狙われて警報が鳴る事態が頻発するなど「攻撃を受け、戦闘に至る一歩手前だった」と指摘。「非戦闘地域」という歯止めをはずせば、「自衛隊が現実に攻撃され、『殺し、殺される』危険が決定的に高まる」とただしました。
しかし、首相は「(自衛隊の活動)実施区域の指定や活動の中止・中断等の仕組みを設けることにより、自衛隊員の安全に十分に配慮している」と述べるだけでした。
さらに、志位氏は、政府が「後方支援」と呼ぶ活動は、国際的には「兵たん」(ロジスティクス)と呼ばれる活動だと指摘。志位氏が1999年の国会でただした際、「兵たん」活動が国際法上、軍事攻撃の目標とされることを政府も認めたことをあげ、「政府のいう『武力行使と一体でない後方支援』など、世界では通用しない」とただしました。
首相は「わが国が行う後方支援は他国の武力の行使と一体化することがないように行う」と一方的に言い放つだけでした。
改定案では、国連が統括していない活動にも自衛隊を参加させ、形式上「停戦合意」がされていれば、戦乱が続く地域にも自衛隊を派兵し、治安維持活動に取り組むようにしています。
さらに、これまで自己防護のために限っていた武器の使用を、任務遂行=敵対勢力の「妨害排除」のためでも認めるなど格段に拡大しようとしています。
志位氏は、「こうした法改定がされれば、2001年から2014年までの期間、アフガニスタンに展開した国際治安支援部隊(ISAF)のような活動に自衛隊を参加させ、治安維持活動などに取り組むことが可能になるのではないか」と追及。治安維持を主任務にしていたISAFが、実際には米軍主導の「対テロ」掃討作戦と混然一体となり隊員は13年間で約3500人が戦死している事実を突き付け、「こうした活動に自衛隊を参加させるとなれば、ここでも自衛隊が『殺し、殺される』戦闘に参加することになる。憲法9条が禁止した武力の行使を行うことになるではありませんか」と迫りました。
安倍首相は、ISAFのような活動に参加するかどうかは答えないまま、「戦闘に参加することはできない仕組みとなっている」「憲法9条が禁止した武力の行使を行うこともありません」と言い張りました。法案では敵対勢力の妨害を排除するための武器使用を認め、戦闘になる可能性があるにもかかわらず、「相手に危害を与える射撃を認められるのは正当防衛または緊急避難に該当する場合に限られる」と述べ、危険な本質を覆い隠しました。
一つは、米国が先制攻撃した場合でも発動することがありえるのか、ということです。
首相は2月の本会議で、武力行使の「新3要件」を満たしたと判断すれば集団的自衛権を発動するのかと志位氏がただしたのに対し、「個別具体的な状況に照らし、総合的、客観的に判断する」として否定していません。
志位氏は「先制攻撃は、国際法違反の侵略行為です。これに集団的自衛権を発動すれば、集団的自衛ではなく集団的侵略そのものだ」と指摘し、首相の姿勢をあらためて問いただしました。
二つは、日本政府が米国による武力行使に対し国際法上違法な武力行使として反対したことがあるのかです。
1997年の日米ガイドライン改定の質疑で、志位氏の同じ質問に対し当時の橋本龍太郎首相は「一度もない」と答弁しています。
志位氏は「こんな異常な米国追随の国は世界の主要国でも日本だけだ。このような政府が、米国が無法な戦争にのりだしても、言われるままに集団的自衛権を発動することなるのは明らかだ」と指摘しました。
安倍首相は「米国の武力行使に国際法上違法な行為として反対したことはない」と明言する一方、「新3要件の判断はわが国が主体的に行う。米国に言われるまま武力を行使することは断じてない」と根拠なく答弁しました。
1「戦地」での軍事支援
志位「殺し、殺される」危険が決定的に高まる
首相 安全に配慮している
第一は、米国が世界のどこであれ、戦争に乗り出した際、自衛隊が従来禁じられてきた「戦闘地域」まで行って、弾薬の補給、武器の輸送などの軍事支援(「後方支援」)を行うようになることです。(表)志位氏は、自衛隊が「戦闘地域」まで行って活動すれば、(1)相手から攻撃を受ける可能性がある(2)攻撃されたら、自衛隊も必要な場合、武器を使用する(3)相手がさらに攻撃してくれば自衛隊が応戦する―という危険をあげて、「たとえ、武力行使を目的にしていなくても、補給や輸送などの『後方支援』が目的であっても、結果として自衛隊が戦闘を行うことになる。これは憲法9条が禁止した武力行使そのものだ」とただしました。
首相は自衛隊が攻撃されることや、自衛隊が身体防護のために武器を使用することを認めながら、「自衛隊の活動が戦闘行為になるということはない」などと強弁しました。
志位氏は、「非戦闘地域」への派兵を建前としてきたイラク派兵ですら、サマワの陸上自衛隊宿営地はロケット弾など少なくとも14回23発の攻撃を受け、バグダッドなどへの空輸活動を行った航空自衛隊は携帯ミサイルに狙われて警報が鳴る事態が頻発するなど「攻撃を受け、戦闘に至る一歩手前だった」と指摘。「非戦闘地域」という歯止めをはずせば、「自衛隊が現実に攻撃され、『殺し、殺される』危険が決定的に高まる」とただしました。
