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「美容の世界は、なぜここまで嘘が多いのか?」の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5)

 

このシリーズでは、とかく「正しいもの」を選ぶのが難しい美容の世界において、

 

  • なぜ美容の世界にはヤバい情報があふれてしまうのか
  • その情報をかいくぐって良いものに到達するにはどうすればいいのか

 

といったあたりを掘り下げております。でもって、前回は「有効成分の話」を掘り下げましたんで、今回はその続きで「美容の世界の“研究”が信用ならない問題」を見ていきましょう。

 

 

 

化粧品の世界でよく宣伝に使われる研究タイプを押さえておこうぜ!

化粧品の広告で、よくこんな“言い回し”を見かけるわけです。

 

「この美容液、臨床試験で効果が証明されました!」

「90%のユーザーが“肌が明るくなった”と実感!」

 

こんなことを言われたら、ついつい「研究で効果が出てるなら信用しよう!」と思ってしまうわけですが、残念ながらそう簡単にはいかないのが世の中なわけです。というのも、化粧品業界で使われる「エビデンス」には複数の落とし穴がありまして、「研究で証明!」の裏にはいろんな仕掛けがあるんですよね。

 

そこでまず知っておきたいのが、研究の種類によって「信用できるレベル」がまったく違うって点です。「この成分はシワを改善する!」と言われても、それが以下のどの試験から導かれたかで、信頼の度合いには天地の差があるんだよーって話ですな。

 

これは「パレオな男」でも何度か書いた視点ですが、とくに化粧品でよく出てくるタイプが3つあるので、まずはそこを押さえておきましょう。

 

 

 

研究タイプ1. in vitro(イン・ビトロ)試験

これは試験管・細胞レベルの実験で、たとえば、

 

  • ヒトの皮膚細胞に成分をかけたら、
    • コラーゲンが増えた
    • 酵素の働きが◯%抑制された
    • 紫外線ダメージが軽減された

 

みたいなやつです。このタイプの研究は、比較的早く・安価に実施できるんでメカニズムの仮説検証に向いているし、毒性の初期チェックにも使えるのが大きなメリットですね。

 

ただし、あくまで試験管・細胞レベルなので、肌の中に届くかはまったく分からないし、肌の構造・バリア機能・代謝が再現されていないし、実験条件が不自然なことが多いしで(高濃度すぎる・刺激を加えている)、「理科の自由研究でうまくいった」レベル……とまでは言わないものの、実生活に落とし込むには、まだ何段階も検証が必要だとお考えください。

 

 

研究タイプ2. in vivo(イン・ヴィーヴォ)試験

こちらは動物を使った生体レベルの実験です。たとえば、

 

  • マウスに成分を投与して毛の再生を確認
  • ウサギの皮膚にクリームを塗って炎症を観察
  • ラットに経口投与して抗酸化作用を測定

 

みたいなやつっすね。これだと生体レベルの複雑な反応を確認できるし、吸収・代謝・分布・排泄の観察が可能なのが大きなメリットであります。

 

ただし、こちらも限界と注意点がありまして、そもそも動物とヒトとは生理機構が異なる(肌の厚さ・pH・酵素など)ってのが一番の難点。なので、どうしても投与量が不自然に多くなったりするし、倫理的・動物福祉の議論も出てきたりって感じなので、あくまで「動物モデルで仮説の補強ができた」段階ぐらいに受け止めておくのが基本であります。