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 本日より新連載の教育関連コラムです。
 億の近道では従来からの個人投資家教育に加え、最近では中高生を中心とした青少年への金融教育も推進しています。
 金融や経済を理解するにも、基礎的な学力と理解力、洞察力などがあるに越したことは有りません。本コラムは若者のみならず、大人が再学習するときにも役に立つヒントがある内容と感じています。
 子どもたちを長年サポートしているプロフェッショナル鍋田氏に登場していただきます。お楽しみに。

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 鍋田さんは30年に渡り、不登校の学生に人格教育してこられた宗教者であり、哲学者です。山本が1980年代に貧乏学生だった時に、仕送りなく、退学になりそうな折に、鍋田学習塾に泊まり込んで貧乏学生らの生活の面倒を全部みてくださいました。鍋田さんには感謝しております。
 鍋田さんは、自然農に精通されており、全国の良心的な農家や食品メーカーとの交流があります。小田原にわたしは鍋田さんと共に研修所をつくり、食べること、生活すること、生きることを全力で楽しんでいます。

 お子さんの育て方に悩む世代の方には、是非、小田原の研修所に、親子で遊びに来てもらいたいと思っております。

 私の息子たちも鍋田さんの大ファンです。

(山本潤)


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鍋田大蔵氏

 1985年に鍋田学習塾を開業。個人指導にこだわり、不登校、高校中退生等の大検合格と大学進学を生涯にわたり手掛けてきた。
 コーチングのプロとして、ホームページの事例紹介にある通り、実績に裏付けられた個を引き出す方針により、本人のやる気を丁寧に引き出していく。
 個性を磨くことと社会性を獲得することを両立させる手法が人的資本重視の時代に大きな注目を集めている。
 https://www.odawara-shingaku.com/


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 数え切れない家庭環境、教育方針、学校がありながら、このテーマで書くのは不可能に近い事です。

 しかし、これは親にとっても子供にとっても大事件であり、乗り越えていこうとする時、少なくとも親子関係を崩壊させない事が最重要課題だ、という観点から提案したいと思います。


 なぜなら子供達の多くが本来の活気を取り戻す過程で、親の対応、言動に遺恨を残しているからです。

 もちろん、子どもたちの側も自分が悪い事をしているという罪悪感が有るので、多くの場合、直接的に反論、反抗は出来ません。しかし、彼らはただ親として「(今、何も言えない自分を)理解して欲しかった」「あの時こそ、すぐに解決策を押し付けず寄り添って欲しかった」といいます。

 もちろん事実として、親御さんは必死で学校との対応、次の彼らの進むべき学校、解決法に取り組まれて居ました。子供との話し合いも充分になされていました。
 それでも彼らは「理解して欲しかった」「責められた」と当時を振り返ります。


 一例として、

 「これからどうする?どうしたい?何したい?」

と子供に問いたくなります。
 当然かもしれません。

 しかし、もともと、ほとんどの子供は明確な目標、職業、将来像は持っていません。持っていても、親に対する学校に行けない罪悪感から、はっきりと言えなくなっています。
 ですからそういった質問自体、結果的に本人は
「イジメに遭っている」
「最終砦の親なのに何故、今、そんな事を聞くの??」
と受け止めます。
 また、学校、勉強、将来などの単語を含む問いかけ、話し合いも同じです。(一部の高校生なら、有効な場合も有ります)


 では、どうするのが良いでしょうか。
 ここで万策尽きたように引きこもりを認めてしまっては、イケません。

 親として自信のあることでの(単に家庭養育、つまり、起きる、食べる、時間を守る、挨拶、寝るなどの本来の躾に関することです)毎日のアプローチは欠かせません(引きこもりが長期間になる場合が多いからです)。

 家庭は、学校でも教育機関でもありません。
 家庭は愛情を基盤とした生活、養育の場です。
 学校に行かなくて、家庭を教育の場として代替することは不自然で、更に子供を消耗させます。

 しかし、生活の場として、(学校のように)時間配分や着衣喫飯を(古い言葉でスイマセン)厳しく、正確に、そして楽しく維持することは、親として自信を持って、躊躇なく出来ます。

 これらが最も早くに彼ら自身が健全さ、自信、を回復する方法です。


 可能なら、共に家事や趣味の場で一緒に楽しみましょう。
 不登校や中退したからこそ出来るチャンスです。
 愛情が伝わるまで一途に楽しみましょう。

 彼らが心から(こうしたい)と復活するまで、さほど時間はかかりません。
 いったん、引きこもりが始まると急激に生命力が落ちて、復活に時間が掛かってしまいます。

 親として、自信を持ってやれるのは養育、体育です。
 特にこの時期に親が知育に乗り出してはいけません。


 当ホームスクールでは、彼らが私の事を先生として観ているので、将来、進学、大学といった言葉を使っても当たり前で、真剣に、ストレス無く受け止めます。もちろんその分、実際の勉強、進路、指導を共にするからです。

 接する立ち位置が違うのです。

 繰り返しになりますが、家庭で出来ることは、共に皮から餃子を作ったり、釣りやキャンプに行ったり、各家庭の味噌汁の作り方を教えたりすることです。
(早起きだけは厳しくキープしてください)


 当ホームスクール生たちが卒業時(大学合格後)又は、その後、遊びに来た時、彼らに必ず聞く質問があります。

「何がきっかけで再び受験に打ち込めるようになったか?」
「元気を取り戻すきっかけは何だったか?」

です。

 最も力を入れている面談や雑談、カウンセリングが心に刺さったという人は30%位。朝起きマラソン、英会話は継続できた人はほぼ100%なのですが、彼らの印象としては、

 ‐海に連れて行ってもらった時。
 ‐手作りベーコンを一緒に燻製した時。
 ‐自転車でバス停まで2人乗りして送ってもらった時。
 果ては
 ‐私が大きな屁をした時。

などが彼らの返事なのです。

 いわば、本来、家庭で起きるべき事なのです。

 我が子の不登校、中退は親子関係の崩壊に繋がる危険性が大いに有りますが、逆に親子の信頼関係、愛情確認、家庭養育のとても良い時間にもなります。


 私は小田原進学ホームスクール スクール長 鍋田大蔵です。
 何か相談や質問で有れば、真摯にお答え、アドバイス致します。
 ホームページの保護者欄よりアクセスお待ちしております。
 https://www.odawara-shingaku.com/


(小田原進学ホームスクール スクール長 鍋田大蔵)


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