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久々にマルチビタミンの話です。毎度おなじみアンダーソン先生が、いま売れているマルチビタミンとミネラル系のサプリ29製品をテストした結果が出てきたんで、その結果を見つつ、あらためてマルチビタミンサプリの現状をチェックしてみましょう。

 

 

大前提として、マルチビタミンはどこまで意味があるのか問題を押さえておこう

まずは大事な前提である「マルチビタミンのサプリに意味はあるか?」を掘ってみます。これまでのブロマガでも取り上げたテーマではありますが、この手の結論は年々コロコロ変わりやすいですんで、ここで最新版の落としどころを確認しておきましょう。

 

まず結論から言うと、いまんとこ健康な成人において、マルチビタミンががんや心血管疾患の予防に効くかどうかは、はっきりした結論が出ておりません。つまり、「飲めば長生きする」とは言いづらいし、健康な人が飲んでも“劇的な効果”は期待しにくいって感じなんですよね。

 

ただし、だからといってマルチビタミンは完全に無駄って話でもなく、「条件つきで意味はある」ぐらいの感じにはなります。ここらへんは話がややこしいんで、もうちょい詳しく説明してみましょう。

 

 

問題1. マルチビタミンに「長生き効果」はあるのか?

まずは最も気になるアウトカムである死亡率から。これについては39万人以上を20年以上追跡した研究(R)がありまして、心疾患死亡率・がん死亡率・全死亡率のいずれも 「マルチビタミンを飲んだ群」と「飲まない群」で大きな差が見られなかったとのこと。 つまり、統計的には「毎日マルチを飲んでも長生きしない」という結論になりますな。

 

さらには、2022年の米国予防医学作業部会(USPSTF)は、健康な成人におけるがん・心血管疾患予防としてのビタミン/ミネラルサプリについて「証拠が不十分」と公表しております。ここだけ見ると「マルチビタミン意味ないじゃん!」って感じでして、それで話を終わりにしちゃってもいいんですが、話はここで終わらなかったりします。

 

となると、なぜマルチビタミンは効果が出にくいのかが気になりますが、これについては以下のような原因が考えられるでしょう。

 

理由1:多くの人は栄養が欠乏していない

たとえば、ビタミンAは視力を維持するのに欠かせないんだけど、 不足していない人が追加で摂っても視力が良くなるわけじゃないですからね。 これは他の栄養素でも同じで、「不足を埋める」以上のリターンが出にくいのが実態です。

 

理由2:病気は単一の栄養素による不足で起きるわけではない

がんも心疾患も、炎症・遺伝・生活習慣・代謝・環境などが絡む複雑なシステムであります。マルチ1錠でスパッと解決できるほど単純ではないので、そりゃあ明確な効果は出にくいですわね。