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「グリーンサプリ」ってジャンルの商品があるじゃないですか。野菜や果物を乾燥させるか濃縮したものを、パウダー、錠剤、グミにした商品のことですね。日本だと「青汁」みたいなものが代表例ですね。

 

この手の商品について「買ってもいいですか?」みたいなことを定期的に聞かれるので、ここで統一見解を出しておきましょう。「野菜の代わりになりますか?」とか「毎日飲んだほうがいいですか?」みたいな疑問っすね。

 

で、まずこの手の商品ってのは「1日に必要な栄養を満たせる!」と宣伝してることが多いんですが、結論から言えば、グリーンサプリは野菜や果物の代わりにはならないのでご注意ください。というのも、多くの商品の成分を見てみると、実際には1日の推奨量のせいぜい5分の1程度しか補えないケースがめっちゃ多いんですよ。

 

成人に必要な野菜と果物は一般に1日約500gぐらいだと言われますが、これを乾燥粉末にすると約50gぐらい。ところが、

 

  • 多くのサプリは1日あたり2〜10g程度しか含まれていない

  • 成分量を明記していない製品も多い

  • タピオカシロップや砂糖の方が多い製品もある

 

みたいなのが現状だったりしますんで。そう考えると、実際にはリンゴ1個を食べた方が、栄養と食物繊維をより安価に多く摂取できちゃうんですよね。乾燥・粉末・加工された野菜や果物は、生の食品に含まれる成分(繊維・揮発性油・複雑な植物化学物質など)を完全には再現できないので、あくまでも健康的な食事の代替にはならないとお考えください。

 

なんだけど、「じゃあグリーンサプリは完全に無駄?」と言われると、そう簡単には断言できないのも事実だったりはします。それというのも、多くの製品には複数の生理活性成分が入ってまして、

 

  • カロテノイド
  • 抗酸化物質
  • アミノ酸
  • 酵素
  • タンパク質
  • 食物繊維
  • ビタミン
  • ミネラル
  • フィトケミカル

 

といったあたりは、「旅行先で健康な食事が難しい!」とか「忙しくて野菜を食べてる暇がない!」とか「どうしてもコンビニ飯が続いちゃう!」みたいな状況では役立つ可能性があるからです。そこらへんは、ちょっとマルチビタミンの立ち位置に似てますね。

 

なかでも、いまんとこ有望なのはおそらく3種類でして、

 

  1. クロレラ・スピルリナ・アルファルファ系
  2. ほうれん草系
  3. フルーツ&野菜ブレンド

 

に関しては、まだそれなりのデータがあると言ってもいいんじゃないかと。これらの効能をざっくり見てみると、だいたい以下のようになります。

 

 

クロレラ・スピルリナ・アルファルファの効能

コレステロール低下

  • クロレラ:軽くコレステロールが高い男女に1日5gのクロレラを4週間ほど飲んでもらったら、中性脂肪が−10.3%、VLDLが−11%、総コレステロールが−1.6%ずつ有意に低下したとの報告がある(R)。
  • スピルリナ:韓国の研究(R)では、1日8gのスピルリナを4か月ほど飲み続けてもらったところ、太っていない人のみ総コレステロールが191 → 170 mg/dlへ、LDLが120 → 109 mg/dlに変化したと報告されている。ただし、HDLや中性脂肪は変化がなく、LDL/HDL比も改善が見られなかったとのこと。
  • アルファルファ:125人の男女に1日30g(15g×2)のアルファルファを3か月ほど使ってもらったところ、LDLがやや低下したが、統計的有意差なしとのデータ(R)がある。

 

脂肪肝(NAFLD)

ギリシャの小規模研究(R)では、15人にスピルリナ6gを6か月ほど使ってもらったところ、「AST:−38.5%」「ALT:−37.5%」「GGT:−26.7%」という良い結果が出た。ただし、プラセボ対照はないので、効果を証明するには不十分。

 

血糖コントロール

いまんとこ結果は一貫しておらず、どう考えていいかは謎。25人を対象にしたインドの研究(R)だと、1日2gのスピルリナを2か月ほど続けてもらったところ、HbA1cが9.0% → 8.0%に改善したとのこと。ただし、別研究(R)(37人、薬未使用)では、1日8gのスピルリナを3か月使ってもHbA1cに改善がなかったらしいので注意

 

 

ほうれん草系(パウダーや抽出物など)の効能

筋力アップ

ほうれん草には、フィトエクジステロイドや硝酸塩が含まれるため、運動のパフォーマンスアップに良いとされる。スペインの研究(45人、12週間)では、1日2gのほうれん草抽出物+筋トレにより、下半身の最大筋力がわずかに改善したとのこと(R)。ただし握力には改善がないし、QOL指標にもほぼ変化なしなんで、効果は控えめなのかも。

 

体重減少

チラコイド成分が、食欲抑制ホルモンを刺激するという説があり、ちょっと有望な感じはしている(R)。ただし、欧州食品安全機関(EFSA)は「因果関係は確立されていない」と結論づけているので、なかなか判断が難しいところではある。

 

 

フルーツ&野菜ブレンド系の効能

認知機能

JuicePlusって野菜とフルーツのブレンドを使った試験(R)では、92人の男女に16週間ほどこいつを飲み続けてもらったところ、

 

  • 認知速度:改善なし
  • 実行機能:改善なし
  • 注意力テスト:わずか改善
  • 知能テスト:わずか改善

 

って感じだったらしい。これを見るとちょっとだけいいかも?って感じなんだけど、まあ臨床的な意味は不明としか言いようがないですな。