しかし、首相は「(自衛隊の活動)実施区域の指定や活動の中止・中断等の仕組みを設けることにより、自衛隊員の安全に十分に配慮している」と述べるだけでした。
さらに、志位氏は、政府が「後方支援」と呼ぶ活動は、国際的には「兵たん」(ロジスティクス)と呼ばれる活動だと指摘。志位氏が1999年の国会でただした際、「兵たん」活動が国際法上、軍事攻撃の目標とされることを政府も認めたことをあげ、「政府のいう『武力行使と一体でない後方支援』など、世界では通用しない」とただしました。
首相は「わが国が行う後方支援は他国の武力の行使と一体化することがないように行う」と一方的に言い放つだけでした。
2 治安維持活動
志位 ISAFのような活動に参加することが可能となる
安倍首相は答えず
第二に、PKO(国連平和維持活動)法改定案の重大な問題です。改定案では、国連が統括していない活動にも自衛隊を参加させ、形式上「停戦合意」がされていれば、戦乱が続く地域にも自衛隊を派兵し、治安維持活動に取り組むようにしています。
さらに、これまで自己防護のために限っていた武器の使用を、任務遂行=敵対勢力の「妨害排除」のためでも認めるなど格段に拡大しようとしています。
志位氏は、「こうした法改定がされれば、2001年から2014年までの期間、アフガニスタンに展開した国際治安支援部隊(ISAF)のような活動に自衛隊を参加させ、治安維持活動などに取り組むことが可能になるのではないか」と追及。治安維持を主任務にしていたISAFが、実際には米軍主導の「対テロ」掃討作戦と混然一体となり隊員は13年間で約3500人が戦死している事実を突き付け、「こうした活動に自衛隊を参加させるとなれば、ここでも自衛隊が『殺し、殺される』戦闘に参加することになる。憲法9条が禁止した武力の行使を行うことになるではありませんか」と迫りました。
安倍首相は、ISAFのような活動に参加するかどうかは答えないまま、「戦闘に参加することはできない仕組みとなっている」「憲法9条が禁止した武力の行使を行うこともありません」と言い張りました。法案では敵対勢力の妨害を排除するための武器使用を認め、戦闘になる可能性があるにもかかわらず、「相手に危害を与える射撃を認められるのは正当防衛または緊急避難に該当する場合に限られる」と述べ、危険な本質を覆い隠しました。
ISAF
国際治安支援部隊(ISAF) 2001年末に採択された国連安保理決議1386に基づき設立。アフガニスタンのタリバン政権崩壊後の治安維持を目的としていましたが、米軍主導の「対テロ」戦争とあいまって、多くの戦死者を出すとともに多数の民間人を殺傷しています。
国際治安支援部隊(ISAF) 2001年末に採択された国連安保理決議1386に基づき設立。アフガニスタンのタリバン政権崩壊後の治安維持を目的としていましたが、米軍主導の「対テロ」戦争とあいまって、多くの戦死者を出すとともに多数の民間人を殺傷しています。
3 集団的自衛権
志位 米の先制攻撃で発動か
首相 米に反対したことない
武力攻撃事態法などの改定で、日本がどこからも攻撃されていないのに、集団的自衛権を発動して、米国の戦争に自衛隊が参戦し、海外で武力を行使する―。志位氏は最後に、これまでの政府の憲法解釈を根底から覆す企てを、二つの点から厳しく批判しました。一つは、米国が先制攻撃した場合でも発動することがありえるのか、ということです。
首相は2月の本会議で、武力行使の「新3要件」を満たしたと判断すれば集団的自衛権を発動するのかと志位氏がただしたのに対し、「個別具体的な状況に照らし、総合的、客観的に判断する」として否定していません。
志位氏は「先制攻撃は、国際法違反の侵略行為です。これに集団的自衛権を発動すれば、集団的自衛ではなく集団的侵略そのものだ」と指摘し、首相の姿勢をあらためて問いただしました。
二つは、日本政府が米国による武力行使に対し国際法上違法な武力行使として反対したことがあるのかです。
1997年の日米ガイドライン改定の質疑で、志位氏の同じ質問に対し当時の橋本龍太郎首相は「一度もない」と答弁しています。
志位氏は「こんな異常な米国追随の国は世界の主要国でも日本だけだ。このような政府が、米国が無法な戦争にのりだしても、言われるままに集団的自衛権を発動することなるのは明らかだ」と指摘しました。
安倍首相は「米国の武力行使に国際法上違法な行為として反対したことはない」と明言する一方、「新3要件の判断はわが国が主体的に行う。米国に言われるまま武力を行使することは断じてない」と根拠なく答弁しました。
武力行使の「新3要件」
1 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合
2 これを排除するために、他に適当な手段がないとき
3 必要最小限度の実力行使をする
1 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合
2 これを排除するために、他に適当な手段がないとき
3 必要最小限度の実力行使をする