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  • 語り処_2023.07.28

    2023-07-28 20:30  
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      1. ひとことオピニオン

    政治改革から30年。新たな政治へ向かおう!

    自民党の一党支配が続いた「55年体制」の崩壊から今年7月で30年を迎えました。その翌年1994年には、「政権交代可能な議会制民主主義の確立」と「本当の政治主導」を目指した政治改革が本格的にスタートしました。

    政治改革が謳われた背景は、中選挙区制による「政治とカネ」の問題が生じるということですが、政治改革の本当の核は「政権交代の可能性」をつくったということです。小選挙区制で各選挙区における当選者を一人にすることで野党が固まり、自民党に代わるもうひとつの政権を担う主体をつくっていく。それにより国民参加の緊張感ある政治を実現していく、というのが政治改革の本質です。

    ところが野党にはその意識が全くなく、いつまでたっても野党のままでいようとしています。現状のままでは、自民党と地下茎で繋がっていたとはいえ「55年体制」の社会党のほうがまだエネルギーがあったのではないでしょうか。現行選挙制度で野党が政権を奪取するには、まず野党第一党が強烈なリーダーシップを発揮し、強力な求心力を持たなければなりません。しかし、残念ながら今の我が党にはその気概が感じられません。また、その意欲も見られません。

    政治改革により中選挙区制から小選挙区制にすることで、候補者本位から政党本位の政治に移行し、議院内閣制で大きく2つのブロックの政党群が互いに競い切磋琢磨し、国民のための政治を行っていく。政治家を目指すということは、単に自分の思いを政策にしていくだけではなく、この政治のダイナミズムの一員となり、それを担っていく覚悟を持つということです。

    政治改革から30年。早ければ今秋、遅くとも再来年の任期満了までに必ず政権選択選挙があります。そのなかで野党、とりわけ立憲民主党は神風が吹くのを待つのではなく、政治改革の意図と目的を十分に理解し、それに則って行動し、リーダーシップを発揮し、なんとか野党ブロックをまとめ上げ国民に選択肢を提示していくべきです。

    平成以降の政治史における三度目の政権交代を実現し、政権交代可能な議会制民主主義という日本の新たな政治シーンの完成に向け、これからも私は微力ながらも努力していきたいと思っています。

    2.季節の話題
    大相撲でも岩手県!
    盛岡市出身で東前頭筆頭の錦木(にしきぎ )関が名古屋場所で敢闘賞を獲得し、秋場所での三役をほぼ手中に納めました。正式な番付発表は8月下旬になりますが、今からそれを見るのを楽しみにしています。

    錦木関の殊勲賞は初土俵から103場所と史上最も遅い記録というのも、いかにも努力家の錦木関らしくていいのではないでしょうか。彼の年齢は32歳だと言いますから、力士としての峠は超えているのでしょうが、継続は力なり。粘り強く、精進してきたからこその賜物だと思います。まさに、「お天道様はお見通し」ということだと思い、僕も勇気づけられました。

    3.Q&A
    日本の食糧政策
    日本の農業は「種子法廃止→農業競争力強化支援法→種苗法改正」という流れの中で、グローバル種子企業に支配されるようになりました。野菜種子の多くは一代限りで毎年購入しなければならないF1品種で、その約9割が海外で生産されているといいます。つまり、野菜自体の自給率は80%ありますが、種子のほとんどが海外でつくられていることを考えると、真の国内自給率はその10分の1程度しかないということです。

    こういう農政を続けていって、いざというときに政府は国民の食糧を本当に確保することができるのでしょうか。命を守ることができるのでしょうか。輸入食料だけでなく、種子、肥料、飼料、エネルギーなどを過度に海外に依存するような状況では、ひとたび何かが起これば全てがストップし、日本は本当に食べるものがなくなってしまいます。これが意味するのは、お金が手元にいくらあっても、買う食料がないという悲惨な時代が来るかもしれないということです。

    ロシアのウクライナ侵攻、台湾有事などを考え、最近は日本の国土を他国の攻撃から守る軍事力の強化について盛んに議論されるようになりました。もちろん、それはそれでとても重要な問題です。しかし、兵糧攻めという言葉があるように、海に囲まれている日本は、まず食料を自給できる体制を整えてこそ、はじめて戦うこともできるのです。その意味で、日本の食糧安全保障、エネルギー安全保障、経済安全保障、外交安全保障等々をトータルで考えたとき、優先順位としてまず早急に確立すべきは食糧安全保障ではないでしょうか。

    そのためには、国産の種苗で米、麦類、大豆といった基本穀物を完全自給できる体制を一日も早く整えることです。また、これらを育てるために使うエネルギーに関しても、再生可能エネルギーによる自給が急務です。

    世界各国は食料自給率を上げるために、政府が積極的に農家を支援しています。ここで勘違いしてはいけないのは、国が莫大な補助金を出し助成しているのは農家ではありません。補助金の根本にあるのは、主権国家として国民に安定して安全な食料を供給し、国民の命や国土を守るという思想です。つまり公的助成の意味は国民保護のための支出だということです。

    日本が真の食糧自給率を上げていくためには、同盟国アメリカといえども、日本の国益に大きく反することなら、遠慮せずに言うべきことはきちんといい、ダメなものはダメだと毅然とした態度で臨むべきだと私は常々言っています。そのためにも、政権交代を果たし、既存の利権構造を断ち切ることが必要なのです。


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